麻薬取締官(まやくとりしまりかん)は、麻薬取締や薬物の不正ルートの解明などの薬物犯罪の捜査や正規麻薬(医療目的で許可を受けて合法的に使用される麻薬)の不正使用・横流し・盗難等の監視・捜査を行う厚生労働省の職員である。俗に麻薬Gメンと呼ばれる。具体的には厚生労働省の地方支分部局である地方厚生局(地方厚生支局を含む)に設置されている麻薬取締部(沖縄麻薬取締支所を含む)に配属されている。
目次
1 概要
2 捜査
3 任用資格
4 警察との統合議論
5 脚注
6 関連項目
7 参考文献
8 外部リンク
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麻薬取締官は麻薬及び向精神薬取締法(以下、麻向法)により特別司法警察職員としての権限が与えられている。麻薬取締という危険な職務であるため、特別司法警察員としての職務を遂行する場合に限るが「小型武器での武装」(拳銃等の携帯。ベレッタM84やコルト・ディティクティブスペシャル)が認められている他、警察官と同様の逮捕術の訓練も受けている。
また、薬物についてのみではあるが、おとり捜査を行うことができ、麻向法第58条にそれに関する規定がある。それによると、違法に流通している麻薬などを所持しても麻薬取締官及び麻薬取締員のみは処罰されない。 麻薬特例法に基づく麻薬を使っての泳がせ捜査や薬物の密売収益の没収等による首謀者や密売組織の摘発及び壊滅などを行っている。薬物犯罪に関するおとり捜査は麻薬取締官及び麻薬取締員のみに認められた行為であり、一般の警察官でさえも行うことが出来ない。これは密売流通ルートを遡る為に必要な行為である。
(警察官及び海上保安官については銃器に関してのおとり捜査が認められている。麻薬取締官には認められていない。)
その職務の性質上、麻薬取締員と警察は密接な協力関係にあり、麻向法第56条でも協力関係が定められている。
麻薬取締官は、海外各国の捜査機関や各都道府県の麻薬取締員、警察、海上保安庁、税関、入国管理局などと連携して捜査に当っている。なお定員は2007年現在223人である。
情報の収集はインターネットや新聞、雑誌、投書、一般からの通報、国内外の捜査機関からの情報、逮捕した被疑者からの情報などを使って捜査を行う。
麻薬取締官はその職務の性質上、大学の薬学部出身者(≒薬剤師免許保持者)が多いが、麻向法施行令第10条に定められた下記の条件に該当する者であれば、薬学部出身者でなくとも麻薬取締官になることはできる。
通算して二年以上麻薬取締りに関する事務に従事した者
通算して三年以上薬事に関する行政事務に従事した者
学校教育法に基づく大学又は旧制大学において、法律又は薬事に関する科目を修めて卒業し、学士の学位又は旧大学令による学士の称号を有する者
学校教育法に基づく短期大学若しくは高等専門学校又は旧専門学校において、法律又は薬事に関する科目を修めて卒業した後、通算して一年以上麻薬取締りに関する事務に従事した者
多くは取締官事務所からゼミの指導教員を通じてリクルートが行なわれるという(#参考文献の記述より)。
業務が警察に近いため、行政改革では警察へ統合し、すべきという意見が出たことがある[1]。予算や効率化の観点からも統合論があるが、実際の業務においても、薬物密売はほとんど暴力団が関与しているため、暴力団の情報をほぼ独占的に持っている警察との情報交換が常に必要である。警察庁にも薬物銃器対策課が存在する。
平成14年の警察白書によると、薬物事犯の検挙者数は約2万人であり、麻薬取締官の人数が少なすぎることから、警察にも薬物摘発の際、おとり捜査可能な権限を付与し薬物摘発を強化すべきとの指摘もある。
脚注^ 「 ⇒行政改革会議第12回議事概要」 ⇒行政改革会議、1997年5月7日。
参考文献
鈴木陽子 『麻薬取締官』 集英社、2000年。ISBN 4087200515
外部リンク
⇒公式サイト
⇒麻薬取締官等-『いんちき館』より、概要説明。
⇒総務省法令データ提供システム-関係法令等の閲覧ができる。
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