資本(しほん)には、次の3つの意味がある。
経済学における資本。
企業活動における資本。
会計における資本。
目次
1 近代経済学における資本
2 マルクス経済学
2.1 産業資本
2.2 商業資本
2.2.1 利子生み資本
3 法学における資本
3.1 広義
3.2 会社法における資本
3.2.1 資本充実の原則
3.2.2 資本不変の原則
3.2.3 資本確定の原則
4 会計上の資本
5 用語
6 関連項目
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近代経済学における資本
資本 (しほん, Capital) とは、生産活動を行う元手になるもののこと。
資本の蓄積によって、生産活動の拡大を図ることができる。 資本は多くの場合、次の3つに分けられる。
金融資本:お金や株式など
物的資本:土地や設備など
ヒューマンキャピタル(人的資本):教育程度や健康状態など
マルクス経済学では、資本を「自己増殖する価値の運動体」と定義しており、資本主義経済において資本が主体として再生産を繰り返すことで社会を維持、成長させている。(再生産表式を参照)マルクス経済学において資本は大きく分けて、産業資本と商業資本などの現実資本(機能資本)、利子生み資本と分類される。
産業資本は以下のような資本に姿態変換(変態)し、生産過程で剰余価値を生み出し、価値増殖をしていく資本である。製造業などがこれに当たる。(資本の循環を参照)
貨幣資本:貨幣の形態を持った資本である。
生産資本:生産手段(工場施設など)かもしくは労働力などの形態を持った資本である。この資本において生産手段と労働力の結合によって生産過程が生み出され、剰余価値が発生する。
商品資本:生産過程を経て生み出された商品の形態を持った資本である。
また生産過程において、価値が変るか、変らないかによって二種類に規定される。
第一に可変資本であり、これは労働力を購入するための資本である。
労働力は生産過程において、剰余価値を生み出すために、価値は可変であるとする。
第二に不変資本であり、これは工場、原材料費、機械などの生産手段を購入するための資本である。
これらのものの生産に投じられた労働は、生産過程に入るその時点ではすでに、終了しておりしたがって、「死んだ労働」であるので、新たな価値を生み出さない。したがって価値は不変とされる。
商業資本とは商品を生産過程で生み出すのではなく、産業資本が生産した商品資本の流通を媒介すること自体を商品とすることにより、利潤を得る資本である。小売業などがこれにあたる。
利子生み資本とは、資金そのものを資本家に貸し付けることにより、利子を介して利潤を得る形態の資本である。利子生み資本の例としては金融機関や投資ファンドなどがあげられる。利子生み資本は何ら商品(物財・サービス)を生産しない形態の資本であり、その存在は産業資本に依存したものである。
広義における資本(しほん)とは企業の有する純資産の意。 なお、上記の意味における資本を「自己資本」(または「株主資本」とも)、負債を「他人資本」、これら自己資本と他人資本の合計を「総資本」と称することもある。
会社法における資本とは、会社財産維持の基準となる一定の数額をいう。資本金、資本の額とも。転じて、何か事を行う場合の元手についても資本金といわれる
間接有限責任が採られる物的会社では、会社債務の引き当てとなるものが会社財産のみであることから、一定の財産が会社に現実に出資され、確保され、維持されることが必要である。この目的のために、規定されたのが「資本」という制度である。これに関連して、資本充実・維持の原則、資本不変の原則、資本確定の原則といった各種の法原則が認められている。
株式会社では、原則として発行済株式の発行価額の総額、有限会社では出資の総額が資本となる。
会社は資本に相当する現実の財産を保持すべきであるとする原則をいう。資本維持の原則とも同列視される。なお、狭義には、資本充実の原則は会社への払込の確保(現物出資時における検査役の選任等)を指し、資本維持の原則は会社財産の流出の制限(配当制限・自己株式取得の財源規制等)を指す。
資本額を厳格な資本減少手続によらずに減少させることを禁止する原則をいう。
会社の設立又は資本の増加につき、定款所定の資本額に相当する株式又は出資の引受けがなされ、そのことで資本拠出者が確定することを要求する原則のこと。