首(くび 「頸」の表記も)または頸部(けいぶ)とは、人体において頭(頭部)と胴体をつなぐ部位である。また「くび」の語は、この「首」及びそれより上部にある頭部全体を指す。頭部との区別での「くび」を表わす場合、「くび」の漢字表記で「頸」を用いる。
目次
1 ヒトの首の解剖学
1.1 柔性組織の解剖学
2 脊椎動物における位置づけ
3 無脊椎動物の場合
4 首の可動性
5 比喩的な例
6 育児における首
7 首と通念
7.1 首と個体性
7.2 弱点としての首
7.3 日本の通念
8 「首」を使った慣用句
9 関連項目
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ヒトの首の解剖学Gray's Anatomy首と頭部 図1194
ヒトを含む哺乳類の脊柱の頸部は7つの堆骨で構成される。これらを頸椎という。頸椎は、典型的に C-1 (CI) から C-7 (CVII) で参照され、各々の堆体の間には盤状の軟骨性の椎間板がある。首は頭の重量を支え、脳から下って体に至る神経束を保護する。さらに、首は高度に柔軟であり、頭部を回し、あらゆる向きに曲げることができる。脊柱は、頂上から底部まで、前方に向かって凸なかたちでゆるやかに(S字状に)湾曲する。その湾曲は脊柱のあらゆる曲線のなかでもっとも目立たないものである。
顎の下の正中線上に舌骨体、その直下には「のどぼとけ」と呼ばれる女性よりも男性で顕著な甲状軟骨の突起を感じることができる。さらに下には容易に輪状軟骨を、それと頸切痕のあいだには気管と甲状腺峡部が形作られていることを感じとれるだろう。胸骨甲状筋の外縁部はもっとも目立つ特徴である。それは前頸三角と後頸三角を分割する。前者の上部は顎下腺を含み、顎下腺は顎にある後者本体の半分の真下に横たわる。総頸動脈および外頸動脈は胸鎖関節から下顎角へ向かって伸びる。
第XI脳神経あるいは脊髄副神経が描くラインは、下顎角と乳様突起の中点から胸骨甲状筋後縁の中央まで、そしてそれゆえ後頸三角を横断して僧帽筋の深層面に至る。外頸静脈はふつうに皮膚を透して見ることができる。それは顎の隅から鎖骨の中央へと引かれる一本の線の上を走る。その近くにはいくつかの小さなリンパ腺がある。前頸静脈は、より小さく、首の正中線から1センチ半ほど下に走る。鎖骨は首の下限を成し、首から肩への横方向の外見上の勾配は僧帽筋に起因する。
首は、その中に上行大動脈(血管)、気道、食道、神経、頸椎(骨)が通っている。
首は頭部と肩の間の脊椎骨の範囲を指す。これを魚類で見ると、この部位は鰓蓋に覆われた部位である。魚類ではこの部分は特に細くはなく、その可動性も限定的である。つまり両生類の段階で鰓が失われたことで首が生じ、その部分の可動性が大きくなっている。ただし両生類では首を縦に振ることしかできない。爬虫類ではこの可動性はより大きくなり、恐竜では雷竜、化石爬虫類では首長竜のような多数の頸骨を持つ細長い首を持つ例もある。
鳥類はすべて長い首を持つ。これはこの類では胴体がコンパクトにまとめられ、脊椎骨などに互いに癒合があり、可動性が少ないことを補うものと考えられ、逆説的に飛行への適応と考えられる。つまり飛行運動のために胴体がまとまった一体であることを求められることから、それによる前足と後ろ足の運動性が犠牲になることから、これを補うために頭が様々な方向へ動ける必要があり、それが首を長くする方向の進化を促したと見られる。
なお、首長竜などでは頚骨が多数であったから首はよく曲がったと考えられているが、哺乳類であるキリンでは頚骨は他の哺乳類と同じ7つであり、首はくねるようには曲がらない。
上記のような定義からすれば、首は無脊椎動物には存在しない。しかし、実際には頭部と胴部とつなぐ部分は比喩的に首と呼ばれる例がある。また、この部分は頭部の運動性を決めるため、特にくびれていたり細長くなっている例があり、それぞれの動物の特徴となる。そのため、首をその名に持つ例があり、以下のようなものがある。
昆虫:クビナガムシ・クビボソゴミムシ・ツルクビオトシブミ
甲殻類:ナガクビムシ
首は頭を自由な方向に動かせるために大きな可動範囲を持つが、たとえばヒトは真後ろを向くことはできない。しかしたとえばフクロウ類はその可動性がさらに広くて、顔面を真後ろに向けることも、顔を上下さかさまに近い位置に曲げることもできる。
このような動きは、それができれば楽なことが多いから、日常的に無理に首を曲げようとして苦心することが多い。逆に、それが可能になったのを見ることは、それが異常なことであるのがわかりやすいために恐怖や嫌悪を感じさせる。映画『エクソシスト』では悪魔憑きの少女の首が真後ろを向き、日本では妖怪にろくろ首がある。なお、哺乳類の頚骨の数では、首はくねれないから、ろくろ首は実在すれば哺乳類とはみなしがたい。
先端に重要な役割があり、その基部が細くなって先端部の可動性を確保している場合、その細くなった部分に首という名を付ける例がある。