貸倒引当金
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貸倒引当金(かしだおれひきあてきん、英:Allowance For Bad Debt, Loan Loss Reserve)とは、金銭債権の貸倒見積高を計上することにより生じる引当金である。貸方に計上される勘定であるが、貸借対照表上は評価勘定として資産から控除される形で表示される。

なお、貸倒引当金とは、適正な資産評価および損益計算のために計上される抽象的な概念であり、リスクを定量的に表現したものにすぎない。そのため、貸倒引当金に相当する資金(現金)が現実に確保されるわけではない。
目次

1 概要

2 個別評価金銭債権と一括評価金銭債権

3 税務上の貸倒引当金と企業会計上の貸倒金に関する差異について

4 不良債権問題との関連

5 関連項目

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概要

貸付金や売掛金などの金銭債権は、計上額すべてを回収できるとは限らず、相手の返済不能等による信用リスクが発生する。これについて、企業会計原則の一般原則六では、予想される将来の危険に備えた会計処理、すなわち貸倒引当金の計上を認めており、金融商品に関する会計基準(以下、金融商品会計)や税法上も計上内容ごとに見積方法が定められている。


貸倒引当金の計上範囲は、原則として全ての金銭債権が対象となり、立替金なども計上が認められる。


貸倒引当金の会計処理としては、当期の見積額に応じて借方に貸倒引当金繰入(費用)を、貸方に同額の貸倒引当金(債権科目から控除)を計上する。前期からの繰越額の扱いについては、@洗替法(前期分を一度戻入処理し、当期分を計上する方法)とA差額補充法(前期分と当期分との差額のみ計上する方法)のいずれかの方法がある。


実際に貸倒れが生じた場合、当該金銭債権は当期資産の部から控除されるため、これに対応する貸倒引当金も取り崩しされる。このとき、貸倒引当金を超える貸倒れが発生した場合には、その超過分を当期の貸倒損失(費用)として計上する。


個別評価金銭債権と一括評価金銭債権

金融商品会計上は、金銭債権の見積方法により@一般債権(問題等の発生していない債権)、A貸倒懸念債権(重大な問題が発生もしくは発生する可能性が高い債権)、B破産更生債権(実際に破綻した債務者の債権)の3つに区分する。@は、現時点では貸倒の問題等は生じていないものの、過去の債権貸倒実績率等合理的な方法で計上することが認められている。Aは、個別に回収可能性を勘案し、貸倒見積高を計上する。Bは、回収見込高を差し引いた全額を貸倒見積高として個別に計上することとされている。


一方、税務上の区分は@が一括評価金銭債権、A、Bが個別評価金銭債権に対応するが、金融商品会計と税務上の定義について若干の相違があるため、例えば@一般債権(金融商品会計)と一括評価金銭債権は必ずしも一致しない(詳細については後述)。


税務上の貸倒引当金と企業会計上の貸倒金に関する差異について

 貸倒引当金の見積算定方法について、金融商品会計(企業会計上)と税務上で若干定義が異なるため、両者間には計上額の差異が発生し、税効果会計にも影響する。主な相違点としては、金融商品会計上の破産更生債権等と税務上の個別評価金銭債権の範囲(税務上は債権の評価減は原則として認めていないため、金融商品会計と比べて適用範囲が狭い)や一括評価金銭債権に関する貸倒実績率算定方法などがあり、金融商品会計上の貸倒引当金が税務上の算定額を上回れば、差分は算入限度超過額として、当期への損金算入が認められない。

 この金融商品会計と税務上との差分は、税効果会計上将来減算一時差異として当期に繰延税金資産に計上(借方)され、翌期以降の損金算入が認められる時点で取り崩しされることになる。


不良債権問題との関連

 俗にいう不良債権処理とは、貸倒引当金設定を指す場合が多い。実際に貸倒れが生じる前にあらかじめ費用を計上しておく(費用を先送りしない)こと、資産の過大計上を避けるという意味で、健全な会計処理と評される。ただし、過度な会計処理による貸倒引当金の計上は、企業の財政状態や経営成績の真実な報告をゆがめることにもつながるため、注意を要する。


関連項目

金融商品会計に関する会計基準

税効果会計

繰延税金資産
カテゴリ: 会計

更新日時:2007年8月26日(日)15:46
取得日時:2008/09/04 18:41


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki