エチオピアの皇帝は、アムハラ語でネグサ・ナガストと呼ばれ、これは「王(ネグ)の中の王」という意味である。王室の権威が遠くまで及ばなかったり、自分の出身地内しか統治できていない時は単にネグ、もしくはラス(諸侯)と呼ばれた。詳細はエチオピア帝国を参照されたい。
詳細はエチオピアの政治を参照
政治体制は、連邦共和制。国家元首の大統領の権限は、形式的儀礼的なものに限られる。任期は6年で、下院により選出される。現大統領は、ギルマ・ウォルデギオルギス・ルチャ(ギルマが姓)で、2001年10月8日に就任した。
行政府の長である首相は、下院議員の総選挙後に開かれる議会において、下院議員の中から選出される。内閣の閣僚は、首相が選任し、下院が承認する。現首相は、エチオピア人民革命民主戦線書記長メレス・ゼナウィ(メレスが姓)で、1995年8月22日に就任した。任期は 5 年だが、議院内閣制のため、任期途中で失職する場合もある。
議会は、二院制。上院(連邦院)は 108 議席で、議員は各州議会によって選出される。下院(人民代表院)は 548 議席で、議員は小選挙区制選挙で選出される。議員の任期は、上下院とも5年。
連立与党は、エチオピア人民革命民主戦線 (EPRDF) を構成するオロモ人民民主機構 (OPDO)、アムハラ民族民主運動 (ANDM)、南エチオピア人民民主戦線、ティグレ人民解放戦線 (TPLF) の 4 党。その他の主要政党はエチオピア民主連盟、全エチオピア統一党、統一エチオピア民主党・メディン党、虹のエチオピア・民主社会正義運動の 4 党で構成される統一民主連合 (UDF) など。反政府勢力として統一オロモ解放戦線(UOLF、オロモ解放戦線 (OLF) など 4 組織で構成)、オガデン民族解放戦線 (ONLF) がある。かつての支配政党エチオピア労働者党は勢力を失い、自然消滅している。
詳細はエチオピアの行政区画を参照エチオピアの地方行政区分
多民族国家のエチオピアは、民族ごとに構成される9つの州と2つの自治区からなる連邦制をとっている。
アディス・アベバ (自治区)
アファール州
アムハラ州
ベニシャングル・グルズ州
ディレ・ダワ (自治区)
ガンベラ州
ハラリ州
オロミア州
ソマリ州
南部諸民族州
ティグレ州
エチオピアは世界で27番目に大きい国である。国土の大部分がエチオピア高原を中心とする高地で、年平均気温は13度と冷涼。国土の中央にある首都アディス・アベバの標高は2,400m。北部は水系が多い。ソマリアとの国境に近い東部、オガデン地方は砂漠地帯。
北回帰線以南の熱帯に位置する国家であるが、気候は標高によって違い、標高 1500m までは平均気温 27°C から 50°C と極めて暑いが、標高 1500m-2400m は移行区間となり、平均気温は 16°C から 30°C ほどである。標高 2400m 以上は冷涼な気候となり、平均気温は 16°C である。
通常、雨季は6月半ばから9月半ばまでである。
詳細はエチオピア軍を参照
エチオピア陸軍は 1990 年代には 25 万人となっていたが、軍事費圧縮と軍隊の近代化のため削減され、現在は約 10 万人である。
エチオピア空軍は兵員約 2500 人で旧ソ連製の軍用機が中心であり、アフリカ諸国の中では充実した装備である。2002年の国防予算は総予算の中で非常に高率を占める 4億8100万米ドルで、国家予算を著しく圧迫している。
なお、エチオピア海軍はエリトリアと連邦を解消するまでは僅かながら存在していたが、連邦解消後内陸国となってしまったため廃止された。このとき、残存していた艦艇は売却されている。
詳細はエチオピアの経済を参照アディス・アベバのチャーチルロード
1970年代、1980年代の飢餓以来、一時食糧自給を達成した時期を除き厳しい経済状態が続く。現在では成長率約 8%(2001年)を記録するなど好転しているが、依然として世界最貧国の一つ。主要産業である農業は機械化が進まず生産性が低い。エリトリア独立に伴い内陸国となったため、隣国ジブチのジブチ港およびジブチ鉄道を有料で利用。ソマリランドのベルベラ港の利用も増えている。
主要産業:農業(コーヒー、穀類)、畜産業、アディス・アベバで若干の工業(繊維、食品加工など)
国内総生産:64 億米ドル(一人当たり 100 米ドル、2001 年)
エチオピアの鉱業は、金(5.3 トン、2003 年時点)、銀(1 トン)、塩(6 万 1000 トン)に限定されている。金の産出量は 1990 年時点で 0.8 トンであり、開発が急速に進んでいる。埋蔵が確認されている資源として、水銀鉱、タングステン鉱、タンタル鉱、鉄鉱石、ニオブ鉱、ニッケル鉱がある。
国土の 10.7% が農地として使われており、農業に従事する国民の割合は 30% に達する。首都アディス・アベバの年降水量は 1179.1mm であり、乾燥に弱い作物の栽培も可能である。しかしながら、農業の構造が輸出商品作物の栽培と畜産業に特化しており、アフリカで 3 番目の人口(2005 年時点でナイジェリア、エジブトに次ぐ)を支えるには主食の栽培量がまったく不足している。商品作物の輸出が最大の外貨獲得源となっている一方、輸入品のうち最大の品目は食料である。
主要穀物では、トウモロコシ(274 万トン、以下、2002 年時点の統計)の栽培がさかん。モロコシ(178 万トン)の生産量は世界シェア 10 位に達している。根菜では、ヤムイモ(31 万トン、世界シェア 8 位)が目立つ。畜産業ではウシ(3810 万頭、7 位)、ウマ(145 万頭、9 位)、ラクダ(47 万頭、9 位)。
商品作物では、コーヒー豆(26 万トン、7 位)、ゴマ(6.1 万トン、8 位)が際立つ。この 2 商品だけで、総輸出額の 50% 弱に達する。