鳥取大火
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鳥取大火は1952年昭和27)4月17日鳥取県鳥取市で起きた大火災。市街地のほとんどを焼き尽くし、罹災者2万451人、罹災家屋5,288戸、罹災面積160ヘクタールにのぼる甚大な被害をもたらした。鳥取市大火災ともいわれる。
目次

1 経過

2 被害

3 火災の原因

4 復興

5 大火の跡

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経過

1952年4月17日午後2時55分、鳥取駅前にあった市営動源温泉付近の空き家から出火。折からフェーン現象による瞬間最大風速15mという強い南風が吹き荒れており、日中の最高気温25.3℃、湿度28%に達していた。火勢は見る見るうちに拡大し、付近の商店街や民家に飛び火しながら市街地を北へ扇状に直進する。

市内の消防隊は「袋川を越えさせるな」と懸命の消火作業に当たった。市街地の中心部を流れる袋川は、かつては鳥取城の外堀の役目を果たしており、袋川の内側には県庁市役所などの官庁、さらに学校住宅が密集していたためである。しかし、ますます勢いを増す火は袋川を飛び越え、旧城下町にあった住宅地や官庁にも燃え広がった。

フェーン現象による強い南風にあおられ、市内各所で飛び火による火の手が上がった。県内各市町村から消防隊が救援に駆けつけていたが、当時あった6台の消防車も3台は修理中、出動した3台もうち2台は故障で1台しかまともに使えず、上水道の水量も水圧も低すぎた事もあって手の施しようがない状態だったという。

夜になると火は衰えるどころか、ますます勢いを増した。焼失速度は1分間に家屋7戸強というすさまじいものだった。強風にあおられて市街の最北端・湯所にあった天徳寺も炎上。愛宕神社・丸山・覚寺峠の山林を焼き、岩美郡福部村(現・鳥取市)との境界にあった摩尼寺付近まで飛び火した。

出火から12時間が経過した翌4月20日の午前3時、鳥取市を焼き尽くした火はようやく鎮火した。鳥取市街最南端だった出火点から市街最北端の湯所や摩尼寺まで、延焼した距離は6qに及んだ。


被害

罹災者2万451人。死者2人。罹災家屋5,288戸。罹災面積160ヘクタール。被害総額193億円(当時の金額)。戦後国内最大級の大火災だった。当時の鳥取市の人口は6万1千人、世帯数は1万3千だったため、市民のほぼ半分が罹災したことになる。

鳥取市は戦争中は空襲こそ受けなかったが、1943年昭和18)9月に鳥取大震災によって大きな被害を受けていた。敗戦の痛手と鳥取大震災の被害からの復興がようやくなった時期のこの災害が、鳥取市民に与えた打撃は計り知れない。


火災の原因

これだけの大きな被害をもたらした大火災にもかかわらず、大火の原因は現在でも不明となっている。

第1出火点となった空き家は、皮葺き屋根の一部を焼いたのみで鎮火している。ところがこの直後に、市営動源温泉屋上の湯気抜き鎧戸から火炎が噴き出して第2出火点となった。第1出火点の空き家では、出火直前まで3人の作業員が椎茸原木の穴あけ作業をしており、その作業に使用した電動ドリルが加熱して杉皮葺き屋根に燃え移ったのではないかと見られ、作業員3人が取り調べを受けたが証拠不十分となった。

第2出火点では、鳥取駅信号所のストーブの飛び火が原因ではないかといわれ、信号所の責任者2人が取り調べを受けたが、これも証拠不十分で不起訴になっている。


復興

鳥取大火が起きた頃の鳥取市街は、旧城下町の名残で道幅が狭く、それが消防隊の活動を妨げた面があった。火災の後の都市計画では、街路拡張が行われた。

鳥取大火の翌日には建設省(当時)の幹部が鳥取市を視察。5月に耐火建築促進法が国会で可決された。8月には鳥取市若桜街道筋などが全国初の防火建築帯指定を受け、1955年昭和30)までに地上3階以上のコンクリートまたはブロック造りによる94棟の建造物が完成した。


大火の跡

この大火で鳥取市の旧市街地はほぼ全滅したが、猛火の中にあって旧鳥取県立図書館(現在の建物は老朽化で保存が難しいと判断され、「鳥取童謡おもちゃ館・わらべ館」建設の際に改築された物)、五臓圓薬局ビルは奇跡的に焼失を免れた。

当時の姿を残す建造物は五臓圓薬局ビルの他に、鹿野街道に面した鳥取市西町に当時の商家の土蔵1棟が当時の姿のまま残っている。老朽化と荒廃が激しいが、鳥取大火をくぐり抜けた貴重な建造物である。 カテゴリ: 火災の歴史 | 鳥取市 | 1952年

更新日時:2008年9月30日(火)19:19
取得日時:2008/10/13 00:22


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki