酸化鉄
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酸化鉄色素

酸化鉄(さんかてつ)は酸化物の総称。酸化数に応じて酸化鉄(II) (FeO) や酸化鉄(III) (Fe2O3) など組成が異なるものが知られる。いずれも鉄の酸化物であり、を構成する成分である。

酸化鉄は自然界では鉱物として見いだされ、代表的なものは赤鉄鉱(ヘマタイト)、赤褐鉄鉱(リモナイト)、磁鉄鉱(マグネタイト)[1] ウスタイト、磁赤鉄鉱(マグヘマイト)[2]である。
目次

1 種類

1.1 酸化物

1.2 オキシ水酸化物

1.3 水酸化物

1.4 鉄銹


2 用途

3 性質

4 註・出典

5 外部リンク

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種類

金属鉄が酸素によって酸化された際に生じる酸化鉄(さんかてつ、iron oxide)、水酸化鉄およびオキシ水酸化鉄は合わせて16種類が知られている[3]。普通の条件では、条件により偏りはあるにしろ、金属鉄が酸化されてこれらの化合物の不定比の混合物を与える。また準安定状態であるものも多く、加熱等の繰り返しにより鉄の酸化物の組成は変化してゆくことが多い。

(各化合物鉱物の詳細は各語のリンク先も参照のこと)


酸化物凡例 組成式 ? 化合物名(鉱物名)

FeO ? 酸化鉄(II), (ウスタイト)

Fe3O4 ? 酸化鉄(II,III)、(磁鉄鉱)

Fe2O3 ? 酸化鉄(III)

α-Fe2O3 ? α-酸化鉄(III) 、(赤鉄鉱ヘマタイト

β-Fe2O3 ? β-酸化鉄(III)

γ-Fe2O3 ? γ-酸化鉄(III) 、(磁赤鉄鉱、マグヘマタイト)

ε-Fe2O3 ? ε-酸化鉄(III)


オキシ水酸化物

α-FeOOH ? α-オキシ水酸化鉄、(針鉄鉱、 ⇒goethite

β-FeOOH ? β-オキシ水酸化鉄、(アカゲネイト、 ⇒akaganeite

γ-FeOOH ? γ-オキシ水酸化鉄、(鱗鉄鉱、 ⇒lepidocrocite

δ-FeOOH ? δ-オキシ水酸化鉄、(フェロオキシハイト、 ⇒feroxyhyte

Fe5HO8・4H2O approx.、(フェリヒドライト、 ⇒ferrihydrite )

高圧FeOOH

(シュバルトマンナイト、 ⇒schwertmannite

FeIIIxFeIIy(OH)3x+2y-z(A-)z[4](緑錆)


水酸化物

Fe(OH)2 ? 水酸化鉄(II)

Fe(OH)3 ? 水酸化鉄(III) 、(パーナライト、bernalite)


鉄銹

金属は酸化還元電位がプロトンより正であるため、酸性水溶液中では酸化されて金属鉄からFe2+イオンが溶けだすが、それが酸素により酸化されることで様々な種類の鉄の酸化物を生成し、それらは鉄銹として知られている。 水溶液中ではpHに依存してFe(OH)2(緑色)からα-、β-、γ-、δ-オキシ水酸化鉄(褐色)から酸化鉄(II,III)まで様々な組成の酸化物が生成する[5]

鉄表面の不動態皮膜もこれらのオキシ水酸化鉄や酸化鉄(II,III)により構成されると考えられているが、赤熱した鉄に水蒸気を反応させる焼き止め処理により生成する黒銹では、酸化皮膜は酸化鉄(II,III)や酸化鉄(II)などにより強固な酸化被膜が形成される。


用途

いくつかの酸化物は陶器やセラミック用素材として広く利用される、場合によってはや釉薬にも使用される。多くの金属酸化物と同様、高温で焼結させることで釉薬を発色させる。

酸化鉄は色素としても利用されている。天然の酸化鉄の色素は黄土(オーカー、 ⇒Ochre)と呼ばれ、生や焼いたシェンナアンバーのような多くの古典的な塗料が酸化鉄の色素である。このような色素はラスコー洞窟の壁画など早期先史時代の芸術に使われて以来、利用され続けていて、酸化鉄(III)が主成分である。

鉄色素は化粧品の分野にも広く利用されており、非毒性で耐湿性を持ち退色しない色素であると理解されている。化粧品に使用される等級の酸化鉄色素は原料の酸化鉄(II)、酸化鉄(III)の原末を含まないように合成的に製造される。そして酸化鉄色素には天然由来の不純物か含まれることは普通のことである。通常、酸化鉄(II)系の色素は黒色で、酸化鉄(III)系の色素は赤色ないしは錆色である(酸化物以外の鉄の化合物はほかの色を示す)。

(黒色酸化物と呼ばれる)マグネタイトは鉄製工具の被覆(焼き止め)に利用される[6]。この処理により金属腐食が防止され、感じの良い外見が与えられる。 ⇒MIO (micaceous iron oxide) と呼ばれる等級のヘマタイトは(多くの橋やエッフェル塔など)防錆塗料に利用される。

酸化鉄は核磁気共鳴画像法のコントラスト造影剤としても利用され、プロトンの緩和時間( ⇒w:en:Relaxation (NMR);T1, T2 そして T2*)を短縮化させる。超常磁性コントラスト造影剤は、マグネタイト (Fe3O4)ないしはマグヘマタイト(γ-Fe2O3)の、水に不要な結晶性の磁性体核から構成され、磁性体核の直径は4から10ナノメートルである。この結晶核はデキストランや澱粉の誘導体で覆われていることが多く、それも含めて粒子サイズは水和した粒子の直径を超える。USPIO(Ultrasmall Superparamagnetic Iron Oxide)ナノ粒子の場合は、核はひとつずつ内包され、水和した粒子の直径は50ナノメートル以下である。


性質

酸化鉄(II)(FeO)は酸化第一鉄とも呼ばれIUPAC命名法では酸化鉄。鉱物のウスタイトとして知られる、結晶格子にFeの欠損を含み多くの場合では精密な組成は高々F0.95O程度である。粉末状の黒色酸化物でシュウ酸鉄(II)を真空中で加熱した活性度の高い製品は容易に発火する[7]ので爆発に注意すべきである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki