雹(ひょう)とは、積乱雲から降る直径5mm以上の氷の粒のこと。直径5mm未満のものは霰と呼ばれ区別される。
目次
1 概要
2 名称
3 雹による被害
4 天気記号
5 脚注
6 関連項目
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概要雹の断面写真、246倍激しい降雹記録的な量の雹が降り積もり、車が埋まったコロンビアの首都ボゴタ。2007年11月3日。
雹は激しい上昇気流を持つ積乱雲内で生成する。そのため雷とともに起こることが多い。
雹は空中で、落下して表面が融解し、再び上昇気流で雲の上部に吹き上げられて融解した表面が凍結することを繰り返す。その過程で、外側に他の氷晶が付着したり、過冷却の水滴が付着し凍結したりして、だんだんと氷粒が成長していく。そのため、大きな雹を割って内部をみると、融解後に凍結した透明な層と、付着した氷晶の不透明な層が交互にある同心円状の層状構造をしていることが多い。成因は氷あられと全く同じであり、氷あられが成長して雹になる。
雹は成長するにつれてその重さを増していく。その重さを気流が支えきれなくなったり、上昇気流が弱まったり、強い下降気流が発生したりしたときに、地上に落下する。
雹は積乱雲の発生が多い夏季に多いが、地表付近の気温が高いと完全に融解して大粒の雨になってしまうので、盛夏にあたる8月前後よりも初夏の5月〜6月に起こりやすい。また日本海側では冬季にも季節風の吹き出しに伴って積乱雲が発生するので降雹がある。
雹が落下するときには、小さいものでもパタパタ、パラパラという音を立てる。大量に降った場合、雨の音と混じるなどして非常に大きな音を出し、周囲の音が聞こえないくらいの騒音となることもある。
雹の大きさは数mmのものが多いが、時に数cmにも成長し、ゴルフボール大となることもある。記録が残っている中で世界最大の雹は、1917年(大正6年)6月29日に埼玉県熊谷市に降ったカボチャ大の雹で、直径七寸八分(29.6cm)、重さ九百匁(3.4kg)であった[1] 。
また、「雹」の字音はハク(漢音)・ホク(呉音)で、「ヒョウ」の字音はない。これは「包」の呉音「ヒョウ」につられたものとする説や、古字書の「観智院本名義抄」に「ハウ」と記されたものが変化したものとする説、「氷雨」(ひょうう)が変化したものとする説、「氷」の字音「ヒョウ」からとする説などがある。
小さな雹が大量に降った場合、積雪のように堆積してビニールハウスなどを破損させたり、植物の葉を落としたりする。
ただ、雹は固く、落下速度も速いため、大きなものは単独でも被害を出す。車のボンネットや窓ガラスを破損させたり、農作物に大きな被害を与えたりする。人間や動物に当たると怪我をしたり、頭部に直撃した場合には脳震盪を起こすこともある。
英語圏などでは激しい降雹を"hail storm(雹嵐)"と呼ぶ。
過去の雹による大きな被害として主なものは次のとおり。
1917年6月29日、埼玉県の熊谷市郊外で直径29.6cm、重さ3.4kg(七寸八分、九百匁。約37.9cmが基準の鯨尺で計測)の雹が降り、負傷者や家屋倒壊などの被害が出た[2][3]。同日午後4時頃から5時半頃にかけて、群馬県新田郡、山田郡、邑楽郡にも、雷雨とともに、降雹があった。大きなものは 鶏卵大の雹であり、邑楽郡における被害は小麦130町歩7分、桑130町歩8分、陸稲100町歩7分、大豆90町歩 、小豆30町歩全滅で あった[4]。
1933年6月14日、兵庫県の中央部で暴風をともなった直径4〜5cmの雹が降り、死者10人、負傷者164人、家屋の全半壊198棟という被害が出た。
2000年5月24日、千葉県北西部・茨城県南部の広い地域で暴風をともなった直径3〜6cmの雹が降り、負傷者は162人、家屋の被害は約38000軒にものぼった。
国際式天気記号
0X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
X0X1X2X3X4X5X6X7X8X9
表・話・編・歴
国際式天気図の天気記号では、
27.前1時間内にひょう、雪あられ、氷あられ(雨を伴ってもよい)
89.雨かみぞれを伴う弱いひょう(雷鳴なし)
90.雨かみぞれを伴う強いひょう(雷鳴なし)
93.観測時に弱い雪、みぞれ、雪あられ、氷あられ、ひょう(前1時間に雷電があったが観測時にない)
94.観測時に並または強い雪、みぞれ、雪あられ、氷あられ、ひょう(前1時間に雷電があったが観測時にない)
96.弱または並の雷電で、観測時にひょう、氷あられ、雪あられを伴う
99.強い雷電で、観測時にひょう、氷あられ、雪あられを伴う
の7種類が凍雨を表す。ひょうの天気記号(日本式)
日本式天気図の天気記号では、ひょうを表す記号がある。ただし、雷を伴う場合は優先順位によりこれと異なる表示になることがある。