イエメンは、アラビア半島諸国において唯一共和制をとる立憲国家である。現行憲法は1991年に発布され、1994年および2001年に改正されたものである。民主化に強い意欲があり、言論の自由も認められている。
国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出される。任期は7年で、3選禁止。その権限は強大で、形式上も事実上も国家の最高指導者である。副大統領と首相は大統領により任命される。
内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、首相の助言に基づき大統領が任命する。
議会は二院制で、諮問評議会(111議席)と人民代表院(301議席)から構成される。諮問評議会議員は全員が大統領による任命制。人民代表院議員は国民の直接選挙で選出され、任期は6年。ただし、諮問評議会に立法権は無く、大統領の政策に対する助言機関に過ぎないことから、イエメン議会は実質的に立法権を行使しうる人民代表院のみの一院制であるとする説もある。
主要政党には旧北イエメン与党でアリ・アブドラ・サーレハ大統領率いる国民全体会議、旧南イエメンの政権党であったイエメン社会党、そしてイエメン改革連合の3党がある。
一人当たりの国内総生産は2003年に800米ドル。周辺アラブ国に比べても著しく低い。石油を産出し、貿易収入は漸増傾向にはあるものの、そのほとんどは食料品や機械類などの輸入で帳消しとなる。 コーヒー豆の生産は有名で、モカコーヒーのモカとは、この国の南部にある港湾都市の名称である。しかし国が砂漠地帯に位置するため農業はふるわず、昔ながらの遊牧生活を営むものも多い。漁業も比較的盛ん。失業率は35%(2003年推計)と高い。近年は石油開発で発展する隣国のサウジアラビアに出稼ぎに行く労働者も多く、その家族の多くは出稼ぎ者の送金で暮らしている。
また2007年に天然ガス田が発見され、開発が進められている。
人口は1994年で1267万人、アラブ人が98パーセントでアラビア語を話す(但し出生届が十分に整備されていないため概算となる)。国民ほぼ全てがイスラム教信者。
国民の殆どがイスラム教徒であるため、生活様式にもイスラムの影響が強い。但し、イスラムの教えよりも部族内のルールが優先することがある。
一般的な成人男性は腰帯にジャンビーアと呼ばれる半月形をした短剣を差している。この短剣は、所有者の家柄や部族、貧富といった属性を表わしている。実用面よりもシンボルとしての性格が強いため,刃が研がれていないことも多く,日常的に使用することはない。都市部ではスラックスにYシャツ姿の男性も多く見かけるが,その場合でも多くの男性は自宅に自分のジャンビーアを持っている。 女性は宗教的な慣習から髪や顔を隠すためのスカーフや体を覆う布を着用しているが、サウジアラビアのように全体を隠すことが義務づけられているわけではない。