非電化(ひでんか) はその路線を走行する列車の動力に電気を用いない、すなわち電化されていない鉄道路線のこと。
目次
1 使用動力
2 非電化の理由
2.1 需要と費用対効果の低さから非電化となっている例
2.2 物理的理由から非電化となっている例
2.3 地理的事情から非電化となっている例
2.4 軍事的事情から非電化となっている例
3 電化を非電化にした例
4 電化の目的など
5 関連項目
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非電化路線の動力としては、黎明期には馬や人力も使われた例があるが、初期の段階では蒸気機関が中心であった。20世紀半ば以降、非電化区間ではおもに内燃機関を用いた内燃機関車、気動車が使用されている。機関効率や安全性においてディーゼルエンジンが最も有利とされ、多く採用されている。ほかにガソリンエンジンやガスタービンエンジンを使用した例もある。将来に向けては、ディーゼルや水素燃料電池によるハイブリッド車両の開発(詳細は日本の電気式気動車#電気式の将来(ハイブリッド気動車)を参照)やバイオディーゼルの実用化検討(いすみ鉄道・北条鉄道)などの取り組みが進められている。
鉄道は電化した方が、使用するエネルギーの効率が上がり、列車の高速化も内燃機関を使用した場合より遥かに容易である。また化石燃料によるCO2の排出を抑制し地球温暖化の防止に貢献することが可能である。
一方で電化には設備の建設や維持に大きな投資が必要になるほか、様々な条件の制約を受けることもあり、非電化のままとなっている例もある。
一定の輸送量がある区間など、燃料消費量が多くなる場合は電化したほうが維持費が安価となることもある。しかし石油燃料を安価に供給でき列車本数が少ない国や、鉄道に十分な投資が難しい一部の発展途上国などでは、幹線でもまったく電化されていない国も多い。逆に電力を安価で供給可能な国では列車本数の少ない区間でも大半を電化している例もある(スイスなど)。
電化を行うには路線への投資額が多くなるため、ある程度需要が継続的に見込まれる都市周辺以外では非電化のままとなっている路線が少なくない。
代表的なのが北海道である。札幌都市圏と津軽海峡線(津軽海峡線は長大トンネル「青函トンネル」があるため)を除いて人口密度の希薄な地域が多いため駅間距離も本州に比べて著しく長く、本線でも特急以外は輸送密度が本州と比べて低い。加えて機器や架線の雪や寒さによるダメージも頻繁に起こりやすい。その結果、電化に関わる投資額や維持・修理のためのコストが本州の倍以上に高くなるため、鉄道電化のメリットを発揮しにくいことが挙げられる(余談だが、他にも北海道では当時、石炭鉱業が基幹産業の1つだったことから、それを維持させるために電化が進まなかった、という意見もある。ちなみに非電化区間である函館本線の五稜郭駅?長万部駅間、室蘭本線の長万部駅?東室蘭駅間と沼ノ端駅?岩見沢駅間、宗谷本線の旭川駅?永山駅間も当初電化区間の計画に上がっていたが、実際に電化されたのは回送列車走行の目的で宗谷本線の旭川駅?北旭川貨物駅・旭川運転所の区間にとどまっている)。また、労働組合の意向に左右された国鉄時代と異なり、現在は経営効率化と乗客の利便性の見地から、本州からの寝台特急や北海道内各地からの特急列車の札幌直行はもちろん、電化区間内で完結する普通列車でさえも、電化区間であることにこだわらず積極的に気動車やディーゼル機関車での効率的で柔軟な運用を行っている。
なお、現時点では徳島県が日本全国の都道府県で唯一、県内の幹線を含むすべての路線が非電化となっている(同県では過去にも電化路線が存在したことがない)。
トンネルの断面が小さく架線が張りにくいため、非電化となっている路線もある。
土讃線のうち、琴平駅までは電化されているが、それ以南は電化されていない。この区間は、高知駅までの電化が計画されてはいたものの、利用者が少なく投資の効果が見込まれないこと、そして何より小断面のトンネルが連続し、架線を張るには新規に大断面のトンネルを建設する必要があるなど相当の労力が必要とされることから、結局非電化のままとなった。高徳線に至っては起点の高松市内に小断面のトンネルが存在するため、香川県内だけの電化すらできず、非電化のままである。
旅客の需要は多いが、沿線の地理的な事情から電化が難しい場合もある。
日本での代表的な例としては、茨城県筑波山付近の石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所の周辺地域があげられる。