アラブ首長国連邦は、7つの首長国により構成される連邦国家である。各首長国は世襲制の絶対君主制に基づき統治されている。現行の連邦憲法は1971年発布の期限付き暫定憲法が、1996年に恒久化されたものである。
連邦の最高意思決定機関は連邦最高評議会(FSC)で、連邦を構成する7首長国の首長で構成される。議決にはアブダビ、ドバイを含む5首長国の賛成が必要になる。
憲法規定によると、国家元首である大統領、および首相を兼任する副大統領はFSCにより選出されることとなっているが、実際には大統領はアブダビ首長のナヒヤーン家、副大統領にはドバイ首長のマクトゥーム家が世襲により継ぐのが慣例化している。
内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、大統領が任命する。
議会は一院制の連邦国民評議会で、定数は40。議員は連邦を構成する各首長国首長が任命する。
一般国民には国政に関する選挙権が無いのが特徴であったが、2005年12月1日、連邦国民評議会の定数の半数に対する国民の参政権が認められた。しかし、その参政権の幅は極めて限定的なもので、有権者は各首長が選出した計2千人程度に留まる見通しである。政党は禁止されている。
連邦予算は八割がアブダビ、一割がドバイ、残りの一割は連邦政府の税収によってまかなわれており、残りの5首長国の負担額はゼロである。事実上、アブダビが北部5首長国を支援する形になっていると言える。また各首長国は、独自の予算も組んでいる。
外交は湾岸協力会議諸国などの近隣諸国との関係を重視する保守穏健路線で、特に隣接するサウジアラビアとの関係を重視している。イランと、アラビア湾の3つの島を巡って領有権を争っている。
湾岸諸国の中では比較的欧米に寛容で、湾岸戦争時は米軍に基地使用を認め、イラク戦争でもその駐留を許可した。
地方行政区分アラブ首長国連邦の各首長国。黄色の部分がアブダビで、突出して面積が広い。茶色の部分はドバイである
詳細はアラブ首長国連邦の首長国を参照
アラブ首長国連邦は以下の7首長国から構成されている。各首長国の国名はそれぞれの首都となる都市の名前に由来しており、最大の国であるアブダビ首長国の首都のアブダビが、連邦全体の首都として機能している。ただ近年は、外国資本の流入によるドバイの急激な発展によって、政治のアブダビ、経済のドバイと言われるようになってきている。
連邦を構成する7首長国
アブダビ
ドバイ
シャールジャ
アジュマーン
ウンム・アル=カイワイン
フジャイラ
ラアス・アル=ハイマ
アラビア半島の南東部にあり、アラビア湾とオマーン湾に面している。国土の大部分は、平坦な砂漠地帯であり、一部に砂丘も見られる。東部に僅かに山岳地帯がある。ホルムズ海峡(海峡自体はオマーン国内だが)の近くの海岸沿いということで、地政学上、原油輸送の戦略的立地にある。 国民のほとんどは沿海地方に住む。また七首長国のうち、フジャイラを除く六国は西海岸(アラビア湾岸)に、フジャイラは東海岸(オマーン湾側)に位置する。 砂漠気候(BW)のため、年間通じて雨はほとんど降らないが、冬季に時折雷を伴って激しく降る事がある。アラビア湾に面し海岸線が長いことから気温の日較差は小さい。11〜3月は冬季で、平均気温も20度前後と大変過ごしやすく、観光シーズンとなっている。6〜9月の夏季には気温が50度近くまで上昇し、また雨が降らないにもかかわらず、海岸地方では湿度が80%前後と非常に高くなる。[1]
経済ドバイのリゾート施設ブルジュ・アル・アラブ
GDPの約40%が石油[2]と天然ガス[3]で占められ、日本がその最大の輸出先である。一人当たりの国民所得は世界のトップクラス。アルミや繊維の輸出も好調。なお近年は、産業の多角化を進め、石油などの天然資源の掘削に対する経済依存度を低め、東南アジアにおける香港やシンガポールのような中東における金融と流通、観光の一大拠点となることを目標にしている。 1981年にドバイに設立されたジュベル・アリ・フリーゾーンには、外国企業への優遇制度があり、近年、進出が急増して、物流拠点となっている。
また、近年は観光客を呼び寄せるためのリゾート施設の開発に力を入れており、世界一高いホテルであるブルジュ・アル・アラブの建設や、「パーム・アイランド」と呼ばれる人工島群など、近年急速に開発が進んでおり、中東からだけでなく世界中から観光客を引き寄せることに成功している。