雑穀(ざっこく、millet)とは、小規模に作付けされ、世界中で食糧や飼料として広く栽培されている穀物種の総称である。生物学的分類ではなく、どちらかというと作物栽培の上での分類である。それらの本質的な類似点は、生産性が低い環境に育つ小規模に作付けされた草本ということである。中国の新石器時代や韓国の無文土器時代など、原始的な社会の食生活においては、米よりもむしろ雑穀が重要部分を構成していた。
目次
1 雑穀の種類
2 生産の歴史
3 現代における雑穀の利用
4 栄養
5 調理
6 参考文献
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雑穀は、複数の属の種からなり、大部分はイネ科の草本のキビ亜科である。世界の生産高の順で栽培面積が上位なのは、
トウジンビエ(Pennisetum glaucum)
アワ(Setaria italica)
キビ(Panicum miliaceum)
シコクビエ(Eleusine coracana)
それより少ない雑穀は次のものを含む
ヒエ(Echinochloa spp.)
スズメノコビエ(Paspalum scrobiculatum)
スマトラキビ(Panicum sumatrense)
ブラキアリア・デフレクサ (Brachiaria deflexa = Urochloa deflexa)
ケニクキビ(Urochloa ramosa = Brachiaria ramosa = Panicum ramosum)
テフ(Eragrostis tef)及びフォニオはしばしば雑穀と呼ばれる。モロコシ属やハトムギを雑穀と呼ぶことはより稀である。
植物考古学者と呼ばれる専門的な考古学者は、遺跡から見つかった炭化した穀物の相対的な豊富さなどのデータによって、雑穀栽培は原始時代、特に中国北部と朝鮮半島ではコメよりも広く普及していたという仮説を立てている。 キビとアワは、中国の新石器時代初期には重要な作物であった。例えば、中国における雑穀栽培の最古の痕跡は磁山(北部)と河姆渡(南部)において発見されている。 磁山時代は紀元前7000年から5000年と推測され、竪穴式住居、貯蔵用の穴、土器、農耕に用いられたと考えられる石器および炭化したアワを含んでいる。4000年前の、アワとキビから作られた麺が入っている保存状態の良好なボウルが、中国の喇家遺跡で見つかった。
植物考古学者は、朝鮮半島において、中期櫛文土器時代(紀元前3500から2000年頃)と推定される雑穀農耕の痕跡を発見している(Crawford 1992; Crawford and Lee 2003)。 雑穀は、無文土器時代(紀元前1500から300年頃)の集約的で複合的な農業においても引き続き重要な要素であった。 キビやヒエなどの雑穀及びその原種は日本でも紀元前4000年以降の縄文時代に栽培されていた(Crawford 1983, 1992)。 デンマークのユトランド半島で見つかったHaraldskar Womanの分析に基づくと、少なくとも鉄器時代にはヨーロッパ北部でも雑穀が利用されていたようである。
雑穀に関する主要な研究は国際半乾燥熱帯作物研究所 および米国農務省農業研究局によって行われている。
雑穀は、世界中の乾燥地及び半乾燥地における主要な食物資源である。西インドでは、その地域の主食である平らなパン(「ロティ」と呼ばれる)を作るために、何百年間もの間、よく雑穀の粉(グジャラート語とマラッタ語で「バジャン」)をジョワル(ソルガムをマラッタ語でジュワンと呼ぶ)と一緒に用いてきた。 例えば蘭嶼のタオ族や東アフリカの様々な民族などいくつかの文化において雑穀は、ソルガムと共に伝統的に雑穀酒を醸造するのに重要な作物であった。
雑穀は、バルカン半島の国々においてボザという発酵性の飲み物を作るのに使われれている。
雑穀粥は伝統的なロシア料理である。甘くして食されたり(調理過程の最後に牛乳と砂糖を加える)、塩味にして肉や野菜のシチューと共に食べられたりする。
セリアック病の患者は、その食生活において、朝食シリアルを含む様々な形態である種の穀物を雑穀利用で置き換えることがある。 雑穀はソバ、コメ、キヌアの代替としてもレシピの中でしばしば用いられる。
雑穀の穂は、簡単に食べられて簡単に外れるので、神経質なペットの鳥のヘルシーな餌としてもしばしば推奨される。
雑穀のタンパク質含有はコムギと非常に似ている。どちらも重量の約11%のタンパク質を含有している。
雑穀はビタミンB群、特にナイアシン、B17、B6や、葉酸、カルシウム、鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛が豊富である。雑穀はグルテンを含まないため、酵母で膨らませるパンには向かない。しかしコムギやキサンタンガムと混ぜれば(セリアック病の患者のために)、酵母で膨らませるパンに使うことができる。平らなパンに向いている。
どの雑穀も麦と近縁種ではないので、セリアック病や他の小麦に対するアレルギーや過敏症のある人に適する食べ物となっている。しかし、甲状腺ペロキシダーゼを抑制するので、甲状腺の病気がある人は大量に接種するべきではないだろう。
基本的な準備は、雑穀を洗って、特徴的な匂いがするまで動かしながらから煎りすることである。そして2カップの雑穀に対して砂糖か塩と共に5カップの湯を加え、ふたをして弱火で30-35分間煮ると粥が出来る。