アリー・イブン・アビー=ターリブ
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イスラーム神秘主義におけるアリー


アリーをめぐる伝承と人物像

アリーはアーイシャに対して激しい憎悪を公然と表していたことで知られる。駱駝の戦いの後アーイシャ側についたバスラ市民に対して『お前たちはその女(アーイシャ)の兵隊、四足獣(アーイシャ)の家来だった。そいつが唸るとお前たちはそれに応え、そいつが傷つくとお前たちは逃げたのだ。』[2]といい、アーイシャ自身にも『なんとかという女(アーイシャ)はといえば、女特有の思考に捕らわれており、彼女の胸のうちには鍛冶屋の大釜のように悪意が燃え滾っているのだ。』[3]と言及したエピソードが知られている。


アリーの遺言と格言


女性に関するもの

『人々よ、女は信仰においても欠陥があり、相続においても欠陥があり、知性においても欠陥がある。女の信仰に欠陥があるというのは、女が月経の間、礼拝と断食を行わないからである。女の知性に欠陥があるというのは、女二人の証人は、男一人の証人と同じだからである。(コーラン第2章282節[4])女の相続に欠陥があるというのは、女の相続が男の半分だからである。(コーラン第4章11節[5][6]

『女に助言を求めるな。なぜなら、女の思考力は愚鈍であり、決断力は脆弱だからである。お前のヒジャーブによって女たちの目を覆え。なぜなら、厳しく隔てることで彼女たちを守ることができるからである。女を外に出すことは、信用できない男を彼女の所へ行かせる事と同じくらい悪い。彼女がお前以外の誰も知らないようにできるのであれば、そうせよ。女を自分自身以外のことに関わらせるな。なぜなら女とはメボウキの花(かぐわしいもの)であって、管理者ではないからである。必要以上に女を尊重するな。他人に干渉しようなどという考えを女に起こさせるな。それから、嫉妬する場所を間違えるな。なぜなら、それによって正しい女性が邪悪になり、貞淑な女性が疑わしくなってしまうからである。』[7]

『女とはそのすべてが邪悪なものである。しかし、その中でも悪いのは、人は女なしではやっていけないということだ。』[8]


その他

彼のみがスンナ派(スンニ派)、シーア派の両方から公認されたただ一人の指導者である。そのため、イラン・イラク戦争では、スンナ派のイラク兵はアリーの肖像を「お守り代わり」に持っていたといわれる(シーア派のイラン人も「アリーの肖像」には銃口を向けられない。そのうえ、スンナ派自身の信仰にも反しない)。

スンナ派のハディース集「真正集」(ブハーリー著)「遠征(al-Magh?z?)の書」のブライダ・イブン・アル=フサイブの伝によると、ヤマン(イェメン)への遠征の際、預言者ムハンマドはアリーを前線司令官であるハリード・イブン・アル=ワリードのもとに戦利品の五分の一を受け取らせるため派遣したが、ブライダ・イブン・アル=フサイブの取り分であった捕虜女性(当時のアラブの慣習として、兵士は割り当てに応じてこのような女性を強姦して自分のものにする権利があった)をアリーが横取りし犯したという。事後にアリーが浄めのため身体を洗っていたため、ブライダはこれを憎んで預言者ムハンマドに訴え出た。しかし、ムハンマドはブライダにアリーを憎まないようになだめ、アリーには「これ以上に戦利品を得る権利があるから」とアリーを庇ったと伝えている[9]

イスラームでは性交渉後にグスル(ghusl:大汚を落とすための浄め。定められたの所作によって、両手、陰とその周辺、ウドゥー、頭部、全身を順々に洗浄する)を行うことが義務とされている。スンナとしての諸規程によって、グスルを行うべき状況は、性交精液の放出、女性の場合は月経および産血が終わった時、イスラームに入信した時、死去して遺骸を浄める時である。これらのイスラームの浄・不浄観に関わるハディースにもアリーは登場する。例えば、ブハーリーの『真正集』「洗滌(ghusl)の書」によると、アリー自身の伝として、彼は早漏で悩んでいたが、妻ファーティマをはばかり人づてにファーティマの父でもある預言者ムハンマドに相談したところ、「浄めを行い、陰部を洗いなさい」と、通常のグスルの洗浄の所作と同じ対応をするよう勧告を受けたという[10]


参照^ スンナ派のハディース集である「真正集」(ブハーリー編纂)の「預言者の教友達の美点の書」の第4章1節、第5章の2の10節、第7章4節他
^ 『ナフジュ・アル=バラーガ』説教13、p81
^ 『ナフジュ・アル=バラーガ』説教154、p257
^ 「…2名の男がいない場合は,証人としてあなたがたが認めた、1名の男と2名の女をたてる。もし女の1人が間違っても、他の女がかの女を正すことが出来よう。…」()
^ 『アッラーはあなたがたの子女に就いてこう命じられる。男児には、女児の2人分と同額。もし女児のみ2人以上のときは遺産の3分の2を受ける。もし女児一人の時は、2分の1を受ける。』
^ 『ナフジュ・アル=バラーガ』説教78、p150〜152
^ 『ナフジュ・アル=バラーガ』書簡31(遺言書)、p434〜435
^ 『ナフジュ・アル=バラーガ』言葉235、p539
^ ブハーリー著「真正集」遠征の書、第61章2節。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki