市の中央を、北西から南東にかけてドナウ川が横切っている。かつては氾濫を繰り返したこの川は19世紀に大規模な治水工事が行われたことで、現在のようなまっすぐな姿になった。旧市街に接して、ドナウ運河が流れており、こちらをドナウ河であると誤解するツーリストも多い。ウィーン市街はドナウ右岸を中心に発展してきたが、近年左岸は地下鉄の延長工事が進行中で、新興住宅地として人口が増加している。
ウィーン市西部はウィーンの森として知られる森林地帯になっている。散策路が縦横無尽に走っており、市民の憩いの場になっている。13区にあるラインツ動物園内には皇帝の別荘ヘルメスヴィラがあり、現在は市民に開放されている。
元皇室の料地でヨーゼフ2世が一般市民に開放したプラーター公園がある。公園内に映画「第三の男」で有名な観覧車がある。
ウィーン中央墓地は帝国崩壊前に人口400万を想定して建設された巨大な墓地である。著名な作曲家の墓は一ヶ所に集められており、訪れる日本人も多い。ウィーン市が所有しており、全て分譲ではなく賃貸である。
サンクト・マルクス墓地は、モーツァルトが埋葬された事で有名だが、遺骨は不明のため、現在は中央墓地に墓碑がある。グスタフ・マーラーの墓は中央墓地ではなく、妻アルマの実家に近い19区のグリンツィング墓地にある。
政治「カール・マルクス・ホーフ」 と呼ばれる市営住宅は戦間期の「赤いウィーン」の代表的建築物である。
ウィーンは市であると同時に連邦州である。伝統的にオーストリア社会民主党(SPO)の牙城であり、市議会でも過半数を握っている。2005年10月の州議選でも社民党が勝利を果たした。ケルンテン州知事のイェルク・ハイダー率いるオーストリア未来同盟は、議席を得ることはできなかった。
市長(=州知事)は直接選挙ではなく市議会で選ばれ、現在はミヒャエル・ホイプルである。
前市長のヘルムート・ツィルクは「男はつらいよ・寅次郎心の旅路」に出演するなど親日家としても知られる。
日本との姉妹・友好都市関係
ウィーン市1区 (Innere Stadt) - 東京都台東区
ウィーン市9区 (Alsergrund) - 兵庫県宝塚市
ウィーン市12区 (Meidling) - 岐阜県岐阜市
ウィーン市13区 (Hietzing) - 大阪府羽曳野市
ウィーン市17区 (Hernals) - 東京都府中市
ウィーン市19区 (Dobling) - 東京都世田谷区
ウィーン市21区 (Floridsdorf) - 東京都葛飾区
ウィーン市22区 (Donaustadt) - 東京都荒川区
関連項目
ヴィーデン - 4区
ヨーゼフシュタット (ウィーン) - 8区
ウィーンは、ヨーロッパの主要河川であるドナウ川の河港として、重要な位置を占めている。 工業、金融業、保険業の中心地で、オーストリアの工業総生産の約5分の1を占める。おもな工業は食料品、電気機械、化学、機械、金属、繊維、衣料、印刷、製紙など。磁器、宝石、ガラス製品、皮革製品、楽器といった手工芸も盛んである。 21年から2年に1度開かれるウィーン見本市は、中央ヨーロッパの経済活動に重要な役割をはたしている。第二次世界大戦後のウィーンを特色づけるのは、外国人観光客の増大である。
ウィーン国際空港(空港コードVIE)
都心から東南東に約20キロメートル離れた、ドナウ河沿いのニーダーエステライヒ州Schwechatにある国際空港。オーストリア航空グループ、Fly NIKI、Sky Europeがこの空港をベースに多くの路線を開設している。2007年の利用者は1876万8468人。冷戦期は小さな空港であったが、現在は西欧と東欧、中東を結ぶハブ空港として大きく成長している。フランクフルト国際空港を凌ぎ、最も多くの東欧路線をもつ空港である。3本目の滑走路の計画があるが、現在環境影響評価などの手続き中である。2009年には新ターミナルと新しい鉄道駅がオープンする予定。日本からは成田空港よりオーストリア航空便が就航している。
Wien Mitte駅よりノンストップ16分のCAT (City Airport Train) があるほか、S-Bahnによってウィーン市内と結ばれている。 またリムジンバスがウィーン西駅、南駅や、スロバキア、ハンガリー、チェコなどを結んでいる。
2013年にはリンツ方面からの長距離列車が乗り入れる予定。
将来的には、空港から南側に線路を新設しOstbahnに接続する計画がある。 ウィーン方面から国際空港を通り、ブラチスラバやハンガリー方面に列車が運行されることになる。
西方のリンツやザルツブルク、そしてドイツ方面と結ぶA1はオーストリアの背骨といえる。これに南のグラーツやイタリア、スロベニア方面と結ぶA2は、冷戦期に既に開通していた。90年代になり、ウィーン国際空港まで開通していたA4が欧州連合の補助金を得てブダペストまで延伸された。また、A4と分岐し、スロバキアの首都ブラチスラヴァまでのA6が2007年に開通した。
2004年のEU拡大にともない、新規加盟国からの通過車両が増え、市内のA23では渋滞が激しくなっていたが、A4とA2を結ぶ環状道路の役割をもつS1が2006年4月に供用開始され、リンツおよびグラーツ方面からウィーン空港、ブダペスト方面への渋滞なしに行けるようになった。
チェコ第二の都市ブルノ方面への高速道路(A5)は2010年に部分開通、2013年にチェコ国境までの開通を予定している。
オーストリアの高速道路は、日本と異なり、料金所をもたない。自家用車はVignetteと呼ばれる有効期限のあるシールを購入して貼らなければならいが、年間72ユーロと、割安である(2ヶ月有効や、10日有効のものもある)。貼らないで走行していることが見つかると高額な罰金をとられる。 トラックについては車両に積載された装置により走行キロ数に応じて料金を徴収するシステムになっている。