溶解された塩類等の物質は、基礎的な水化学、及び、有機体がどのように環境と相互作用するかに劇的に影響を与えることがあるので、水に溶けている物質は恐らく水条件の最も重要な要素である。
塩の濃度(すなわち塩分)は水条件の最も基礎的な分類である。アクアリウムは、湖または川の環境を模擬するため真水(塩分0.5%未満のレベル)のこともあれば、海の環境を模擬する塩水(塩分5%〜18%のレベル)、あるいは河口のような淡水と海水の中間に位置する環境を模擬する半塩水(塩分0.5%〜5%)のものもある。
水に溶けている内容物に起因する他のいくつかの水特性は、自然環境を適切に模擬する上で重要である。
水のpHはアルカリ度または酸性度の基準である。
硬度は全体的な溶けているミネラル分の濃度を示す。
軟水が適している場合もあるし硬水が好まれる場合もある。
溶解有機物濃度および溶解ガスもまた、重要な因子である。
家庭用アクアリウムの保有者は、それらの水槽を満たすために地元自治体の水道によって供給された処理された水道水を使用することが多い。真水のアクアリウムについては、水をアクアリウムで使えるようにするために必要なものは、多くの場合、人間用の飲料水を消毒するために使用される塩素やクロラミンを除去するための定式化された添加剤だけである。
塩けがあるアクアリウムか海水アクアリウムの場合は、塩や他の鉱物の混合物(市販されている)を添加しなければならない。もっと精巧なアクアリウム保有者は、水をアクアリウムに加える前に、酸性度、硬度あるいは溶解有機物とガスの濃度を補正するために、水へ他の修正を行なうこともある。
対照的に、大量に水を必要とする公共の水族館では、あまり処理の必要がない大量の水が容易に手に入るように自然の水源(川、湖あるいは海洋のような)の近くに立地することが多い。
アクアリウムをうまく維持するには二次的な水特性もまた重要である。水の温度は、最も基礎的な2つのアクアリウム分類のうちの1つの基礎をなす:すなわち冷水か温水かである。 魚や植物の種はほとんど、ある範囲の水温しか許容しない。 熱帯か暖かい水のアクアリウムは、平均約25℃の温度とされ、はるかに一般的であり、また最も普及しているアクアリウム用魚を収容する。 冷水アクアリウムは、熱帯アクアリウムより低い温度を持つものである; 様々な魚がこうしたより涼しい環境に一層よく適合する。
水流は、さらに正確に自然の生態系をシミュレートするときに重要になりえる。 アクアリウム保有者はアクアリウムの住民に最も適した条件に応じて、淀水から速いシミュレートされた流れまで、さまざまなものを好む。
水温は温度計/ヒーターユニット(あるいは稀には冷却ユニット)で制御できる一方、内部水の流れは、パワーヘッドの使用、および注意深い設計(ろ過システムの流入と流出ポイントの位置のような)によって制御することができる。
アクアリウムは、(ほとんどの魚(恐らく、Betta splendensのような呼吸する魚を除き)には一般に不適当な)1リットル未満の水しか入らない小さく簡素なガラスのボウルから、設計上の制約以外には制限されず、海藻の森や大きなサメまで含む生態系全体を収容することができる、公共の水族館に据え付けられた巨大な水槽にまで及ぶ。 一般には、より大きなアクアリウムシステムの方が、温度とpHの迅速な変動に対して抵抗力があるためシステムが安定するので、大きいものが推薦される。
家庭で保有するアクアリウムは11リットルくらいまでは小さくすることができる。 このサイズはろ過および他の基礎的なシステムを備えたものの内では、最も小さな実際的なシステムであると広く考えられている。 また、1100リットルまで大きくなりえる。 主にアクアリウムの重量と内部水の圧力(厚く強いガラス板が必要となる)が事実上の制限となるため、大部分の家庭用アクアリウムは約1m3が最大となる。 しかしながら、ある専門のアクアリウム保有者は大きな努力および費用を払い、数立方メーターの専用アクアリウムを構築したことが知られている。
大型の種や環境を展示するために設計された公共の水族館は、どの家庭用アクアリウムより劇的に大きくなることがある。 Shedd水族館は、7,500m3のアクアリウムに加えて、それぞれ1,500m3の2つのアクアリウムを特色とする。 モントレー湾水族館では、最大の水槽にアクリルの窓がついている。 幅17m、高さ5mの窓は世界最大で、厚さは330mm以上ある。 公共の水族館のサイズは、通常はコストの考慮によって制限されている。
