骨折
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骨折(こっせつ・Fracture)とは、直達外力や介達外力によりが変形、破壊を起こす外傷であり、構造の連続性が絶たれた状態のことである。骨折は全ての骨に起こり得る。骨は元来、若干の柔軟性・弾力性・可塑性を持ち、健康な骨は骨折しにくいが、限界を超える強い外力や反復した外力、骨に腫瘍などの病変が存在する場合は軽微な外力でも破壊される。また、鎖骨や手の舟状骨など構造的に外力が集中しやすく、折れやすい骨も存在する。ヒトの骨折のうち、日常生活で骨折を起こしやすい骨としては、鎖骨、肋骨、指骨、鼻骨、尾骨、橈骨、尺骨、脛骨、腓骨等が挙げられる。また、骨折して完治した後、個人差や治療法によるが、左右の腕や足の長さに違いが生じることがある。但し、成長期では自然治癒力により同じ長さに矯正されることも多い。手術により矯正することもある。
目次

1 骨折の種類

1.1 開放の有無

1.2 応力による骨折の形態

1.3 特殊な要因


2 症状および合併症

2.1 症状

2.2 合併症


3 治療法

4 特定の年齢層に見られる骨折

4.1 小児、思春期以前に多い骨折

4.2 老人に多い骨折


5 主な骨折

5.1 頭部・脊椎・体幹部の骨折

5.2 上肢の骨折

5.3 下肢の骨折


6 関連項目

7 参考文献

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骨折の種類


開放の有無

骨は感染に対して非常に脆弱なので、骨折部が雑菌のいる表皮と繋がっているかどうかは治療上とても重要であり、骨折部が体外に開放しているか否かによる分類がなされる。
単純骨折 (simple fracture)
骨折部が体外に開放していない骨折。閉鎖骨折ともいう。ほぼ筋骨格系の治療のみで済む。雑菌の混入の可能性が重要なので、たとえ粉砕骨折(俗に言う複雑骨折)であっても骨折部と表皮が連続していなければ、感染の危険は低いので複雑骨折ではなく単純骨折になる。
複雑骨折 (compound fracture)
骨折部が体外に開放している骨折。開放骨折あるいは開放性骨折ともいう。筋骨格系の治療と感染の治療を複合的に行わなくてはならないので、複雑と呼ばれる(“複雑に折れている”という意味ではない)。骨の外界への露出が重視されるので、たとえ骨折部が1箇所で骨が真っ二つに折れただけでも(粉砕骨折ではなくても)、骨折の瞬間のみ表皮を突き破りその後元の位置に収まった場合でも、骨が表皮に到達していれば単純骨折ではなく複雑骨折になる。世間一般的に粉砕骨折のことを複雑骨折であると表現されるが、医学的には誤用である。


応力による骨折の形態

大きく分けて直達外力と介達外力による骨折に二分される。さらに骨折線の形状によって、骨折は様々な名称によって分類される。
横骨折
骨折線が骨の長軸と垂直であるもの。
斜骨折
骨折線が骨の長軸と垂直ではなく斜めであるもの。
螺旋骨折
捻れの外力によっておこったもの。
圧迫骨折
軸方向の圧力によって潰れたもの。
破裂骨折
押しつぶされ破裂したように崩れたもの。
粉砕骨折
複数の骨折線、骨片が存在するもの。
剥離骨折
筋や腱が骨と接合している部分などが剥がれたもの。
亀裂骨折
いわゆる、ヒビが入ったもの。
脱臼骨折
骨折と脱臼が併発したもの。
外果骨折
外転または外旋力で関節高位より上に剪断力がかかって起こるもの。


特殊な要因

また特殊な原因により骨折を生じることがある。
疲労骨折
反復して加えられた外力のため、骨折を起こした状態。金属疲労による破断と同じメカニズム。
病的骨折
骨腫瘍や癌の骨転移、骨形成不全など骨の部分的異常、もしくは先天的な疾患がある場合や、カルシウムの代謝異常等により骨が軟化した場合、逆に硬化し可塑性を失った骨は、日常生活でのわずかな外力(電車で押される、水に落ちる等)により骨折を起こす場合がある。要因となる先天的疾患例としてゴーシェ病などがある。


症状および合併症


症状

骨自体には神経がないが、骨折を起こすと骨の表面にある神経が集中している骨膜が破壊され、ほとんどの場合で強い自発痛や圧痛を生じる。内出血や骨転位により変形や異常可動性、腫脹を起こすほか、受傷部の運動が困難になる。


合併症

脊椎の骨折では骨片が脊髄を損傷することによりその支配領域が麻痺したり、頚椎の場合では死亡する事もある。また同様に四肢の骨折では骨片によって神経や血管を損傷することもある。肋骨骨折の場合は、肺損傷や心臓損傷のおそれもある。骨髄が存在する長管骨や骨盤などの海綿状骨が骨折した場合には、大量の内出血にともなう出血性ショックや骨髄腔内からの骨髄や脂肪滴による骨髄塞栓・肺脂肪塞栓などにより死に至るケースもある。また高齢者では骨折により寝たきりとなりやすく、それに伴う認知症肺炎などを引き起こしやすい。


治療法固定の例。橈骨は螺子による内固定、第五中手骨はキルシュナーワイヤーによるピンニング固定

単純骨折で骨の転位がなければそのまま固定をし、骨の転位がある場合は徒手整復や牽引などの非観血的整復術や手術による観血的整復術によって正常なアライメントに戻し、一定期間固定し安静を保つ。一方複雑骨折では骨が表皮から飛び出すことで様々な細菌が存在する外界と交通してしまうことから感染症の阻止が最重点課題となる。傷口の念入りな洗浄消毒と汚染され挫滅した組織の切除(デブリードマン)が受傷後直ちに行なわれるべきで、抗生物質の投与も積極的に行われる。骨癒合に要する期間は損傷部位や年齢に左右されるが、いずれの骨折も同じプロセスを踏んで修復される。ただし、感染症や不適切な治療により骨癒合が遷延したり癒合せずに偽関節となるケースもある。
内固定
手術によって金属のプレートやワイヤー、ピン等の固定具によって骨を接合する方法。
外固定
ギプス等を用い、体の外側から、骨折部が動かないよう固定する方法。
創外固定
手術によって骨折部周囲の骨にピンを串刺しにし、体外に出た部分を金属棒やレジンなどで支持する方法。開放骨折などの際、損傷部への手術操作により感染リスクが高まる恐れのある時や粉砕骨折などに有用である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen