電子投票
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電子投票(でんしとうひょう)とは、票を入れる行為を電子化した投票(方式)のこと、あるいはそのような投票を行うことをいう。投票所における投票で電子機器を用いて行う投票のほか、インターネットなどのネットワークを介しての投票などが含まれる。
目次

1 概説

2 利点と欠点

2.1 利点

2.2 欠点


3 安全性

3.1 安全性の定義

3.2 安全な方式

3.3 安全でない方式の特徴

3.4 安全性の限界


4 方式の詳細

4.1 ミックスネット

4.2 準同型暗号を用いた方式

4.3 物理的な投票との安全性比較


5 日本の公職選挙における電子投票に関する経緯

6 関連項目

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概説

電子投票として理解される投票方法は広く、いくつかの種類に分類することが可能である。これには、
投票所でマークシートやパンチカードを用いて投票する方法(集計における電子投票)

投票所で電子機器の「タッチパネル」や「押しボタン」を押して投票する方法(投票行為に関する電子投票)

インターネットを用いて遠隔地から投票する方法(ネットワークを利用する電子投票)

などがある。

また、投票がなされる対象に着目して、公職に関わる選挙株主総会など法律に沿った決議、私的団体における内部規律方法としての決議、その他のアンケートなど、の別が可能である。それぞれ、記名投票であるかどうか、投票者が限定されているかどうか、などに違いが見られる。

現在、日本の公職選挙で用いられることがある電子投票は、上記の投票行為における電子投票だけであり、条例を定めた地方選挙において採用されている例がある。これを規律する関連法規は、いわゆる電子投票法(地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律)である。

日本における株主総会における議決権の行使については、2002年の商法改正により、インターネットを利用した投票が可能となっている。

以下では、公職選挙での、投票行為に関する電子投票について説明する。


利点と欠点

安全性以外の利点と欠点とを述べる。安全性については後述の「物理的な投票との安全性比較」を参照。


利点

開票が迅速化し、選挙結果を迅速かつ正確に知ることができる

投票用紙など、紙資源の消費を減らせる


欠点

レンタル費用、導入コストなどが紙の投票に比べ高額

機器の安定性に不安がある。

多数の候補者がいる場合、一画面に表示できず、有利、不利が生じる。


安全性

ここでは暗号理論における安全性について書く。


安全性の定義

2つの要件満たす事が数学的に保証されているとき、電子投票方式は安全であるという:
(Anonymity) どの投票者が誰に投票したのかは誰にも分からない。

(Public Verifiability) 投票結果が正しく集計された事が、集計後いつでも誰でも確認できる。

さらに加えて次の性質が要求される事もある:
(Reciept Freeness) 自分がどの候補に投票したのかを投票後他人に証明する事はできない。

投票者が棄権したのかそれとも投票したのかは投票者当人以外には誰にも分からない。

Reciept Freenessから、他人が自分の投票内容を強制する事はできない、という性質が従う(たとえ強制したとしても、本当に強制された通りに投票したのかを確認する方法がないため)。ただし投票時に監視すれば投票内容を強制する事ができる。

「電子投票では棄権したのかどうかを隠す事はできない」、「電子投票では不在者投票が難しい」と解説したものがあるがこれは誤りである。すでにそのような方法は複数提案されている。


安全な方式

2006年現在、安全性が数学的に証明されている方式は以下の2種類の方式とその亜種しかない。
ミックスネット方式

準同型暗号を用いた方式

(ブラインド署名を用いても電子投票を実現できるが、この方式の場合匿名通信路を使って通信を行わなければ安全ではない。 また投票者全員でマルチパーティ計算を行う事でも原理的には電子投票を実現できるが、この方式は投票者の人数が多い場合には非現実的な計算を必要とする上、そもそも投票者全員で通信するのは現実的ではないのでここでは省略する。)

他の多くの方式は、一見安全そうに見えても、数学的に安全性が保証されているわけではない。 現在各地で行われている電子投票方式はミックスネット方式でも準同型暗号を用いた方式でもなく、数学的安全性が保証されていない。


安全でない方式の特徴

上述の2つ以外の方式では、次のような安全性上の問題があるものが多い:
一人の権限者を絶対的に信頼している。権限者が不正をしたり権限者のマシンがウィルスに侵されたりした場合には安全でなくなる。

結託耐性がない。すなわち、複数人の権限者を仮定しているものの、権限者達のうち数人が結託した場合には安全でなくなる。

プログラムの詳細を秘匿する事で初めて安全性が保証される。プログラムの仕様が漏洩した場合には安全ではなくなる。(つまりKerkhoffの原則を満足していない。「仕様が公開されていても安全であるべし」という、近代的セキュリティ研究の最低限の要件を満たしていない。)逆コンパイルされる事を考慮していない。

中のデータを読む事ができない特殊な装置(耐タンパー装置)の存在を仮定して、初めて安全性が保証される。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki