粘膜に対する刺激性が強く、濃度 0.1% 以上のガス吸引で危険症状を呈する。悪臭防止法に基づく特定悪臭物質のひとつであり、毒物および劇物取締法においても劇物に指定されている。保存する際には白色のボンベを用いるように定められている。液体状のものが飛散した場合は非常に危険で、特に目に入った場合には失明に至る可能性が非常に高い[3]
空気中での引火性は知られていない。発火点は651℃で空気中のアンモニア含有量が16?25%で爆発性ガスができる。液体アンモニアはハロゲン、強酸と接触すると激しく反応して爆発飛散することがある。酸素中では燃焼し窒素酸化物を発生する[4]。
現在ではアンモニアの工業生産はハーバー・ボッシュ法によるものが一般的である。水素と窒素を鉄触媒存在下 20 MPa、500℃ で反応させると、
の反応によってアンモニアが生成する。
アンモニアは硝酸などの基礎化学品、硫安などチッソ肥料の原料となるため、工業的にきわめて重要な物質である。2004年度日本国内生産量は 1,339,934t、消費量は 433,579t である。実験室レベルでは、アンモニア水を加熱するか、塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混合し熱するなどの方法で発生させることができる。
液化したアンモニアはバーチ還元の溶媒として使用される。また、蒸発熱が大きいため(5.581 Kcal/mol)、かつては冷蔵機・冷凍機の冷媒として利用されていたが、フロンなどに替わられた。しかし新しい冷媒に比べオゾン層の破壊係数が少ないことから、最近この用途で見直されつつある[5]。
強烈な刺激臭のため、気絶した人に気付け薬として嗅がせることがある。
また9.5?10.5%のアンモニア水溶液は日本薬局方一部医薬品(日本薬局方アンモニア水)で虫刺され用の外用薬の成分として用いられることもある。ただし、アンモニア自体はギ酸などには中和が期待されるものの、ヒスタミンなどに対する分解作用は無い。
生物は、タンパク質など代謝の結果で不要となった窒素を貯蔵、排泄しなければならない。硬骨魚類や両生類の幼生は単純なアンモニアのかたちでそのまま排泄されるが、軟骨魚類、哺乳類や両生類の成体では尿素、爬虫類や鳥類では尿酸に変換された上で貯蔵、排泄される。
肝硬変などで肝機能が低下したときに起こる肝性脳症は体内にアンモニアが蓄積されることで発症する。
ウシなどではタンパク質などの過剰摂取により第一胃内および血液中のアンモニア濃度が上昇し、アンモニア中毒となることがある。
関連物質
無機アンモニウム塩
塩化アンモニウム NH4Cl (塩安)
硫酸アンモニウム (NH4)2SO4 (硫安)
硝酸アンモニウム NH4NO3 (硝安)
炭酸アンモニウム (NH4)2CO3 (炭安)
有機アンモニウム塩
酢酸アンモニウム CH3COONH4
クロラミン NH2Cl, NHCl2, NCl3 (アンモニアの水素原子を塩素原子でいくつか置換したもの)
アンモニアの酸化体としては硝酸やヒドラジンなどがある。
出典^ ⇒NIST Chemistry WebBook (website page of the National Institute of Standards and Technology) URL last accessed 15 May 2007
^ ⇒MSDS Sheet from W.D. Service Co.
^ ミステリーの毒を科学する 講談社ブルーバックス 山崎昶 1992 ISBN 9784061329195
^ ⇒MSDS 液体アンモニア
^ ⇒「自然冷媒(アンモニア)高効率ヒートポンプチラー」の開発・販売について ?地球環境にやさしいアンモニア冷媒を採用、4月より販売開始? 2004年3月30日 東京電力
外部リンク
⇒日本国 経済産業省・化学工業統計月報
カテゴリ: 無機化合物 | 窒素の化合物 | 水素の化合物 | 毒 | 労働安全 | 労働災害
更新日時:2008年10月7日(火)08:06
取得日時:2008/10/09 19:24