建築基準法により地上高さ31m以上または地上11階以上の建築物には一般用のエレベーターのほかに非常用エレベーターの設置が義務付けられる。これは災害発生時に高層建築では消防隊が階段を上がって救出に向かうことが困難なためであり専用運転に切り替えられる装備を持つ。
非常用エレベーターは火災等で商用電源が遮断されても運転できるよう非常電源(ディーゼル発電機など)から電気を受けられ、電線も火災で焼けないよう耐火電線を用いて配線する。機械室レスタイプは認められていない。また他の一般用エレベーターよりも速度が遅い仕様が多いため乗用として使用されることはほとんどなく、通常時は荷物輸送やビルメンテナンス要員・警備員の移動に用いられる。そのため用途種別はほとんどの場合「人荷用」となっており、一般客の目に触れないように設置されることが多い。なお非常用エレベーターは設置されている建物の全ての階に停止でき、かつ全階のエレベーターホールにはかご位置を知らせるインジケータを設置しなければならず、エレベーターホールも防火戸等により煙や炎を完全に遮断することができる構造であることも必要である。定員は最低で17名(積載荷重1,150kg)と定められている。消防隊専用の装備としてかご呼び戻しボタン(主に1階か避難階に設置され、押すと他のかご内及び、乗場の呼びを全て解除し呼び戻しボタンのある階へ直行する)、一次消防・二次消防切り替えスイッチ(建物管理者や警備員から鍵を借り、このキースイッチを操作すると消防隊専用に切り替わる)がある。
一次消防運転では乗場呼びが無効になる、一種の専用運転となる。二次消防運転では乗場の戸閉検出装置が無効となり、かご又は乗場の扉が閉まらない状態であっても走行可能になる。
日本では人間1人を65kgとして計算する。 現在標準的にラインナップされる定員・容量は以下の通りである。
2人 150kg(ホームエレベーターのみ)
3人 200kg(ホームエレベーター・小規模建物用小型エレベーター)
4人 300kg
6人 450kg(古いエレベーターでは400kgの場合あり)
8人 550kg(基本的に古いエレベーターのみ)
9人 600kg(マンションのエレベーターのほとんどがこの定員)
10人 650kg(ごく稀なタイプ)
11人 750kg(公共施設や駅のエレベーターのほとんどがこの定員。最も一般的な定員)
12人 800kg(ごく稀なタイプ)
13人 900kg(古いエレベーターや現在発売中の三菱アクシーズでは850kgの場合あり)
14人 950kg(基本的に古いエレベーターのみ)
15人 1,000kg
16人 1,100kg(ごく稀なタイプ、1,050kgの場合あり)
17人 1,150kg
18人 1,200kg(ごく稀なタイプ)
20人 1,300kg(古いエレベータでは1,350kgの場合あり)
22人 1,450kg(ごく稀なタイプ)
24人 1,600Kg(大型スーパーやショッピングモールのエレベーターのほとんどがこの定員)
26人 1,700kg(ごく稀なタイプ)
27人 1,800kg(ごく稀なタイプ)
30人 2,000Kg(百貨店のエレベーターのほとんどがこの定員)
33人 2,200kg(ごく稀なタイプ)
エレベーターには用途種別が定められており、通常は「乗用」である。「乗用」以外の種別は次のとおり。
寝台用:主として病院で用いられ、ストレッチャーを乗せるため奥行きが広く、また操作盤が側壁にある。
人荷用:その名のとおり乗用・荷物用の両用。非常用エレベーターなどに使われる。
荷物用:荷物専用で、運転手・荷扱い者以外は乗れない(多くの場合、この規制は無視されている)。運転方法も異なる。普通車1台分の荷重を受けられるものもある。
自動車用:地下やビル屋上の駐車場に自動車を上げ下げする。人だけが乗ることは禁じられている。
日本におけるエレベーターの主な製造メーカーは以下の会社である。
サイタ工業
三精輸送機
シンドラーエレベータ
ダイコー
中央エレベーター工業
東芝(東芝エレベータ)
日本エレベーター製造
日本オーチス・エレベータ
日立製作所
フジテック
三菱電機
守谷輸送機工業
横浜エレベータ
三洋輸送機工業
海外の主なメーカーは以下の通り。
オーチス・エレベータ・カンパニー
コネ (会社)
シンドラーグループ
また、主要な会社ではエスカレータも製造している。
エレベーターを開発する際には、テストする際に実際のビルと同じ高さの建設物が必要となる。そのため、各社ではテスト塔とよばれる高い建設物を作り、製品の安全性、機能性などをテストしている。
様々なエレベーターコモアしおつへ伸びる斜行エレベーター
オフィスビルといった高層の建築物には、エレベーターが必須である。日本などでは高齢化などのためバリアフリーの重要性も高い。また、近年における中国の経済発展はめざましく、ビルなどの建設ラッシュであるため、エレベータを製造するメーカーの競争は激しい。各メーカーでは差別化を図る意味で、さまざまな機能などが付けられたエレベータが製造され存在する。
時速60km(分速1,000メートル)まで加速する超高速エレベーター。
縦向きにではなく、横向きに動くエレベーター。(要するに水平エレベーター)
階間調整機能付ダブルデッキエレベーター。
常に人の動きを感知し、激しい動きがあると注意を促すアナウンスが流れるもの。揺れがひどい場合は、ブザーがなり一番近い階に緊急停止するもの。(エレベーター内で争い等が起きたときや、防犯に有効。)
自宅のトイレをエレベーターに設置する(例えば1階にトイレがある複数階の家に住んでいて、2階で過ごす事が多い場合、用を済ますのに毎回1階に降りるのは面倒である。そこでエレベーター内にトイレを設置すれば、その手間が省かれることになる。