超新星(ちょうしんせい、supernova)は重い恒星がその一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象である。
目次
1 超新星の「発見」
2 概略
3 命名
4 分類
4.1 Ia型
4.2 Ib型, Ic型
4.3 II型
4.4 極超新星
5 主な超新星
6 周囲の星への影響
7 超新星残骸
7.1 主な超新星残骸
8 関連項目
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超新星そのものは、古くは2世紀に記録されており、ティコ・ブラーエやヨハネス・ケプラーも観測記録を残しているが(本稿末尾参照)、実態が知られるようになったのは19世紀後半になってからである。
「超新星」という名称は新星(ラテン語の nova の訳語)に由来するもので、新星とは、夜空に明るい星が突如輝き出し、まるで星が新しく生まれたように見えるもので(詳細は「新星」の項を参照)、ルネサンス期には既に認識されていたが、1885年、アンドロメダ銀河中に、本来の新星よりはるかに明るく輝く星が現われ、それまで知られていた新星とは異なった更に明るいものが存在する事がわかった。これにより「超」新星の存在が確認され、 super nova の語が生まれた。発する光は-13等級から-19等級増加し、この明るさは新星を格段に凌駕する。爆発によって星の本体は四散するが、爆発後に中心部に中性子星やブラックホールが残る場合もある。
初期の宇宙に存在した元素はほとんどが水素とヘリウムの同位体で、より重いとしてもリチウムとベリリウムの同位体だった。これらより重いホウ素、さらに重い炭素、窒素、酸素、珪素、鉄などの元素は恒星内部での核融合反応で生成し、超新星爆発により恒星間空間にばらまかれた。また、鉄より重い元素は超新星爆発時に生成したと考えられる。また、超新星爆発による衝撃波は星間物質の密度にゆらぎを生み出し、新たな星の誕生をうながしている。また炭素の同位体比から超新星爆発時に合成されたと考えられるダイヤモンドなどの粒子が隕石の中から発見されている。
系外銀河の観測により、一つの渦状銀河内での超新星の発生頻度は数10年に1回と考えられる。我々の銀河系も同様のはずであるが、1604年以降発見されていない。銀河中心核をはさんだ反対側に出現したり、地球近傍でも濃い星間雲に隠されたりして見えなかったためと考えられている。系外銀河に出現したものは遠すぎて通常は肉眼では見えないが、1987年、銀河系の伴銀河である大マゼラン銀河で超新星SN 1987Aが出現し、肉眼でも見える明るさになって、精密な観測がなされた。その際発生したニュートリノが日本のニュートリノ観測施設カミオカンデによって検出され、ニュートリノ天文学が進展することとなった。このカミオカンデにおける成果が認められ、小柴昌俊は2002年度、ノーベル物理学賞を受賞している。
超新星に彗星のような固有名称が与えられることは少ない。普通「SN 西暦年 番号」の形式で呼ばれる。西暦年は4桁で表し、番号はその年の1番目から順にA, B, C, ..., Y, Z, aa, ab ,... az, ba, bb,... のように振る。
たとえば SN 1994D(もしくは 超新星 1994D)といった場合、「1994年に発見された内で4番目の超新星」ということになる。
超新星は、そのスペクトルに水素の吸収線が見られないI型と、水素の吸収線が見られるII型とに分類される。III型、IV型、V型といった分類もかつては使われていたが、現在ではこれらはまとめてII型に分類される。円盤銀河NGC 4526で観測された超新星: SN 1994D(左下の光点)
I型の中でも珪素の吸収線が見られるものをIa型と呼ぶ。楕円状銀河・渦状銀河・不規則銀河といったあらゆる型の銀河に出現するが、後述のII型より少ない。連星系をなしている白色矮星が相手の恒星から降り積もったガスによりチャンドラセカール限界まで質量を増加させ、ついには、自らの重力による収縮を支えきれなくなる。この収縮によって、炭素と酸素からなる中心核で、炭素の核融合反応が暴走し、大爆発を起こす。Ia型超新星はピーク時の絶対等級がほぼ一定であることから、見かけ上の明るさを測定することで超新星爆発の起こった銀河までの距離を求めることができる。このように距離測定時の明るさの基準として使える天体を標準光源と呼ぶ。Ia型超新星は非常に明るいため、宇宙論的距離まで使える標準光源として有用であり、宇宙モデルの検証などでしばしば用いられる。