酢酸 酢酸(さくさん、旧字醋酸、acetic acid)は脂肪酸の一種で、簡単なカルボン酸のひとつである。IUPAC命名法では酢酸は許容慣用名であるが、系統名はエタン酸である。 純粋な酢酸は融点約 17 °Cと室温よりやや低い程度であり、水分が少ないものは冬に凍ってしまうことから氷酢酸 (glacial acetic acid) と呼ばれる。 遊離酸・塩・エステルの形で植物界に広く分布する。酸敗したミルク・チーズのなかにも存在する。 酢の歴史は文明と同程度に古く、酢酸産生菌はいたるところに存在する。そして、ビールやワインなど酒を醸造する文明は、アルコール飲料を大気にさらすと、自然な帰結により酢を発見することになる。 古代において、酢酸は化学的な面において使用されるようになる。ギリシヤの哲学者テオファントス
一般情報
IUPAC名酢酸(許容慣用名)
エタン酸(系統名)
別名
分子式C2H4O2 または CH3COOH
分子量60.05 g/mol
組成式
式量g/mol
形状無色液体
CAS登録番号64-19-7
SMILESCC(=O)O
性質
密度と相1.049 g/cm3, 液体
相対蒸気密度2.1 (空気 = 1)
水への溶解度自由に混和
{{{溶媒2}}}への溶解度
{{{溶媒3}}}への溶解度
融点16.7 °C
沸点118 °C
昇華点°C
pKa4.76
pKb
比旋光度 [α]D
比旋光度 [α]D
粘度
屈折率1.3715
出典 ⇒ICSC
目次
1 歴史
2 化学的性質
3 生化学
4 製造
4.1 メタノールのカルボニル化
4.2 アセトアルデヒドの酸化
4.3 エチレンの酸化
4.4 発酵
4.4.1 酸化的発酵
4.4.2 無気性発酵
5 用途
5.1 酢酸ビニルモノマー
5.2 無水酢酸
5.3 エステルの製造
5.4 酢
5.5 溶媒
5.6 その他
6 主な誘導体
7 参考文献
8 関連項目
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ルネサンス時代に錬金術師は金属酢酸塩を乾留して氷酢酸を製造した。16世紀のドイツの化学者アンドレウス・リバビリス (Andreas Libavius) は、氷酢酸の製法と、得られた氷酢酸と酢との物性の比較について著述している。酢のなかに水が存在するので、酢酸の物性は意味深いものとなり、氷酢酸と酢のなかの酸は別の物質であると明確に信じられていた。フランス人化学者のピエール・エディ (Pierre Adet) が両者が同一であると発見し、1847年にドイツ人化学者ヘルマン・コルベが最初に無機物から酢酸を合成した。
常温で無色液体、刺激臭、酸味がある。水、エタノール、エーテルとは任意の割合で混ざる。腐食性、可燃性がある。
水溶液中ではカルボキシル基からプロトンを失い、酢酸イオン (acetate ion) CH3COO− になることができる。酢酸の pKa は 25 °Cにおいて約 4.8 である。このことは pH 4.8 では酢酸分子の半分が解離することを意味する。
気体では酢酸は個々の分子の形態をとらず、相互に水素結合して対を成している(二量体)。それゆえ、酢酸の気体は理想気体の振る舞いから大きく乖離している。