エレベータはすでに紀元前から存在し、アルキメデスがロープと滑車で操作するものを開発していた。中世ヨーロッパでも、滑車を用いた巻上機が存在し、一部で利用されていた。17世紀に入ると、釣り合い重り(カウンターウェイト)を用いたものが発明された。
19世紀初頭には、水圧を利用したエレベーターがヨーロッパに登場し、工場などで実際に使用された。1835年に蒸気機関を動力として利用したものが現れた。ただし、水力そして蒸気機関を用いたエレベータは、非常に速度が遅く、安全性にも問題があった。
これに解決の糸口を与えたのは、アメリカのエリシャ・オーチス(Elisha Graves Otis, 1811-1861)である。彼は1853年のニューヨーク万国博覧会において、逆転止め歯形による落下防止装置(調速機、ガバナマシン)を取り付けた蒸気エレベーターを発表した。オーチスは、来場客の面前で、吊り上げたエレベータの綱を切ってみせ、その安全性をアピールした。
1859年、ニューヨークのブロードウェイに建てられたホテルに、オーチスのエレベーターは初めて採用された。それまでホテルの上方階は、荷物の上げ下ろしが大変なため不人気で料金も安かった。しかし実用的なエレベータの登場以降、環境のよい上方階は宿泊客の人気を呼ぶようになった。
1861年、オーチスは蒸気エレベータの特許を取り、会社を設立した(オーチス・エレベータ、Otis Elevator Company)。
1889年、オーチス・エレベータ社は世界で初めての電動エレベータを開発 。ニューヨークのビルに採用された。以降、ニューヨークの摩天楼化に拍車がかかっていく。
1890年11月10日、東京浅草の凌雲閣に日本初の水圧式電動エレベーターが設置される。日本エレベータ協会は、11月10日を「エレベータの日」としている。
1993年、当時世界最高速を誇る750m/min(=時速45km)のエレベーター(三菱電機製)を有する横浜ランドマークタワーが開業。
2004年秋、1010m/min(=時速60km)のエレベーター(東芝エレベータ製)が導入されている、世界一の高さ(508m)を有する台北国際金融センタ(通称TAIPEI101)が開業。これによりランドマークタワーの導入機は世界第2位となった。ただし1010m/minの速度が出るのは昇りのみで、降りではランドマークタワーが最速。
構造
箱状のゴンドラ(日本では一般に「かご」と呼ばれる)に人または荷物を乗せ、ロープと滑車で上下させる。ロープの巻き上げには電動機が用いられる。
荷物用や、構造上建物の上部に電動機やその制御装置などを設置するための機械室を設けることが出来ないところに置かれるエレベーターには、油圧ジャッキで持ち上げるものもある(機械室無しエレベーターの登場により、乗用油圧式の需要は減っている)。また工事用の仮設エレベーターには、歯車式の物もある。
巻上用の主ロープの他に調速機ロープという補助ロープがかごの非常止め装置に取り付けてあり、主ロープの切断などにより一定の速度(建築基準法の規定では定格速度の1.4倍)まで加速すると調速機が動作し、これが調速機ロープをロックさせることで非常止め装置を作動させて、ガイドレールをくわえ込む形で急停止する。
最下階のさらに下部および最上階の上部(ピットと呼ぶ)には緩衝器(バネあるいは油圧ダンパー)が付いており、非常止め装置を使用しても減速しきれない場合の衝撃をやわらげる仕組みになっている。
防犯のため、エレベーターのかご内の状況が各フロアから見える窓付きドア(通称:防犯窓)を装着しているエレベーターも存在する。この形式のエレベーターの場合、各フロアからかご内の様子が見え、犯罪やいたずらを未然に防ぎ、安心してエレベーターを利用できると言った長所がある。(窓付きドアのエレベーターは主に、マンション・団地などの集合住宅・鉄道駅・一部の商業施設などで見かける。ただし、場所によっては窓付きドアを装着していないこともある。)また、最近では防犯カメラが設置されたエレベーターも増えている。
ドアはかご側と乗場側とにあり、乗場側はインターロックと呼ばれる装置で施錠され、外部からの解錠は専用の器具を使用しない限りできない。その上、かご側及び全階の乗場側に戸閉めを検出するスイッチがあり、全ての扉が閉じていなければ起動できないように回路が構成されている。縦開き式など特殊なエレベーターを除き、かご側のドアのみに駆動装置がある。停止階に到着したエレベーターは、かごドア側の解錠装置と乗場ドアのインターロックがかみ合い、乗場のドアはかごドアの力によりインターロックによる施錠が解放され、開閉する。
エレベーターの地震感知器には地震波の検出で大別して3段階ある。
初期微動(P波:たて揺れ)あるいは低レベルの本震を検知して最寄階に停止後、震度4以上(目安)の大きな横揺れがなければ一定時間後に自動復旧するもの
震度4以上の揺れを検知して、最寄階に停止し運転を休止するもの(この場合保守会社の作業員が機器の安全を確認後地震感知器を復旧する)
更に大きな揺れ(震度5クラス)を検知した場合でなおかつ最寄りの階まで数階離れている場合(急行ゾーン)は途中で急停止させる(保守会社またはビルの技術者の指示により釣り合い重りと反対方向の最寄階まで極低速で運転する)。
ただし、いずれも地震の揺れにより機器が損傷し地震感知器とは別の安全装置が働いた場合(乗場側の戸閉検出装置がかごの接触により誤動作する場合が大半)は、閉じ込められることもある。この場合には途中で急停止するため、かご内に閉じ込められることになる。一度この状態になると、エレベーターの保守会社が現地に出向かないと復旧することができないため、救出(主に保守会社か消防のレスキュー隊による)に数時間から丸一日以上を要することもあり、地震が発生する度に大きな問題になっている。