希ガスの一つ。常温、常圧で無色、無臭の気体。希ガスのため不活性である。融点は摂氏 -189.2 ℃、沸点は摂氏 -185.7 ℃(融点、沸点とも異なる実験値あり)。比重は、1.65(-233 ℃ : 固体)、1.39(-186 ℃ : 液体)、空気に対する比重は、1.38。固体での安定構造は、面心立方構造 (FCC)。
空気中(地表)に 0.93% 含まれているのでアルゴンは空気を液化、分留して得ることができる(酸素の沸点が近いので、これとの分離が少々面倒)。
希ガスの中では最も空気中での存在比が大きく、乾燥空気を構成する物質では第2位の酸素の 20.93% についで第3位の 0.93% である。空気中のアルゴンの存在比が希ガス中最も大きいのは、自然界に存在していたカリウム 40 が電子捕獲によってアルゴン 40となったためである。第4位は二酸化炭素だが、現在得られる資料では 0.04% でありその差は大きい。
アルゴンは、水銀灯、蛍光灯、電球、真空管等の封入ガス、アルゴンレーザー、アーク溶接時の保護ガス、チタン精練、食品の酸化防止のための充填ガスなどに利用される。
分析化学の分野ではガスクロマトグラフィーを行う際に移動相として利用する。
テクニカルダイビングにおいて、ドライスーツ用ガスや混合ガスとして使用される。
アルゴンの2004年度日本国内生産量は219,461キロm3、工業消費量は38,348キロm3である。近年の需要に対応して、2005年に日本工業規格 (K1105) が改正され、純度が高められた。
1894年にレイリー卿 (Lord Rayleigh)(ジョン・ウィリアム・ストラット (John William Strutt))が、大気分析の過程で発見。しかし、その100年も前に、ヘンリー・キャヴェンディッシュが存在に気がついていたと言われている。なお、レイリー卿は気体の密度に関する研究、およびこの研究により成されたこのアルゴンの発見により、1904年にノーベル物理学賞を授与された。
アルゴンという名称は、ギリシャ語で「不活発、不活性」という意味のαργ?ν (argon) に由来する。「働く」という意味のεργον(ergon)にanをつけたan ergon(働かない)が語源とする説もある。また、ギリシャ語で「怠け者」という意味のargosが語源とする説もある。
アルゴンは単原子でオクテット則を満たしていることから、他の原子と結合した化合物は長い間知られていなかった。2000年、フィンランドの研究者により初のアルゴン化合物、アルゴンフッ素水素化物 ( ⇒argon fluorohydride, HArF) の合成が発表された。これは、アルゴンとフッ化水素、ヨウ化セシウムを混合して ? 265 ℃ で紫外線照射することにより合成された[1]。
参照資料
⇒日本国 経済産業省・化学工業統計月報
^ Khriachtchev, L.; Pettersson, M.; Runeberg, N.; Lundell, J.; Rasanen, M. Nature, 2000, 406, 874-876. DOI: ⇒10.1038/35022551
1元素の周期表18
1H21314151617He
2LiBeBCNOFNe
3NaMg3456789101112AlSiPSClAr
4KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
5RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe