メスの発情周期は7?8か月だが、犬種により差がある。妊娠期間は50?70日。3?12子を一度に出産するため、乳房を左右に5対持っているのが一般的である。6-12か月で成犬の大きさになり、その後2?3か月で性的に成熟する。これはオオカミの2年に比べて早熟である。小型犬は成犬に達するのが早い分、性成熟も早い。
イヌは10歳になると老犬の域になり、12歳から20歳程度まで生きる。ただし犬種や生育環境によって異なり、基本的に大型犬の方が小型犬よりも短命である。また、いわゆる座敷犬(家屋内に飼われている犬)よりも、屋外で飼われている犬の方が、短命な傾向がある。一般的には、純血種よりも雑種の方が長命である。また、1年に人間で言うならば6歳程度年を取る。
転じて年単位で数年分に匹敵する急速に発達した科学技術(パソコン・携帯電話等)を指して「ドッグイヤー」と呼ぶことがある。
イヌの染色体は78本 (2n) あり、これは38対の常染色体と1対の性染色体からなる。これは同じイヌ属のオオカミ類、ジャッカル類、コヨーテ類、ディンゴなどとも共通である。これらの種は交配可能であり、この雑種は生殖能力をもつ。ただし、これらは行動学的に生殖前隔離が起こり、また地理的にも隔離されている。ジャッカル類は主にアフリカとアジアに、コヨーテ類は北米に分布する。
また、オーストラリアとニューギニア島に生息するディンゴは、約4,000年前に、人類によって持ち込まれたイヌであり、かつては別種とされていたが、現在はイエイヌとともに、タイリクオオカミの1亜種とされている。
イヌの特徴としてヒトと同じく社会性を持つ生き物であることが挙げられる。意思疎通をするための感情や表情も豊かで褒める、認める、命令するなどの概念をもっている。ヒトに飼われているイヌは、人間の家族を、自身をその一員とする1つの群れと見なしていると考えられとてもよく懐く。上位の群れ構成員に対して忠実に行動する習性のおかげで訓練が容易く、古来よりヒトに飼われてきた。一説によると最古の家畜である。
品種によっては優れた学習能力を示す。他の犬に対し関心を示し、威嚇する行動を取る品種とそうでないものがある。この好奇心の強弱は、ドーパミン受容体D4遺伝子の多型領域の配列と関係があると言われている。他の犬への関心の示し方、攻撃性は躾によっても抑えることはある程度可能である。
これらのものを好んで食べるイヌもいるため、飼い主が与えない、もしくは拾い食いさせないようにするなどの注意が必要。
チョコレート
これは、チョコレート類に含まれるテオブロミンという成分により中毒を起こすためである。
ネギ類(ネギ、タマネギなど)
これは、ネギ類に含まれる成分がイヌの赤血球を溶かし、貧血を起こすためである。
イヌの起源も参照。
イヌは最も古くに家畜化された動物である。手に子犬(イヌかオオカミかはっきりしない)を持たせて埋葬された、1万2千年ほど前の狩猟採集民の遺体が、イスラエルで発見されている。分子系統学的研究では1万5千年以上前に東アジアでオオカミから分化したと推定されている。イヌの野生原種はタイリクオオカミ (Canis lupus) の亜種のいずれかと考えられている。イヌのDNAの組成は、オオカミとほとんど変わらない。イヌがオオカミと分岐してからの1万5千年という期間は種分化としては短く、イヌを独立種とするかオオカミの亜種とするかで議論が分かれているが、交雑可能な点などから亜種とする意見が優勢となりつつある。本項の分類もそれに従っている。イヌとオオカミの交雑に関してはハイブリッドウルフも参照のこと。
元来は、住居の見張り、次いで狩猟の補佐などのために家畜化されたと考えられるが、現在はほとんどが愛玩用であり、日本ではおよそ5世帯に1世帯がイヌを飼っている。長い年月をかけて交配が試みられ、ダックスフント、トイ・プードル、ブルドッグなど、用途に応じたさまざまな品種が開発されてきた。19世紀に生まれたケネルクラブによって、外形、気質などにより犬種の人為的な選別が進んだが、20世紀以降に生まれた新犬種の多くは、見た目だけのために作られたものが多い。犬は人間によって最も人為的改良をくわえられた動物であると言える。
「シェイプシフター」(変身動物)と呼ぶ研究者がいるように、小さなチワワから大型のセント・バーナードまで、幅広いサイズと形態をもつ。
イヌは、下記のような形で人間に利用され、あるいは人間と関わってきた。
ヒツジやウシなど家畜の飼育を助ける(コーギー、ボーダーコリーなど)
牧羊犬、牧畜犬
愛玩動物(ペット)、コンパニオン・アニマル(伴侶動物)として飼育される
愛玩犬
TVのCMやドラマなどで活躍する
タレント犬、モデル犬
人間の住居等を見張り、野獣や不審者の接近・侵入を防ぐ
番犬
体に障害のある人を助ける(主にラブラドルレトリーバー)
盲導犬、聴導犬、介助犬
身体障害者補助犬
麻薬捜査、犯罪の容疑者追跡など、犯罪捜査を助ける(ジャーマンシェパード、ドーベルマンなど)
警察犬、麻薬探知犬、爆発物探知犬、DVD探知犬
イヌぞりや荷物運びの引き手として使われる
そり犬、荷運び犬
馬車の護衛として馬と共に併走する(グレート・デーン、ダルメシアンなど)
食用にされる: 犬食(一部の中国人、朝鮮人、ベトナム人等)
闘犬やドッグレース、曲芸などの娯楽に用いられる
競走犬、演技犬
狩猟の際、獲物の発見、追跡、捕殺、撃ち落とされた獲物の探索などを助ける(セッター、ポインターなど)
猟犬(鳥猟犬、獣猟犬)
軍事目的に使われる(ジャーマンシェパード、ドーベルマンなど)