電波時計(でんぱどけい)とは、標準電波(日本ではJJY)を受信して誤差を自動修正する機能を持つ時計のことである。最近は様々な国々に送信局が設置されている。
目次
1 動作原理
2 課題
3 製品
4 中継機を使った製品
5 その他の電波を使った時計
6 その他
7 関連項目
8 外部リンク
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送信局には、「セシウム原子時計」と呼ばれる時計が設置されている。この原子時計は誤差が10万年に1秒といわれ、ほとんど誤差がない。送信局は、このセシウム時計の日付・時刻情報のデジタル信号を電波の信号に変換して送信している。
日本では、JJYと呼ばれる北は福島県大鷹鳥谷(おおたかどや)山(送信周波数40kHz)、南は福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金(はがね)山(送信周波数60kHz)の、二つの送信所でほぼ日本全国をカバーしている。(ただし先島諸島、小笠原諸島などは範囲外)
この送信局から送られてくる信号を電波時計に内蔵された受信機が一定時間ごとに読み取り(読取間隔は機種ごとにそれぞれ異なる)、自動的に時刻を合わせている。このため電波時計では、電波が正常に受信できる環境に限り、時刻合わせなどの手間を省きつつ、秒単位で正確な時刻を知ることができる。現在日本では実施されていないが夏時間にも対応することができ、この場合も年に2度の時刻合わせを行う必要がない。ただし、電波の受信が困難な場所では、時刻合わせが行われない場合もある点に注意が必要である(ほとんどの製品は手動での時刻合わせも可能)。これについては後述する。
電波を使用したシステムであることから、以下のような課題が存在している。
窓から離れた建物の中やノイズの多い場所では信号を受信できないことがあり、その場合は電波時計も通常のクォーツ時計の精度に留まることになるが、時計としての機能が停止するわけではないので、正確だと信じて使われ続けることもある。建物内の場合、木造家屋の窓際では受信しやすいものの、マンションやビルなど鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造の建物内部では電波の受信が難しいと言われている。表示時刻が電波により修正されたものかを確認できるように、受信状態を表示するインジケーターが設けられている製品もある(デジタル表示では送信アンテナ型のアイコン、アナログ表示ではLEDなど。1日-数日間電波受信による校正を行えなかった場合は消える)。
任意の時間で進めたり遅れさせたりすることができない。自分で時刻を設定したい場合でも電波の受信によって再設定されるため、状況によって時計に表示させる時刻を変えることができない(但し、これはメーカーが機能設定していないだけであり、本質的な課題ではない)。また、近隣の国に国内用の電波時計を持っていった場合、現地の標準時に時刻を合わせても、時計が元の国の送信局の信号を拾って元の標準時に修正してしまう可能性もある。
しかし現在では電波の受信を止めることができる電波時計や、電波で受信した時刻を基に表示時刻をずらして使用可能な機能がついている時計もあり、この問題は回避可能な場合もある。
JJY電波の送出設備側要因によるサービス不能がある。メンテナンス(通常メンテナンスは事前に予告される)および機器故障や落雷事故等による停波など。日本標準時グループのサイトにはこれらの情報が公開されている。
時間帯による電波の伝搬特性から、受信側が的確に同期できない場合があり、1分または2分遅れた表示に校正してしまうことがある。また、電波障害などにより全くでたらめの日時に校正してしまう場合もある(受信側装置の要因による性能差もある)。この場合でも、正常に受信できた旨のインジケーターが表示されるため、表示時刻に注意しなければならない。ただし通常の時計としての一般的な使用状況では無視出来る程度の誤差である。これらは一時的なものであり、電波受信により正常な時刻に校正し直されることが多い。
磁気の影響による基準位置のズレ
アナログクオーツ電波時計、コンビネーションクオーツ電波時計は、テレビや携帯電話など磁気の影響で秒針、分針、時針が誤作動する可能性がある。これは、上記の時計の針が、磁石の性質を利用したモーターを利用しているため、外部から強い磁気を受けるとモーターの回転に異常をきたして、時計の基準位置がずれるためである。このため、電波時計が電波を正常に受信していても正確な時間を指さない場合がある。なお、基準位置の修正は、手作業で行う以外にない。 ⇒http://www.jcwa.or.jp/knowledge/qa/qa20.html
セイコーの「針位置自動修整機能」やシチズンの「JIS1種耐磁時計」は、磁気の影響を減じるものではあるが完全に影響を排除することはできない。 ⇒http://www.seiko-watch.co.jp/support/function/gauss/gauss03.html
時刻合わせの手間がかからないという利点を生かし、メンテナンスしにくい場所に設置される事が多い掛時計や、据え置き型の目覚まし時計のような製品が多数のメーカーより販売されている。デジタル表示、アナログ表示、いずれの製品もあるが、アナログ表示の方が若干高価な傾向にある(内部計時と針位置の同期を計る必要があり、構造が複雑)。標準電波に含まれる日付情報を表示するカレンダー機能を持つものや、アナログ表示でも内部では午前と午後を認識して昼間のみ時報を鳴らす製品などもある。
最近は複数の国の電波に対応している機種や、腕時計型の機種も製品化されているが、受信装置の小型化・低価格化が充分に進んでおらず、特に腕時計は高価になりがちである。女性用の製品では、クォーツ時計並みの小型でファッション性の高い、特にブレスウォッチと呼べるようなデザインの製品は発売されていない。
カシオ製
男性用電波時計は、カジュアルウォッチのG-SHOCKに電波受信機能を持たせた「TheG」シリーズや、ミドル層をターゲットにしたOCEANUS(オシアナス)を展開後、順調に推移しており、現在では国内の電波腕時計のシェアの6割に迫る勢いである。女性用電波時計は、Baby-Gの他に大人の女性をターゲットにしたG-msシリーズやLILANA(リラーナ)を展開、サイズもデザインもクオーツ製品並みになってきており、低価格化を積極的に進めている為、ある程度の国内シェアは獲得している模様。アナログ表示ではウェーブセプターシリーズ。
シチズン時計製
男性用電波時計は、高級ラインのエクシードから、廉価版のフォルマまで幅広い価格帯のモデルを展開しているが、比較的高価のクロノグラフ機能搭載モデルやディスク式の曜日・日付表機能を搭載したモデルを中心に売り上げを伸ばしている。