ボロディンは、作曲家としてその道に秀でていたにもかかわらず、いつも化学者として収入を得ており、化学の世界においては、とりわけアルデヒドに関する研究によって、非常に尊敬されていた。結果的に「日曜作曲家」を自称することになり、同時代人ほど多作家ではなかったものの、2つの交響曲や音画《中央アジアにて》(通称;交響詩《中央アジアの草原にて》)、抒情美をたたえて人気の高い「夜想曲」で有名な《弦楽四重奏曲 第2番》はますます盛んに演奏されている。一握りの歌曲とピアノ曲も残され、なかでもピアノ曲《スケルツォ 変イ長調》は、ラフマニノフが名演奏を録音に残している。ボロディンは《交響曲 第3番》にも着手したが、完成できずに世を去り、後にグラズノフによって「完成」された。ただし、どの部分がオリジナルでどの部分が補筆か不明確な部分が多いため、この作品はボロディンの真作として扱われない傾向にある。近年では、未完成のチェロ・ソナタなど、初期の室内楽曲も見直されつつある。
ボロディンの作品は、力強い叙事詩的性格と豊かな和声が特色である。名高い「ロシア五人組」の同人として、ロシア的な要素は否定すべくもない。情熱的な音楽表現や比類のない和声法は、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家にも影響を与えた。また、同世代のロシア人作曲家の中では、自然にポリフォニーを扱う能力でも際立っている。交響曲や弦楽四重奏曲のスケルツォ楽章は、ボロディンがメンデルスゾーンの作風を熟知していたことをうかがわせる。また、第1主題と第2主題との間に明確な対照性を与えず、それらに関連した要素を配置していく手法は、後の時代のシベリウスを予感させ、西欧的な二元性とは異なった思想基盤が表れている。
ボロディン弦楽四重奏団は、ボロディンの功労にちなんでいる。1954年にはトニー賞を授与された。これは、ボロディンの数々の作品を改作して創られたミュージカル「キスメット」の成功を評しての受賞であった。
管弦楽曲
交響曲第1番 変ホ長調
交響曲第2番 ロ短調
交響曲第3番 イ短調(未完)
交響詩 中央アジアの草原にて
室内楽
スペイン風セレナード
弦楽四重奏曲第1番 イ長調
弦楽四重奏曲第2番 ニ長調
外部リンク
⇒韃靼人の踊り?歌劇「イーゴリ公」の世界
⇒Borodin biography and free audio mp3.
⇒Easybyte - free easy piano arrangement of Polovtsian Dance / Stranger in Paradise
⇒ボロディン/チェロ・ソナタ ロ短調
⇒ボロジーン簡易作品表
⇒IMSLP - International Music Score Library Project 内のアレクサンドル・ボロディンのページ。無料で楽譜が入手可能。
カテゴリ: ロシアの作曲家 | オペラ作曲家 | ロシアの化学者 | 1833年生 | 1887年没
更新日時:2008年7月15日(火)14:46
取得日時:2008/09/01 07:52