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日本のアニメの特徴

日本のアニメの特徴は、その成立過程に密接にかかわっているため、まず特徴を、そしてその歴史を続けて述べる。

ほとんどがリミテッドアニメで、1秒間に使われる絵(動画)の枚数は8枚が基本である。ただしこれは動かす場合であり、常に1秒間に8枚の動画を使うという意味ではない。つまり、同じ絵を3回ずつ撮影するのであり、動きの少ない場合には、同じ絵を24回撮影するので、一般映画と同様の秒24コマである。ディズニーアニメに代表されるようなフルアニメ作品は少ない。テレビアニメでは1話ごとのセルの消費が決まっており、そういった面からもリミテッドアニメが多用される。

作品やアニメーターによって区々だが、動きのメリハリを強く強調する傾向にある。

上下左右に大きな背景の上でセル画をスクロール(パン)させたり、カメラの寄りや引きによる演出(カメラワーク)が多用される(「引き絵」、実際は、固定カメラの下で絵の方を引っ張る)。これは、作画枚数の節約になり、演出意図を明確にする技術である。主に競技場の観客席やパーティ会場など、人物が多くにぎやかな状態を演出するために使われる。また、静止画そのものが使われることもある(「止め絵」)。

以前に使われたシーンと全く同じシーンを繰り返して使用する、バンクシステムという技法が多用される。これは、連続テレビアニメでの前回までのあらすじの説明、ロボットアニメの合体シーン、魔法少女アニメの変身シーンや、主人公がしゃべるシーンなどでも使われる。あるいは背景画のみを差し替えて、全く別のシチュエーションで利用することもある。

同一キャラでも、口や目、手、足など、部分を別セルにして、そこだけを動かす部分アニメ(口だけでなく総じて「口パク」)が多用される。製作の手間を省くだけでなく、静止との対比で動きが鮮明になる。

マンガとの共通性が高く、動画にもかかわらず、動線が多用される。集中線、漫符なども、マンガと共通に用いられる。ただし、吹き出しは用いず声優が演じる(コミックから発展したアメリカの初期アニメーションでは、吹き出しが多用されている)。

制作費が非常に安い。

内容が多種多様であり、作家性の高いものも多い。

1回30分(これはCM等を含んだ番組枠の長さで、実際の映像は24分程度)の番組を毎週放映する、連続テレビアニメという形態をとる作品が多く、劇場用作品の比率は低い。

実写ではありえない現象(特撮ではある程度可能であるが)を表現することができる。(魔法や超能力、異空間など。)その反面、逆に実写に近いリアリティな表現技術に欠けている。
例としてキャラクターの顔の向きを変える(振り向く)時、瞬きをする。(眼球の表現が困難なため)老若男女問わず、殆どの登場人物は脇や顎、脛などに生えるいわゆる無駄毛が表現されない。男女の皮膚の色の明るさの違いがかなり極端。スポーツを題材にした作品における、実際のスポーツ中継以上の至近距離での描写(例としてゴルフ野球などの投球・打球描写)。


歴史

詳細な歴史については、アニメの歴史を参照のこと。

それまでも劇場用アニメなどは作られていたが、最初の連続テレビアニメ番組、『鉄腕アトム』の放送が開始された1963年1月1日をもって日本商業アニメの創始とするのが通例である。これ以前の歴史についてはアニメの歴史の頁を参照のこと。

このとき制作を指揮した原作者の手塚治虫は、スポンサーの提示より極端に低い制作費で番組制作を請け負い、回収できない部分を本業である漫画の原稿料・再放送・海外輸出・版権ビジネス(マーチャンダイジング、アニメ番組のキャラクターの絵のついた製品の製造権を玩具・文具・菓子メーカーに売るビジネス)によって制作費を回収する体制とした。これは、現代の日本アニメにも通じるビジネスモデルである。また、フルアニメーションによらずに作品を成立させるための工夫や技術が数多く考案されている。

鉄腕アトムが好評だったため、1960年代から数多くのアニメ制作スタジオが設立され、アニメ番組の本数は増加し、題材も多岐にわたるようになった。鉄腕アトムが日本のアニメ文化を牽引したのは間違いないが、一方で後々に至るまで制作費が安く抑えられる状況を作り出した原因ともなっている。このことは、アニメ作家の宮崎駿も批判している。(詳細は宮崎駿を参照)

テレビアニメの成功は、劇場用アニメ映画にも広く影響を与えた。1960年代から1970年代までは、テレビアニメを再編集しただけの映画が劇場公開され、それぞれが比較的良い興行収入を得た。1980年代以降は、放送中のテレビアニメ番組の新エピソードを映画として公開する手法が取り入れられている。2000年を過ぎると、日本映画はアニメなしでは成り立たないといわれるほどアニメ映画の比重は増加した。2002年度、2003年度の日本映画興行収入上位10位までの内、7つから5つはアニメ映画であった。

アニメ制作の変革のひとつとしてカラー化がある。鉄腕アトムを含め、初期のテレビアニメは白黒だったが、カラーテレビの普及に伴い、1965年に最初のカラー連続アニメ番組ジャングル大帝が制作された。この後数年で他のテレビ番組と同じようにカラー化が進み、1968年ごろまでにはほぼ全作品がカラーで制作されるようになった。

近年の大きな変革としてコンピュータ化が挙げられる。アニメは長い間、紙に描いた線画をセルと呼ばれる透明なシートに転写し、それを手作業で着色した上で、順番に取替えながら撮影する制作方式だった。これは人海戦術的な方式でありながら技術も必要であり、その放送時間と比較して大変な労力を要した。しかし、紙に描いた絵をコンピュータに取り込んでコンピュータ上の作業で彩色・編集する方法や、紙への作画をせず最初からCGで描く方法が考案された。

1995年にセルを使用しない最初の連続CGアニメ、『ビット・ザ・キューピッド』が制作された。1997年には東映動画がほぼ全作品の彩色をコンピュータ化した。現在では一部作品を除き、アニメ制作のほとんどの過程がコンピュータ化され、セル制作はほぼ消滅している。現在毎週新作でセル制作をしている作品は実質的に『サザエさん』のみである。3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)を使用したフルデジタルアニメーションの制作も増えている。

流通における大きな変革として1983年に登場したOVAがある。これは、テレビ放映も劇場公開も前提とせずに制作されるアニメで、ビデオソフトの形で市場に流通する。家庭用ビデオデッキの普及により、レンタルビデオ店と一般消費者が購入するビデオソフトの売り上げ代金だけで製作費の回収が可能になった結果として生み出されたビジネスモデルである。OVAでは玩具メーカーなどのスポンサーの意向を聞かずに作品制作ができるため、比較的表現の自由度が増す。最初のOVA作品は、ぴえろ制作の『ダロス』である。

OVAはそれまでのテレビアニメのような児童・ファミリー向けのものは少なく、それより高年齢の10代から40歳代程度の男性をターゲットにしたものが多い。いわゆる、おたくが大きな購買層である。そのため、作品の内容はマニアックであり、美少女やロボットや戦争などある程度の傾向がみられる。

これらOVAとして発表された作品がテレビ放送されることもある。また、テレビ放送を前提としながらもマニアックな傾向が強い作品が作られる例もある。ただし、視聴者が限られるため、深夜帯やケーブルテレビ、独立UHF放送局、衛星放送であることが多い。


アニメの現在


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen