違憲判決(いけんはんけつ)とは、憲法訴訟において、法令や行政措置が憲法に違反しているという裁判所による判決。日本国憲法では前文、第81条(違憲審査制)、第98条の規定による。
目次
1 効力
2 最高裁判所における違憲判決一覧
2.1 法令違憲
2.1.1 尊属殺人重罰規定
2.1.2 薬事法距離制限規定
2.1.3 衆議院議員定数配分規定
2.1.4 衆議院議員定数配分規定 その2
2.1.5 森林法共有林分割制限規定
2.1.6 郵便法免責規定
2.1.7 在外邦人の選挙権制限
2.1.8 非嫡出子の国籍取得制限
2.2 適用違憲
2.2.1 不当長期拘禁による自白
2.2.2 自白調書有罪認定違憲判決
2.2.3 講和条約発効後における占領法規違憲判決その1
2.2.4 講和条約発効後における占領法規違憲判決その2
2.2.5 強制調停違憲決定
2.2.6 第三者所有物没収事件
2.2.7 第三者追徴違憲判決
2.2.8 余罪量刑考慮違憲判決
2.2.9 偽計有罪自白認定違憲判決
2.2.10 高田事件
2.2.11 愛媛県靖国神社玉串訴訟
3 脚注
4 関連項目
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日本では特に、最高裁判所による判決をいう。ただし、下級裁判所も違憲審査権を行使することはできる。しかし、下級裁判所の違憲判決については必ず最高裁判所への上訴が認められる(民事訴訟法 ⇒第312条・ ⇒第327条・ ⇒第336条、刑事訴訟法第405条第1号・第433条など)ため、確定判決としての違憲判決は原則として最高裁判所が下すこととなる。仮に特定の案件に関して最高裁判所への上訴がなされずに確定したとしても、その憲法的論点については、その後、他の案件にて最高裁判所が審理した際に異なった判断がなされる可能性があることから(これはいわゆる判例変更にはあたらない)、終審裁判所としての最高裁判決が特に重みがあるとされる。
最高裁判所で違憲判決を出すには大法廷において最低9人が出席し、最低8人が違憲判決を支持することが必要である。
個別的効力説:その事件についてのみ法令を無効とする。
一般的効力説:一般的に法令を無効とする。
それぞれの詳細は、憲法の各条文または各事件を参照のこと。
法令違憲とは、法令の全部又は一部に対して違憲を宣告するもの。ただし、日本など付随的違憲審査制の場合、違憲判決は当該案件を解決するための限度において該当法令を無効とするものであり、法令違憲の違憲判決がすなわち当該法令の廃止等を意味するものではない。該当法令の修正には、国会等において法令を改正または廃止する必要がある。しかし、その法令を改廃しない限り、再び裁判所において審査がなされた場合同様の違憲無効判決が下されるであろうことが、立法府等に対する当該条項改廃への事実上の強制力となる。
詳細は尊属殺法定刑違憲事件を参照
尊属に対する殺人罪(尊属殺)を通常の殺人罪よりも重く罰していた刑法200条が、法の下の平等を定める憲法14条1項に違反すると判断された事件(最高裁判所1973年(昭和48年)4月4日判決[1])。
最高裁は、尊属殺は自然的情愛や普遍的倫理を破壊するもので、その背倫理性は特に重い非難に値するから、尊属殺を通常の殺人罪よりも重く処罰すること自体は許されるとして、刑法200条の立法目的自体は正当と認めた。しかし、刑法200条の法定刑が死刑及び無期懲役刑のみであり、普通殺人罪に関する同法199条の法定刑が、死刑、無期懲役刑のほか3年以上の有期懲役刑(当時)となっているのと比較して極めて重く、酌量減軽などの減軽を行っても執行猶予を付すことができないなど余りに厳しいことから、立法目的(尊属に対する敬愛や報恩という自然的情愛ないし普遍的倫理の維持尊重の観点)をもってしては、合理的根拠に基づく差別的取扱いとして正当化することはできないとして、従来の判例を変更して刑法200条を違憲とした。