アクアリウムは、(ほとんどの魚(恐らく、Betta splendensのような呼吸する魚を除き)には一般に不適当な)1リットル未満の水しか入らない小さく簡素なガラスのボウルから、設計上の制約以外には制限されず、海藻の森や大きなサメまで含む生態系全体を収容することができる、公共の水族館に据え付けられた巨大な水槽にまで及ぶ。 一般には、より大きなアクアリウムシステムの方が、温度とpHの迅速な変動に対して抵抗力があるためシステムが安定するので、大きいものが推薦される。
家庭で保有するアクアリウムは11リットルくらいまでは小さくすることができる。 このサイズはろ過および他の基礎的なシステムを備えたものの内では、最も小さな実際的なシステムであると広く考えられている。 また、1100リットルまで大きくなりえる。 主にアクアリウムの重量と内部水の圧力(厚く強いガラス板が必要となる)が事実上の制限となるため、大部分の家庭用アクアリウムは約1m3が最大となる。 しかしながら、ある専門のアクアリウム保有者は大きな努力および費用を払い、数立方メーターの専用アクアリウムを構築したことが知られている。
大型の種や環境を展示するために設計された公共の水族館は、どの家庭用アクアリウムより劇的に大きくなることがある。 Shedd水族館は、7,500m3のアクアリウムに加えて、それぞれ1,500m3の2つのアクアリウムを特色とする。 モントレー湾水族館では、最大の水槽にアクリルの窓がついている。 幅17m、高さ5mの窓は世界最大で、厚さは330mm以上ある。 公共の水族館のサイズは、通常はコストの考慮によって制限されている。
種を選択することについてのいくつかの理論がアクアリウム保有者のコミュニティー内で循環している。 恐らく最も広く知られたものは、アクアリウムを協調的水槽と攻撃的水槽の二つに区分することである。 協調的水槽は、互いに攻撃的でないいくつかの種を収容する。 これは今日用いられる最も一般的なタイプの趣味アクアリウムである。 逆に、攻撃的水槽は、他の魚へ攻撃的になりうるか、あるいは攻撃によく耐えることができる、限られた数の種を収容する。 どちらの水槽タイプでも、アクアリウム中の同居人は互いに同じ地域の出自のこともあるし、そうでないこともあるが、一般に、同様の水条件としてよい。 魚のほか、無脊椎動物、植物、装飾物あるいは、「アクアリウム家具」(それらは魚にとって自然な隣人かもしれないし、そうでないかもしれない)が、これらの水槽タイプに加えられることが多い。
種類水槽または標本水槽は通常単一魚類を収容し、恐らくその魚の住む自然環境で見られる植物や、実際の生態系を模擬する装飾物を置く。 これらの水槽は、しばしばkillifish、livebearers、シクリッド等のために使用される。 それらは、わずかな必需品を備えるばかりで底になにも敷かないという程度に単純なものもあるし、あるいは複雑な据え付けアクアリウムのこともある。 この種の一部の水槽は繁殖のための成体を収容するためだけに使用される。 そのような水槽は、家庭用の水槽では一般的である。
エコタイプあるいはエコトープ・アクアリウムは、自然界に見られる特定の生態系を模擬する試みである。すなわち、その生態系で見られる魚、無脊椎動物、および植物を水槽中に集め、それらの住む自然環境を模擬するための水条件と装飾物を整えることである。 これらエコタイプ・アクアリウムは最も精巧な趣味的アクアリウムと考えられる。 実際、評判がよい公共水族館では、可能な場合は常に展示物にこのアプローチを使用する。 このアプローチは、アクアリウムの生物が野生中で見せる挙動を最も良く模擬し、また、できるだけ健康な人工環境を提供することに役立つ。
上記のタイプに加えて、塩水アクアリウムで見られる特殊な分野が、珊瑚礁アクアリウムである。 このアクアリウムは、暖かい熱帯の海で見られる複雑な珊瑚礁の生態系を模擬する試みである。 こうした環境に住む豊かな多様性を持つ無脊椎動物に着目し、魚は限られた数しか収容しない。 イソギンチャク、サンゴ、石灰藻、軟体動物、および甲殻類を飼う技術は、1980年代から発達し、珊瑚礁の生態系の再現を可能にした。 珊瑚礁アクアリウムは、普通の趣味レベルのアクアリウムの中でも、専用の器具(それに伴うコスト)に加え最も熟練を要する、最も難しく手間がかかるものと広く考えられている。
最初の近代的アクアリウムに入れるための魚と植物は、野生から採取されヨーロッパとアメリカの港へ(通常船で)輸送された。 20世紀初期には、小さなカラフルな熱帯魚の多くの種が捕獲され、ブラジルのマナウス、タイのバンコク、シャム、インドネシアのジャカルタ、オランダ西インド諸島、インドのカルカッタ、その他の熱帯の港から輸出された。 アクアリウム向けの商業ルートのために天然から魚、植物および無脊椎動物を捕獲することは、今日も世界中で続いている。 世界の多くの場所で、貧しい地元住民が、収入の主な手段としてアクアリウム用標本を集め売りさばく。 それは、今なお人工繁殖に成功していない多くの種の供給源であり、また熱心なアクアリウム保有者に新しい種を供給し続けている。