種を選択することについてのいくつかの理論がアクアリウム保有者のコミュニティー内で循環している。 恐らく最も広く知られたものは、アクアリウムを協調的水槽と攻撃的水槽の二つに区分することである。 協調的水槽は、互いに攻撃的でないいくつかの種を収容する。 これは今日用いられる最も一般的なタイプの趣味アクアリウムである。 逆に、攻撃的水槽は、他の魚へ攻撃的になりうるか、あるいは攻撃によく耐えることができる、限られた数の種を収容する。 どちらの水槽タイプでも、アクアリウム中の同居人は互いに同じ地域の出自のこともあるし、そうでないこともあるが、一般に、同様の水条件としてよい。 魚のほか、無脊椎動物、植物、装飾物あるいは、「アクアリウム家具」(それらは魚にとって自然な隣人かもしれないし、そうでないかもしれない)が、これらの水槽タイプに加えられることが多い。
種類水槽または標本水槽は通常単一魚類を収容し、恐らくその魚の住む自然環境で見られる植物や、実際の生態系を模擬する装飾物を置く。 これらの水槽は、しばしばkillifish、livebearers、シクリッド等のために使用される。 それらは、わずかな必需品を備えるばかりで底になにも敷かないという程度に単純なものもあるし、あるいは複雑な据え付けアクアリウムのこともある。 この種の一部の水槽は繁殖のための成体を収容するためだけに使用される。 そのような水槽は、家庭用の水槽では一般的である。
エコタイプあるいはエコトープ・アクアリウムは、自然界に見られる特定の生態系を模擬する試みである。すなわち、その生態系で見られる魚、無脊椎動物、および植物を水槽中に集め、それらの住む自然環境を模擬するための水条件と装飾物を整えることである。 これらエコタイプ・アクアリウムは最も精巧な趣味的アクアリウムと考えられる。 実際、評判がよい公共水族館では、可能な場合は常に展示物にこのアプローチを使用する。 このアプローチは、アクアリウムの生物が野生中で見せる挙動を最も良く模擬し、また、できるだけ健康な人工環境を提供することに役立つ。
上記のタイプに加えて、塩水アクアリウムで見られる特殊な分野が、珊瑚礁アクアリウムである。 このアクアリウムは、暖かい熱帯の海で見られる複雑な珊瑚礁の生態系を模擬する試みである。 こうした環境に住む豊かな多様性を持つ無脊椎動物に着目し、魚は限られた数しか収容しない。 イソギンチャク、サンゴ、石灰藻、軟体動物、および甲殻類を飼う技術は、1980年代から発達し、珊瑚礁の生態系の再現を可能にした。 珊瑚礁アクアリウムは、普通の趣味レベルのアクアリウムの中でも、専用の器具(それに伴うコスト)に加え最も熟練を要する、最も難しく手間がかかるものと広く考えられている。
最初の近代的アクアリウムに入れるための魚と植物は、野生から採取されヨーロッパとアメリカの港へ(通常船で)輸送された。 20世紀初期には、小さなカラフルな熱帯魚の多くの種が捕獲され、ブラジルのマナウス、タイのバンコク、シャム、インドネシアのジャカルタ、オランダ西インド諸島、インドのカルカッタ、その他の熱帯の港から輸出された。 アクアリウム向けの商業ルートのために天然から魚、植物および無脊椎動物を捕獲することは、今日も世界中で続いている。 世界の多くの場所で、貧しい地元住民が、収入の主な手段としてアクアリウム用標本を集め売りさばく。 それは、今なお人工繁殖に成功していない多くの種の供給源であり、また熱心なアクアリウム保有者に新しい種を供給し続けている。
最終的にアクアリウムに展示するために天然の生物を捕獲することは、いくらかの問題をはらんでいる。 捕獲旅行は長く、高価になりえ、必ずしも成功するとは限らない。 輸送のプロセスは、輸送される魚には非常に危険であり、死亡率は高い。 そうでなくとも多くのものがストレスによって弱り、到着したときには病気になっている。 魚も収集プロセス自体で痛めつけられることがある。最も顕著なものは、捕獲をより容易にするため暗礁魚を気絶させるためにシアン化合物を使用するものである。
より最近では、魚と植物を集めることの潜在的な環境への悪影響は、世界的にアクアリウム保有者たちの注意するところとなった。 これらの悪影響は、珊瑚礁および目標でない種への毒散布、自然の生息地からの稀少種の減少、および主要種の大規模減少による生態系の劣化などである。 さらに、使用される破壊的な技法は、環境保護論者とアクアリウム保有者への憂慮するところとなってきた。 したがって、人工繁殖計画および天然で捕獲された魚の認証プログラムによって、商業ルートに乗った天然で捕獲された標本への依存を減らすよう、多くの関係のあるアクアリウム保有者による申し合わせ運動があった。 1997年に行われた調査では、アメリカの塩水アクアリウム保有者たちの3分の2が、天然で採取した珊瑚の代わりに人工養殖した珊瑚を購入することを好むと答えた。