主な駆動方式として、ロープ式と油圧式がある。
ロープ式
昇降路の直上や昇降路内に設置された巻上機の駆動力を用い、ロープで接続されたかごと釣り合い重りをガイドレールに沿って上下させるトラクション式が主流だが、ホームエレベーターなど小型のエレベータではロープをドラムに巻き取る巻胴式もある。
油圧式
荷物用や構造上建物の上部に電動機やその制御装置などを設置するための機械室を設けることができないところに置かれるエレベーターには、油圧ジャッキで持ち上げるものもある。油圧式は、電動ポンプを駆動させ、油圧ジャッキに作動油を送り込んでかごを持ち上げる方式である。直接油圧ジャッキで持ち上げる直接油圧式は荷物用に、油圧ジャッキでカウンターウェイトを上下させてかごを上下させる間接油圧式は乗用に多い。なお、ジャッキでカゴを持ち上げる油圧式や水圧式エレベーターには間接タイプを除きカウンターウェイトは存在しない。油圧式は機械室無しエレベーターの登場により、乗用油圧式の需要は減っている。
珍しいものではスクリュー式(かごに取り付けられたナットを高速回転させて昇降路に取り付けられたボルトを利用し、昇降する。)、リニアモーター式やかごに取付けたタイヤを電動機で駆動させる自走式などがある。 工事用の仮設エレベーターには、ピニオンラック方式と呼ばれる歯車式もある。
昭和40年代頃までは半導体産業が現在のように発展しておらず、エレベーターの制御回路にはリレー式回路が採用されていた。今では到底考えられないが、速度制御、ドア開閉制御、呼び出し制御、混雑回避制御などありとあらゆる制御回路が数百個から数千個にも及ぶ大量のリレースイッチ群とタイマーリレー、その他機械式接点によって構成されていた。リレー式回路は主に手作業で制御回路を構築するため、回路設計、回路変更に多大な費用と労力が掛かるものが多かった。さらには接点焼き付きなどの動作不良も多いためメンテナンスマンを多いに悩ませた。
昭和50年代に入ると半導体産業やコンピューターテクノロジーが盛隆し、エレベーターの制御回路にもマイコン方式が取り入れられた。このことにより機器設置、回路設計における負担が減り高品質で多彩な運転制御が可能になった。特にモーター制御においては加減速制御の品質が一段と飛躍した。巻上電動機には1980年代前半まで、高速のものには直流電動機が、低速のものには誘導電動機が用いられ、速度制御方式はそれぞれワードレオナード方式と極数切替法、次いでパワーエレクトロニクスの発展によりサイリスタなどによる電動機入力電圧制御に移り変わった。が、1983年に交流電力の可変電圧可変周波数制御(VVVF制御)を行うインバータがエレベータ向けにも実用化され、以降、高速低速ともにインバータによる誘導電動機駆動を経て現在では永久磁石同期電動機駆動の巻上機が主流となった。また油圧エレベーターのポンプも近年ではインバータによる流量制御が一般的である。
これらの技術革新によって現在では各階への停止位置をミリ単位で微調整する事が可能とされている。なお、半導体制御化が進んだエレベーターだが、リレースイッチは半導体に比べ信号側と動作側が電気的に絶縁されている事により大電流に強い事や、電磁波ノイズに強い事、昔に比べ動作の信頼性が高くなっている事もあいまって現在でもモーター制御回路、ドア制御回路などの重要な箇所にリレースイッチを部分的に使用しているメーカーは多い。
停止階制御
1つの建物で複数のエレベーターが並んでいる場合、それらを同じように各階に止めていくのは効率が悪い。特に、デパートなど、特定のフロアなどに客が集中する場合には、その階へ優先的に輸送することが望ましい。そのため、エレベーターの制御の単独化や、特定階の不停止制御(フロアカット)を行い、一部の階のみに停止させる急行運転(あるいは直通運転)を行なうこともしばしば見受けられる。また事務所ビルでは最終退館者が防犯機器を操作した時点でその階を通過、最初の出勤者が入館手続きを取ると停止するというシステムを採用するケースもある。最近では当たり前になった屋上階には停止しないというシステムも、防犯上の事情から実行されている。
乗り心地
エレベーターに乗ると、身体が床に押し付けられたり上に引っ張られたりするような感覚がある。これはエレベーターの速度の変化によって生ずる加速度が搭乗者に働くからである。速さが激しく変わるようなエレベーターは搭乗者にとって不快である。またカゴをガイドするガイドレールの取り付け方によっては横方向の揺れが発生し、乗り心地は大きく変化する。超高層ビルで運用されるエレベーター(最下階から最上階まで直通するような速度の速いエレベーター)ではレールの歪みやレール取り付け方法、加速度のコントロールに細心の注意が払われている。日本最高のビルディングである横浜ランドマークタワーのエレベーターは床面に立てた硬貨が倒れないほどに乗り心地がよいといわれる ⇒[1]。これは加速制御の巧みさのみならずガイドレールの配置や歪みにまで丹念に作りこまれているからである。
通常のエレベーターに車椅子で乗り込むと、降りるときは後進で降りなければならないが、降りるときも前進で降りられるように出入り口をカゴの前後に配置した形式を「ウォークスルー式」または貫通2方向型という。(ウォークスルー式でない通常ドアの機種では後方が確認できるように室内(かご内)に大きな鏡がついている。)他には手摺を付けて車椅子で移動しやすくしたり、通常より低い位置に車椅子利用者用の呼びボタンや行き先階ボタンが設けられていたりしている。車椅子利用者用ボタンを押すとドアの開いている時間が通常より長くなるように設定されている。また建物の構造上、貫通2方向型が設置できない場合などのために、前面と側面の2方向にドアが配置された直角2方向型の機種もある。駅舎やペデストリアンデッキのエレベーターに多い。(小田原駅など)しかし乗客によっては降り口が判別し難い場合があるため、目的階に到着すると「後ろのドアが開きます」や「こちらのドアが開きます」などと親切に音声による降り口案内がされる。その他、近年製造されたエレベーターのボタンは、ほとんどに凸文字ボタンや視覚障害者用の点字が採用され、さらに人に優しいエレベーターへと進化している。また近年、老朽化したエレベーターをリニューアルする際に、車いす仕様の追加を行う例が増えている。 また、バリアフリー以外だが、貫通2方向型や直角2方向型の機種は大規模病院や事業所などでストレッチャーや貨物搬送の都合から貫通2方向型を採用するケースがある。
日本におけるエレベーターの主な製造メーカーは以下の会社である。
三菱電機