麹(こうじ)とは、米、麦、大豆などの穀物や精白するときに出来た糠などに、コウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの。日本酒、味噌、食酢、漬物、醤油、焼酎、泡盛など、発酵食品を製造するときに用いる。ヒマラヤ地域と東南アジアを含めた東アジア圏特有の発酵技術である。
「こうじ」の名は「かもす(醸す)」の名詞形「かもし」がウ音便化したものである。 漢字では「糀」とも書く。
目次
1 麹の作り方
2 麹の使い方
3 麹の種類
3.1 餅麹(もちこうじ)
3.2 撒麹(ばらこうじ)
4 日本の麹
4.1 米麹
4.2 麦麹
4.3 豆麹
4.4 蘇鉄麹
4.5 黒麹
5 麹に含まれる酵素
5.1 アミラーゼ群
5.2 プロテアーゼ群
5.3 リパーゼ群
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別途培養した麹菌胞子である種麹を蒸した原料に散布して製造する方法と、以前に製造した麹の中から良質なものを保存しておき、新たに麹を製造する際に蒸米に加えて用いる方法がある。後者の方法を共麹(友麹とも)と呼ぶ。現在の日本では、もっぱら前者の方法が採用されており、麹を製造する際には種麹を専門に製造する業者が供給する種麹を利用する場合が多い。
麹の使い方
麹を発酵の材料に加えることで、カビなどの既に生成した酵素を食品の発酵に用いる。発酵時に必ずしも微生物が生きていなくてもよい。甘酒や味醂をつくる時の麹の用法がこれである。
発酵の材料に、必要な微生物を植えつけるために用いる。日本の麹技術における種麹がこれである。
発酵の材料そのものにカビを中心とした微生物を植え付け繁殖している状態のものも麹と呼ぶ。通常、麹を構成する微生物の繁殖を加水や加塩によって途中で停止させ、生成した酵素や他の微生物による次段階の発酵工程に移る。清酒、焼酎、醤油のもろみの前段階の麹がこれである。
上記の1と3の中間のものもある。例えば日本の味噌を製造するとき、豆麹を用いる中部地方の豆味噌などは完全に上記の3の用法である。しかし多くの場合米や麦などで麹をつくり、これを塩と共に煮た大豆に加える。これは日本の味噌の主材料を大豆とみなすと1の用法に近いが、近畿地方の白味噌や九州の麦味噌は全体に占める米麹や麦麹の比率が非常に高く、これらも主要な発酵材料とみなすと3の用法の要素が色濃いといえる。
蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。
清酒に用いる米こうじは、平成元年11月22日 国税庁告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める件 ⇒[1]」において、「米こうじとは、白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるものをいい、特定名称の清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいう。以下同じ)が、15%以上のものに限るものとする。」と定められている。
黒麹はアワモリコウジカビで広く知られているように、元は沖縄で泡盛の醸造に用いられてきたコウジカビである。クエン酸発酵が盛んで、もろみをpH3程度の比較的強い酸性に保つことができる。したがって、発酵途中での雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、比較的気温の高い地方でのアルコール醸造に適している。
この黒麹が九州地方の焼酎生産に広まったのは、1910年頃河内源一郎が泡盛の黒麹を元に「河内黒麹菌」(学名:アスペルギルス・アワモリ・ワァル・カワチ)を培養し、鹿児島の焼酎業者を技術指導した事による。それまで黄麹を用いて生産していた鹿児島の焼酎は、この黒麹を用いることで歩止まりを劇的に向上させた。ただ黒麹には、1.温度管理が難しいこと、2.その胞子が持つ黒色色素が作業場を汚すこと、という難点もある。後1924年に河内源一郎は黒麹の様々な問題を解決した白麹を発見する。発見当時は、黒麹による醸造が既に定着していたため劇的な置き換わりは起きなかったが、1970?1980年頃には殆どの焼酎生産現場で白麹が用いられるようになっていた。ただ、黒麹がもつ様々な問題は、製造技術の向上(特に温度管理)によって克服できるようになり、黒麹が持つ独特のコク、甘味などを求め、2008年現在では再び黒麹が使用された焼酎がいくつも出回るようになっている。
前述の通り、麹とは米や麦、豆等にコウジカビと呼ばれる一群の糸状菌を生育させたものであり、コウジカビが体外に分泌した酵素によりデンプン、タンパク質、脂肪などを非常に高い効率で低分子化することが出来る。
アミラーゼとはデンプンを加水分解する酵素の総称である。