最終的にアクアリウムに展示するために天然の生物を捕獲することは、いくらかの問題をはらんでいる。 捕獲旅行は長く、高価になりえ、必ずしも成功するとは限らない。 輸送のプロセスは、輸送される魚には非常に危険であり、死亡率は高い。 そうでなくとも多くのものがストレスによって弱り、到着したときには病気になっている。 魚も収集プロセス自体で痛めつけられることがある。最も顕著なものは、捕獲をより容易にするため暗礁魚を気絶させるためにシアン化合物を使用するものである。
より最近では、魚と植物を集めることの潜在的な環境への悪影響は、世界的にアクアリウム保有者たちの注意するところとなった。 これらの悪影響は、珊瑚礁および目標でない種への毒散布、自然の生息地からの稀少種の減少、および主要種の大規模減少による生態系の劣化などである。 さらに、使用される破壊的な技法は、環境保護論者とアクアリウム保有者への憂慮するところとなってきた。 したがって、人工繁殖計画および天然で捕獲された魚の認証プログラムによって、商業ルートに乗った天然で捕獲された標本への依存を減らすよう、多くの関係のあるアクアリウム保有者による申し合わせ運動があった。 1997年に行われた調査では、アメリカの塩水アクアリウム保有者たちの3分の2が、天然で採取した珊瑚の代わりに人工養殖した珊瑚を購入することを好むと答えた。また、持続可能なように捕獲されたまたは人工的に養殖した魚だけが貿易に許可されるべきと答えた人が80%以上だった。
「闘魚」Betta splendensが1893年にフランスで最初に養殖に成功して以来、人工繁殖の技法が次第に発見されてきた。 アクアリウム貿易のための人工繁殖は、現在南フロリダ、シンガポール、香港およびバンコクに集中しているが、ハワイとスリランカにも小さな産業がある。 アクアリウム貿易用の海生生物の人工繁殖プログラムは、1990年代中頃以来、急速に発展しつつある。 海水の種よりも、真水の種のための繁殖プログラムのほうが比較的進んでいる。
養殖は管理された環境中で水生生物を育成することである。 アクアリウム貿易へ供給するための養殖プログラムの支持者は、十分計画を練ったプログラムは環境だけでなくそのまわりの社会にも利益をもたらすことができると主張している。 養殖は、成長させた成体を直接販売するか、それらをリリースして野生のストック(Tlusty 203)を補充することによって、野生種への衝撃を減少させる助けになる。ただし、そのような行為はいくつかの環境リスクに関係している。
アクアリウムの生態系は、自然界で見られる平衡をアクアリウムの閉じた系で再現するのが理想であるが、実際には、完全なバランスを維持することは事実上不可能である。 例えば、最大のアクアリウムでさえバランスのとれた捕食-被食関係係を維持することはほとんど不可能である。 普通は、アクアリウムに入る小さな生態系の中で平衡を維持する手段を取らなければならない。
多量の水を使うことで近似的平衡を構築できる。 システムを乱すどんな出来事も、アクアリウムを平衡から遠ざけるのだが、水槽により多くの水があれば、出来事の影響が薄められるので、系統の衝撃を吸収することがより容易になる。 例えば、11リットルの水槽中では魚が1匹死んだだけでもシステムに劇的な変化を引き起こす一方、その同じ魚の死が他に多くの魚がいる400リットルの水槽中であれば、水槽のバランスは少ししか変化しない。 こういう理由で、平衡を維持するのにそれほど注意を必要としない安定したシステムであるために、しばしばできるだけ大きな水槽が好まれる。
管理の上で重要な課題として、アクアリウムの住民によって作られる生物学的廃物の管理がある。
魚、無脊椎動物、菌類および一部のバクテリアは、アンモニアの形で不用の窒素を排泄する。アンモニア(水化学によってはアンモニウム塩に変換されることがある)はその後、窒素循環を通り抜けなければならない。アンモニアは、糞やその他の廃物を含む植物および動物質の分解によっても発生する。窒素廃棄物は、高濃度では魚および他のアクアリウム住民にとって有毒になる。
バランスの取れている水槽は、他のアクアリウム居住者の廃棄物を物質交代することができる分解者を含んでいる。水槽中で発生した窒素廃棄物は、硝化細菌(種類Nitrosomonas)として知られている一種のバクテリアによってアクアリウムの中で物質交代される。硝化バクテリアは、水中のアンモニアを捕らえて、亜硝酸塩を生産する。