ガラス
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(La2O3) などの希土類酸化物が中心。
中間酸化物
網目状酸化物と修飾酸化物の中間的な存在。非晶質化しにくく、網目状酸化物と修飾酸化物との混合によってガラス化する。

上記の溶融法によるガラス製造は古代から知られているが、現在では他の製造法も存在する。CVD法(chemical vapor deposition method, 化学蒸着法)やVAD法(vapor-phase axial deposition method, 気相軸付け法)では、気体のSiCl4を加熱基板上で反応させて酸化物を堆積し、焼結してガラス化する。ゾル-ゲル法では、例えばテトラエトキシシラン (Si(OCH2CH3)4) などの金属アルコキシドを加水分解し縮重合させてゾルとし、水分を除いて生じたゲルを焼結してガラス化する[1][3]

ガラスは図に示すように原子の並びが不規則な非晶質である。結晶では固体の中の結晶界面で光が散乱したり方向により光学特性や力学特性が異なったりするが、ガラスは非晶質なので全体が均一で透明であり、特定方向にだけ割れやすいということもない。

水晶の分子構造 結晶を形成している。ケイ素原子(黒丸)と酸素原子(白丸)からなる。以下の3点のモデルでは二次元構造を示す。

アモルファス構造をとった二酸化ケイ素

ガラスの分子構造例 アモルファス構造をとった二酸化ケイ素が骨格となり、ナトリウム・イオン(薄緑色)、カルシウム・イオン(緑色)を含む。桃色はイオン化した酸素。アルミニウム原子(灰色)が安定剤として働いている。


ガラス状態について

ガラスは液体状態を凍結したような状態(粘度が極端に高くなった状態とも言える)であり、それは準安定状態にあると言える。従って、非常に長時間を経過するとガラスは安定状態である結晶化すると考えられるが、それに対しては異論もある。また、ガラスは固体ではあるが、過冷却およびガラス転移により粘度が非常に高くなった液体であるという捉え方もある。

ガラスとアモルファスは、ほぼ同義のものとして捉えてよい場合が多いが、ガラス転移点が明確に存在しない場合をアモルファスと定義するような場合(分野)もある。ガラス転移とは主緩和の緩和時間が100s?1000sの温度で起こる。

ガラスと同じ構造、すなわちガラス化する物質は珍しくない。ヒ素イオウなどは単体でガラス化する。酸化物ではホウ酸 (B2O5) 、リン酸 (P2O5) などが二酸化ケイ素の代わりに骨格となってガラスを形成する。ホウ酸塩ガラスは工業的に重要である。例えばパイレックスガラスは重量比で12%のホウ酸を含む。


物理的性質

密度は水の2倍半程度、2.4-2.6g/cm3であるが、鉛を用いたフリントガラスでは同6.3に達する。金属ではアルミニウムが2.7、鉄が7.9であるから、フリントガラスは金属なみの密度であることになる。逆に金属元素を含まない石英ガラスは同2.2である。

引っ張り強さに関しては0.3-0.9×108T/Paである。これは鋼鉄の1/10ではあるが、ナイロンや革ベルト、木材と同程度である。

常温では電気抵抗はきわめて高く、絶縁に用いられることもある。内部抵抗率は109から1016 Ωm、湿度50-60%時における表面抵抗率は1010から1012 Ω/□。これはゴムやセラミックスと同程度である。ただし、流動点に近い温度では電気抵抗がきわめて低くなる。

刃物として用いる場合、非晶質であるため理論上は刃の先端径を0にできる(金属などの結晶体はどうしても結晶の大きさ分の径が残ってしまう)ため、鋭利な刃を作ることが可能である。その刃先は研磨によってではなく割れた断面に生じるが、金属より弾性靭性が乏しいためナイフ・包丁などといった一般的な実用刃物としてはあまり適さない(欠け・割れが生じやすい)。しかし生態組織を顕微鏡で観察する際、樹脂で固めた組織を薄くスライスするカッター(ミクロトーム)として用いられることがある。


化学的性質

化学的には、フッ化水素など、一部のフッ素化合物を除く)には強いがアルカリに弱い。たとえばガラス瓶に濃厚な水酸化ナトリウムを入れて長期間おくと、徐々にガラス壁が侵されスリガラス状となる。


ガラスの歴史


ガラス製造の開始

ガラスの歴史は古く、紀元前4000年より前にメソポタミア古代エジプト二酸化ケイ素(シリカ)の表面を融かして作製したビーズが始まりだと考えられている。当時はガラスそれ自体を材料として用いていたのではなく、陶磁器などの製造と関連しながら用いられていた。原料の砂に混じった金属不純物などのために不透明で青緑色に着色したものが多数出土している。

なお、天然ガラスの利用はさらに歴史をさかのぼる。火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったものは黒曜石と呼ばれ、石器時代から石包丁や矢じりとして利用されてきた。

古代ガラスは砂、珪石、ソーダ灰、石灰などの原料を1,200 ℃ 以上の高温で溶融し、冷却・固化するというプロセスで製造されていた。ガラス製造には大量の燃料が必要なため、ガラス工房は森に置かれ、燃料を木に頼っていた。そのため、その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探すというように、ガラス工房は各地の森を転々と移動していたのである。ガラス工場が定在するようになったのは石炭石油が利用されるようになってからである。

エジプトや西アジアでは紀元前2000年代までに、一部の植物や天然炭酸ソーダとともにシリカを熱すると融点が下がることが明らかになり、これを利用して焼結ではなく溶融によるガラスの加工が可能になった。これが鋳造ガラスの始まりである。紀元前1550年ごろにはミソポタミアとエジプトで粘土の型に流し込んで器を作るコア法によって最初のガラスの器が作られ、特にエジプトでは様々な技法の作品が作製されて、宝石とガラスを交換することもあったという。

しかし、ガラス製造の中心となっていた地中海東部の文明は紀元前12世紀に衰退し、当時の先端技術はいったん失われる。これが復活するのは紀元前8世紀のメソポタミアおよびシリアパレスチナ沿岸である。紀元前4世紀から同1世紀プトレマイオス朝では王家の要求によって高度な技法のガラスが作られ、ヘレニズム文化を代表する存在の一つとなった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki