水槽は、アクアリウムをする上で欠くことのできない容器である。ただし大小さまざまな水槽が販売されているため、主に置く場所によって大きさが決定される。場合によっては専門業者に依頼するなどして特注の水槽を用いることもあり、その一方ではインテリア性に優れた水槽も見られる。
当然ながら中に入れる魚よりも小さな水槽で飼育することは出来ない。大型魚の場合は小さい水槽で飼うとストレスをためたり怪我をするものもいるため、相応に広く大きな水槽で飼育される。水槽は一度水を入れてしまうと移動が難しいなどの事情もあるため、生活空間に設置される場合ではよくよく置き場所を検討する必要がある。
濾過器は、多くの場合に於いて製品自体に適用できる水槽の大きさが示されており、水槽の大きさが決定されていれば自ずと用いる濾過器の大きさも決定される。また、飼育される魚の種類によっては水質が早く劣化し易いものもある(ディスカスなど)ため、「何を飼育するか」によっても多少事情が異なる。
照明は近代的なアクアリウムにとって欠くことのできない要素である。植物の生育には日光が必要だが、直射日光の当たる環境では水温が影響され易く、またガラス表面にコケが付くなど鑑賞や観察を目的としたアクアリウムでは具合が悪い。直射日光が当たらない場所に照明器具を備えた水槽を設置するのが一般的である。
ただ、照明にしても一般的な蛍光灯は植物の生育に必要なエネルギーをもつ光線の要素が足りず、また色温度も日光と比べ高くなりがちで、日光下で美しい発色をする魚の育成には不適切な光源である。このためアクアリウムでは専用に製造された「鑑賞魚用蛍光灯」が利用されている。
適切に収容することができる水生生物のタイプを決定するいくつかの変数によってアクアリウムを分類することができる。ほとんどの水生生物が不適当な水条件に少しでもさらされてしまうと生き残らないので、アクアリウムに含まれる水の条件と特性は、最も重要な分類基準である。さらに、アクアリウムのサイズによって、どんなタイプの生態系を再生できるか、種の選択および生物学的負荷が制限される。
溶解された塩類等の物質は、基礎的な水化学、及び、有機体がどのように環境と相互作用するかに劇的に影響を与えることがあるので、水に溶けている物質は恐らく水条件の最も重要な要素である。
塩の濃度(すなわち塩分)は水条件の最も基礎的な分類である。アクアリウムは、湖または川の環境を模擬するため真水(塩分0.5%未満のレベル)のこともあれば、海の環境を模擬する塩水(塩分5%?18%のレベル)、あるいは河口のような淡水と海水の中間に位置する環境を模擬する半塩水(塩分0.5%?5%)のものもある。
水に溶けている内容物に起因する他のいくつかの水特性は、自然環境を適切に模擬する上で重要である。
水のpHはアルカリ度または酸性度の基準である。
硬度は全体的な溶けているミネラル分の濃度を示す。
軟水が適している場合もあるし硬水が好まれる場合もある。
溶解有機物濃度および溶解ガスもまた、重要な因子である。
家庭用アクアリウムの保有者は、それらの水槽を満たすために地元自治体の水道によって供給された処理された水道水を使用することが多い。真水のアクアリウムについては、水をアクアリウムで使えるようにするために必要なものは、多くの場合、人間用の飲料水を消毒するために使用される塩素やクロラミンを除去するための定式化された添加剤だけである。
塩けがあるアクアリウムか海水アクアリウムの場合は、塩や他の鉱物の混合物(市販されている)を添加しなければならない。もっと精巧なアクアリウム保有者は、水をアクアリウムに加える前に、酸性度、硬度あるいは溶解有機物とガスの濃度を補正するために、水へ他の修正を行なうこともある。
対照的に、大量に水を必要とする公共の水族館では、あまり処理の必要がない大量の水が容易に手に入るように自然の水源(川、湖あるいは海洋のような)の近くに立地することが多い。
アクアリウムをうまく維持するには二次的な水特性もまた重要である。水の温度は、最も基礎的な2つのアクアリウム分類のうちの1つの基礎をなす:すなわち冷水か温水かである。 魚や植物の種はほとんど、ある範囲の水温しか許容しない。 熱帯か暖かい水のアクアリウムは、平均約25℃の温度とされ、はるかに一般的であり、また最も普及しているアクアリウム用魚を収容する。 冷水アクアリウムは、熱帯アクアリウムより低い温度を持つものである; 様々な魚がこうしたより涼しい環境に一層よく適合する。
水流は、さらに正確に自然の生態系をシミュレートするときに重要になりえる。 アクアリウム保有者はアクアリウムの住民に最も適した条件に応じて、淀水から速いシミュレートされた流れまで、さまざまなものを好む。
水温は温度計/ヒーターユニット(あるいは稀には冷却ユニット)で制御できる一方、内部水の流れは、パワーヘッドの使用、および注意深い設計(ろ過システムの流入と流出ポイントの位置のような)によって制御することができる。
アクアリウムは、(ほとんどの魚(恐らく、Betta splendensのような呼吸する魚を除き)には一般に不適当な)1リットル未満の水しか入らない小さく簡素なガラスのボウルから、設計上の制約以外には制限されず、海藻の森や大きなサメまで含む生態系全体を収容することができる、公共の水族館に据え付けられた巨大な水槽にまで及ぶ。 一般には、より大きなアクアリウムシステムの方が、温度とpHの迅速な変動に対して抵抗力があるためシステムが安定するので、大きいものが推薦される。
家庭で保有するアクアリウムは11リットルくらいまでは小さくすることができる。 このサイズはろ過および他の基礎的なシステムを備えたものの内では、最も小さな実際的なシステムであると広く考えられている。 また、1100リットルまで大きくなりえる。 主にアクアリウムの重量と内部水の圧力(厚く強いガラス板が必要となる)が事実上の制限となるため、大部分の家庭用アクアリウムは約1m3が最大となる。 しかしながら、ある専門のアクアリウム保有者は大きな努力および費用を払い、数立方メーターの専用アクアリウムを構築したことが知られている。
大型の種や環境を展示するために設計された公共の水族館は、どの家庭用アクアリウムより劇的に大きくなることがある。 Shedd水族館は、7,500m3のアクアリウムに加えて、それぞれ1,500m3の2つのアクアリウムを特色とする。 モントレー湾水族館では、最大の水槽にアクリルの窓がついている。 幅17m、高さ5mの窓は世界最大で、厚さは330mm以上ある。 公共の水族館のサイズは、通常はコストの考慮によって制限されている。
種を選択することについてのいくつかの理論がアクアリウム保有者のコミュニティー内で循環している。 恐らく最も広く知られたものは、アクアリウムを協調的水槽と攻撃的水槽の二つに区分することである。 協調的水槽は、互いに攻撃的でないいくつかの種を収容する。 これは今日用いられる最も一般的なタイプの趣味アクアリウムである。 逆に、攻撃的水槽は、他の魚へ攻撃的になりうるか、あるいは攻撃によく耐えることができる、限られた数の種を収容する。 どちらの水槽タイプでも、アクアリウム中の同居人は互いに同じ地域の出自のこともあるし、そうでないこともあるが、一般に、同様の水条件としてよい。 魚のほか、無脊椎動物、植物、装飾物あるいは、「アクアリウム家具」(それらは魚にとって自然な隣人かもしれないし、そうでないかもしれない)が、これらの水槽タイプに加えられることが多い。
種類水槽または標本水槽は通常単一魚類を収容し、恐らくその魚の住む自然環境で見られる植物や、実際の生態系を模擬する装飾物を置く。 これらの水槽は、しばしばkillifish、livebearers、シクリッド等のために使用される。 それらは、わずかな必需品を備えるばかりで底になにも敷かないという程度に単純なものもあるし、あるいは複雑な据え付けアクアリウムのこともある。 この種の一部の水槽は繁殖のための成体を収容するためだけに使用される。 そのような水槽は、家庭用の水槽では一般的である。
エコタイプあるいはエコトープ・アクアリウムは、自然界に見られる特定の生態系を模擬する試みである。すなわち、その生態系で見られる魚、無脊椎動物、および植物を水槽中に集め、それらの住む自然環境を模擬するための水条件と装飾物を整えることである。 これらエコタイプ・アクアリウムは最も精巧な趣味的アクアリウムと考えられる。 実際、評判がよい公共水族館では、可能な場合は常に展示物にこのアプローチを使用する。 このアプローチは、アクアリウムの生物が野生中で見せる挙動を最も良く模擬し、また、できるだけ健康な人工環境を提供することに役立つ。