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陰陽(いんよう)とは、古代中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する範疇。陰と陽とは互いに対立する属性をもった二つのであり、万物の生成消滅といった変化はこの二気によって起こるとされる。

このような陰陽にもとづいた思想や学説を陰陽思想・陰陽論・陰陽説などといい、五行思想とともに陰陽五行説を構成した。
目次

1 概要

2 特徴

3 展開

3.1 易経における陰陽


4 天地人

5 陰陽表

6 関連項目

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概要

宇宙の最初は混沌(カオス)の状態であると考え、この混沌の中から光に満ちた明るい澄んだ気、すなわち陽の気が上昇して天となり、重く濁った暗黒の気、すなわち陰の気が下降して地となった。この二気の働きによって万物の事象を理解し、また将来までも予測しようというのが陰陽思想である。

受動的な性質を「陰」、能動的な性質を「陽」に分類する。具体的には、影・暗・柔・水・冬・夜・植物・女などが「陰」であり、光・明・剛・火・夏・昼・動物・男などが「陽」である。これらは相反しつつも、一方がなければもう一方も存在し得ない。森羅万象、宇宙のありとあらゆる物は、相反する陰と陽の二気によって消長盛衰し、陰と陽の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれる。

重要な事は、陰陽二元論が善悪二元論とは異なると言う事である。 陽は善ではなく、陰は悪ではない。あくまでこの世界を構成する要素に過ぎず、両要素は対等、同等である。

戦国時代末期に五行思想と一体で扱われるようになり、陰陽五行説となった。


特徴
陰陽互根
陰があれば陽があり、陽があれば陰があるように、互いが存在することで己が成り立つ考え方。
陰陽制約
提携律ともいい、陰陽が互いにバランスをとるよう作用する。陰虚すれば陽虚し、陽虚すれば陰虚する。陰実すれば陽実し、陽実すれば陰実する。
陰陽消長
拮抗律ともいい、リズム変化である。陰陽の量的な変化である。陰虚すれば陽実し、陽虚すれば陰実する。陰実すれば陽虚し、陽実すれば陰虚する。
陰陽転化
循環律ともいい、陰陽の質的な変化である。陰極まれば陽極まり、陽極まれば陰極まる。
陰陽可分
交錯律ともいい、陰陽それぞれの中に様々な段階の陰陽がある。陰中の陽、陰中の陰、陽中の陰、陽中の陽。


展開

陰と陽とはもともと天候と関係する言葉であり、陰は曇りや日影、陽は日差しや日向の意味として『詩経』などの古書に表れる。『春秋左氏伝』昭公元年に天の六気として陰・陽・風・雨・晦・明とあり、ここで陰陽は寒暑の要因と考えられ、また昭公四年には陰・陽・風・雨が季節を特徴づける気候の要因として扱われている。さらに『管子』幼官では明確に春の燥気・夏の陽気・秋の湿気・冬の陰気として寒暑の原因とされるとともに四季(四時)の気候が変化する要因として扱われている。これがやがて四時の気を統轄する上位概念となり、さらには万物の生成消滅といった変化全般をつかさどる概念、万物の性質を二元に分類する概念へと昇華されたと考えられる。


易経における陰陽

『易経』のは6本のと呼ばれる棒によって構成されている記号であるが、爻には「─」と「--」の2種類あり、易伝によりそれぞれの属性は陽・陰に当てられ、陽爻と陰爻を3つ重ねた八卦、八卦を2つ重ねた六十四卦は森羅万象を表象すると考えられた。これにもとづき漢代では卦の象徴や爻の陰陽にもとづいて解釈する易学がなされた。また繋辞上伝には「太極→両儀→四象八卦」という生成論が唱えられているが、両儀は天地あるいは陰陽、四象は四時、八卦は万物と解されている。太極図

宋易(宋代に興った易学)では図書先天の学と呼ばれる図像を用いた象数易が行われたが、これらの易図では陽は白、陰は黒で描かれた。南宋朱熹先天図にもとづき「太極→両儀→四象→八卦」の両儀を明確に陰陽と位置づけ、さらに四象を爻を2つ重ねたものとして太陽(老陽)・少陰・少陽・太陰(老陰)と名づけた。

なおUnicodeにおいて陰陽を表す記号には陰陽魚の太極図(?)が当てられており、そのコードはU+262f、☯である。また陽爻(?)はU+268A、⚊、陰爻(?)はU+268B、⚋である。


天地人

三才の思想である。


陰陽表

 陰陽
基本的特性遠心力求心力
傾向膨張収縮
機能拡散、分散、分解、分離融合、同化、集合、編成
動き不活発、緩慢活発、敏速
振動短波、高周波長波、低周波
方向上昇、垂直下降、水平
位置外部、周辺内部、中心
重量軽い重い
光度暗い(暗光、月光)明るい(明光、日光)
湿度湿潤乾燥
密度希薄緻密
外形大きい小さい
形状膨張性、もろい収縮性、丈夫
形長い短い
感触柔らかい硬い
素粒子電子陽子
元素窒素、酸素、燐、

カルシウムなど水素、炭素、ナトリウム

砒素、マグネシウムなど
環境波動 ― 空気 ―  ― 水 ― 土
気候風土寒冷な気候熱帯性気候
生物特性植物的動物的
性別女性男性
呼吸吸気呼気
器官構造中空である

膨張性中身がつまっている

凝縮性
神経末梢神経

交感神経中枢神経

副交感神経
補瀉補瀉
態度、感性穏やか、消極的、防御的活発、積極的、攻撃的
仕事心理的、精神的肉体的、社会的
意識普遍的専門的
精神の働き未来と取り組む過去と取り組む
文化精神的物質的
次元空間時間
内外内側外側
武術柔剛
精神世界鬼、魔王、悪魔仏、神、天使
戦闘防御攻撃
向き下、後、左上、前、右
夫婦妻夫
親母父
兄弟弟兄
姉妹妹姉
姉弟姉弟
兄妹妹兄
母子母息子
父娘娘父
父子息子父
母娘娘母
叔父(伯父)と姪姪叔父(伯父)
叔母(伯母)と甥叔母(伯母)甥
叔父(伯父)と叔母(伯母)叔母(伯母)叔父(伯父)
祖父母祖母祖父
祖父と孫娘孫娘祖父
祖母と孫息子祖母孫息子
祖父と孫息子孫息子祖父
祖母と孫娘孫娘祖母
曾祖父母曾祖母曾祖父
従兄弟従弟従兄
従姉妹従妹従姉
従姉弟従姉従弟
従兄妹従妹従兄
表裏裏表
天体太陰(月)太陽(日)
天気雨晴
昼夜夜昼
天地地天
温度冷熱
数偶数奇数
商売損失利益
状況静動
敵味方敵味方
天運先天運後天運
人間精神肉体
数学−(負)+(正)
春秋秋春
夏冬冬夏
東西西東
南北北南
背腹背腹
感情的抑制興奮
内臓五臓(六臓)五腑(六腑)
人体組織筋肉皮膚
部分下部上部


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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