第一級アルコールは、エポキシドとグリニャール試薬を反応させて酸で処理するか、ホルムアルデヒドとグリニャール試薬を反応させて酸で処理すると得られる。第二級アルコールは、アルデヒドとグリニャール試薬を反応させて酸で処理すると得られる。第三級アルコールは、ケトンとグリニャール試薬を反応させて酸で処理することで得られる。
アルコールの反応で最も重要なものは、ヒドロキシ基が他の基に置換される求核置換反応である。実際にアルコールをハロゲン化水素酸(たとえば濃塩酸)と反応させると、ハロゲン化アルカンを得ることができる(ただし求核性の低いフッ素を除く)。あるいは、ハロゲン化リンやハロゲン化チオニルと反応させてもハロゲン化アルカンが得られる。求核置換反応は、求核性の強いクロロ基(あるいはハロゲノ基)の方に平衡が傾く。しかし、条件を変えアルカリ性条件下にすると、ハロゲン化アルカンはアルコールのほうへ平衡が戻る。これが工業的に合成アルコールを製造する1つの方法になっている。
アルコールはそれ自身は求核性を持ち、硫酸を用い低温で脱水するとエーテルになる。また、カルボン酸などオキソ酸との脱水縮合(あるは酸ハライドとの反応)では、エステルになる。硫酸存在下で高温で処理すると、アルコールは脱離反応により水とアルケンを生成する。逆に、アルケンは酸触媒存在下付加反応で水と反応させると、アルコールを生成するが、異性体が混合するので限られた局面以外には合成法としての価値はない。
低分子エーテル溶媒下で、ハロゲン化アルカンとマグネシウムを反応させるとグリニャール試薬となる。また、第一級アルコールはPCCで酸化するとアルデヒド、過マンガン酸カリウムで酸化するとカルボン酸ができる。第二級アルコールは過マンガン酸カリウムで酸化するとケトンができる。第三級アルコールは、酸化されにくく、通常の酸化剤では酸化されない。
アルコールは「鼻を突く」と描写される臭気を持つ。アルコール飲料としてのエタノールは、有史以前より、多種多様な衛生的、食事、薬用、宗教、そしてレクリエーション上の理由で消費されてきた。それは少量では比較的害が無いか、あるいは有用であると広く認知されている。しかし、一度に大量に摂取すると酔いあるいは泥酔の状態になり、恒久的な健康被害や死をもたらす。また、アルコール飲料は、IARCによる発がん性リスク評価でGroup1(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類されている。いわゆる悪酔いや二日酔いはエタノールの代謝物のアセトアルデヒドが蓄積されることで生じるといわれている。酒類に微量含まれるアミルアルコールもその原因のひとつであるとも言われる。
エタノール以外のアルコールについては、グリセリンや糖のように生物に不可欠な物質もあれば、メタノールのように強い毒性を持つものもあり、毒性の有無や強さはさまざまである。しばしば毒性が問題になるアルコールには、メタノールとエチレングリコールがあり、これらは体内で代謝されて比較的強い酸を生じるため、アシドーシスにより臓器障害を引き起こし、最悪は死亡に至ることがある。また、メタノールは代謝生成物により失明を引き起こすことが知られている。 これらのアルコールはエタノールと代謝が拮抗するので、誤飲した場合にはエタノールを多量に投与して管理し、酵素によって代謝される前に体外に排出されるようにする。また、血液の酸性化を抑える治療が行なわれ、他に、アルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤としてフォメピゾールの投与、葉酸の静注によるギ酸の代謝促進、血液透析などの処置が行われることがある。
法律上、多くのアルコールは、燃料・危険物として扱われる。
消防法(1948年7月24日?)危険物貯蔵施設に関する法律第三章 危険物第十条 指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。)以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。一定数量以上のアルコール類は危険物第四類アルコール類の規定にしたがった貯蔵施設で保管なくてはならない。
その中で、エタノールは飲用される場合、市民の安全・公序良俗を守るために、薬物として扱われ規制される。これについての詳細は、アルコール飲料の項を参照。 また、飲用のエタノールは酒税法の対象とされ高額な税金がかかる為、工業用などでは添加物を加えて飲用不可の状態としたもの(変性アルコール)が流通される。
構造が単純で一般的なアルコールに、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)が挙げられる。構造を次に示す。
エタノールの構造
低級アルコール
イソプロピルアルコール (isopropyl alcohol, sec-propyl alcohol, propan-2-ol, 2-propanol) H3C-CH(OH)-CH3, 消毒用アルコールの一種。
エチレングリコール (ethylene glycol, ethane-1,2-diol) HOCH2CH2OH, ラジエーターの不凍液の主成分。
グリセリン (glycerinor, glycerol, propane-1,2,3-triol) HOCH2CH(OH)CH2OH, 脂肪や天然油脂トリグリセリド (triglycerides, triacylglycerols) の成分。