用水路(ようすいろ)は、灌漑や水道、工業用などのために水を引く目的で造られた水路である。稲作などのかんがい農業に欠かせない農業用水路。田畑に水を引き込む際に使う水門も設けられている。また日本では田と一体で生態系も築かれている。(富山県南砺市、2005年 9月10日撮影。)
目次
1 概要
2 構造
2.1 日本の農業用水路
2.2 日本以外の農業用水路
2.3 工業用水路
2.4 給水網としての構成
3 歴史
3.1 水稲文化とともに伝えられた用水路
3.2 新田開発と用水路
3.3 工業開発と用水路
3.4 市街化と用水路
4 自然環境の中の用水路
5 日本の主な用水路
5.1 北海道・東北地方
5.2 関東地方
5.2.1 茨城県
5.2.2 栃木県
5.2.3 埼玉県
5.2.4 神奈川県
5.2.5 東京都
5.2.6 千葉県
5.3 中部地方
5.4 近畿地方
5.5 中国・四国地方
5.6 九州・沖縄地方
6 関連項目
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農業(灌漑)、工業、水道(飲料・生活・消防)、水車や発電機の動力など、主に人間の経済活動に用いるための水を用水(ようすい)と呼び、この用水を川などの水源から離れた場所に引くために人工的に造られた水路が用水路であるが、用水路の名称に「用水」が多く使われることもあり、日本語では「用水」「用水路」を厳密に区別せずに用いることが多い。
なお、専ら運送用に使われる水路は運河と呼ばれ、または専ら排水が目的の水路は放水路と呼ばれ、これらは通常は用水路に含まない。
ただし、かつては前述の目的で造られた用水路も、時代の流れに伴う流域住民の生活の変遷により、用途の変更や、役目を終えて埋められたものも存在する。また、用水路としての役目に代わって現在は流域住民の憩いの場として機能している場合もあり、水路の呼び名は個別の事情や歴史的経緯に依るところが大きい。
また、コンクリートの実用化や土木技術の進展により、堤防や堰、ダムの建設が相次ぐとともに、既存の用水路もコンクリート護岸化が進められるなど、治水と利水を兼ねた各種の改修が進められる。
田へ水を入れている様子。用水路と田の間には樋が設けられている(写真では畦の下に埋め込まれている)。樋に水を送り込むため、堰板を入れて用水路の水位を上げている。これにより特段の動力を用いることなく田への導水ができる。
一般に、水田と用水路の間には樋(とい)が渡してあり、水田と用水路がつながっている。また用水路は水田とほぼ同じ高さで設けられる。 用水路から離れた場所にある田については、用水路との間をつなぐ溝が掘られており、これが用水路兼排水路として使われる。
引水時は、用水路に堰板を入れるなどして水位を上げ、樋を開けて自然流入により田へ水を流し込む。 その後は堰板を樋に入れ、田と水路を分断する。 排水時にはまた樋を開け、高低差により排出する。 これにより、別段の動力を用いることなく給排水が可能になっており、起伏に富んだ日本の地形を活かした仕組みになっている。
近代以降改良された用水路では、堰板の代わりに水門が設けられている場合もあるが、取水・排水の仕組みは同様である。 また用水路との間に高低差がある場合や、地下水を用いる場合などで、水車やポンプなどを用いて水を汲み上げる場合もあり、この場合は自然流入ではなく動力が必要になる。