音読み(おんよみ)とは、日本語における漢字の読み方の一つで、字音による読み方(中国に由来する漢字の読み方)のことである。
目次
1 音読みの種類
1.1 各音の使用状況
2 表記
3 多音字
4 中古音との関係
5 関連項目
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音読みには呉音・漢音・唐音(宋音・唐宋音)・慣用音などがあり、それぞれが同じ漢字をちがったように発音する。たとえば、「明」という漢字を呉音では「ミョウ」と、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読む。
漢音は7、8世紀、遣唐使や留学僧らによってもたらされた唐の首都長安の発音(秦音)である。呉音は漢音導入以前に日本に定着していた発音で、通説によると呉音は中国南方から直接あるいは朝鮮半島(百済)経由で伝えられたといわれるが、それを証明できるような証拠はない。唐音は鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたものである。
慣用音は、上記のどれにも収まらないものをいう。誤った読み方が時代を経て定着した音読みが多い。「茶」における「チャ」(漢音「タ」・呉音「ダ」・唐音「サ」)という音は、誤った読み方ではないが、漢音と唐音の間に流入した音でどちらにも分類できないため辞書では慣用音とされる。
歴史的字音仮名遣による比較表漢字和外子脚暖行京明
呉音ワグヱシカクナンギャウキャウミャウ
漢音クヮグヮイシキャクダンカウケイメイ
唐音ヲウイスキャノンアンキンミン
中古音[?u?][?u?i][?i][ki?k][nu?n][????][k???][m???]
現代音[x?][ua?][??][?i??][nuan][?i?][?i?][mi?]
上記のように、漢字音の導入には仏教が大きく関わっており、各宗派によって使う音読みが異なっている。例えば、高僧を意味する「和尚(和上)」について、律宗・法相宗・真言宗では呉音で「ワジョウ」と読み、天台宗では漢音で「カショウ」、禅宗・浄土宗では唐音で「オショウ」と読んでいる。しかしながら、仏教用語の多くは古くから定着していた呉音で読まれている。
呉音は仏教用語や律令用語に使われ、日常語としても定着した。漢音はもっぱら儒学で用いられた。また、近代以降、西洋語を翻訳するのに作られた和製漢語にはもっぱら漢音が使用された。唐音は、禅宗用語を除けば、「椅子(イス)」や「蒲団(フトン)」のように中国から流入した物品の名称に使われることが多い。その他、湯湯婆「ゆタンポ」、石灰「シックイ」、提灯(提燈)「てうチン」、行灯(行燈)「アンドン」、脚絆(キャハン)、暖簾(ノレン)などがある(「シックイ」の石灰はのちに「漆喰(しつくひ)」と書かれるようになり「セッカイ」の石灰と区別されるようになる。「提灯」は「吊灯」の書き間違いで「提」を「テウ」と読むわけではない)。
古今の中国人(と台湾人)名(駐日大使王毅、陳舜臣など)、昔の朝鮮人の名(李成桂など)を発音するのには漢音を使う。昔のベトナム人の名(徴側・徴弐など)に使うこともある。
なお、時代によって読み方の変遷した熟語もある。「停止」は江戸時代まで「ちゃうじ」(慣用音「チャウ」+呉音「シ」の濁音化)とよんできたが、明治時代の改革で「ていし」(全て漢音)と読むようになった。「文書」は古くから呉音で「もんじょ」と読んでいた(「古文書」など)のが、漢音で「ぶんしょ」と読む(「公文書」など)ことが増えた。「大根」は、「つちおほね(土大根)」と言ったものが音読みで「ダイコン」と呼ばれるようになった。
辞書では訓読みとの明確な区別のためカタカナで表示するものがあるが、日常の文書ではこのような必要性がないため訓読みの表記と同様ひらがなで表示される。音読みを仮名によって表記する方法は字音仮名遣によって定められている。歴史的字音仮名遣は江戸時代の本居宣長によって確立された。戦後からは現代仮名遣いに従って現在の発音通りに表記する表音主義をとっている。
また、漢字の読み方によって意味が異なる場合もあり、たとえば「悪」を「アク」と読めば「悪い」の意味で、「オ」と読めば「憎む」などの意味である。このような漢字を多音字とよぶ。これは中国語とも対応しており、現代中国語(普通話)でも「悪い」の意味では「?」、「憎む」の意味では「w?」という発音である。 だからといって、必ずしも日本語の音読みの違いと、中国語の読み方の違いが一致するわけではない。「貴重」の「重(チョウ)」も「重量」の「重(ジュウ)」も、現代中国語では同じ「zh?ng」という発音になるが、「重奏」の「重(ジュウ)」や、「重複」の「重(チョウ、あるいはジュウ)」は、「ch?ng」という発音になる。ただし、意味の上では、「zh?ng」の音は、「重い」という意味、「ch?ng」の音は「重ねる」の意味にあたる。
音韻学
字音構造
声母 + 韻母 / 声調
韻母 (介音+韻腹+韻尾)
韻 (韻腹+韻尾/声調)
韻摂 (韻腹+韻尾)
声母: 五音 清濁 三十六字母
介音: 等呼 四呼
韻腹: 内外転 十六摂
韻尾: 陰声韻・陽声韻・入声韻
声調: 四声八調 平仄 舒促
上古音
- 詩経音系 -
中古音