貧困(ひんこん)は、主に経済的な理由によって生活が苦しくなり、必要最低限の暮らしもおぼつかない様子をいう。
目次
1 基準
1.1 絶対的な基準
1.2 相対的な基準
2 貧困の統計
2.1 貧困者数・貧困率
2.2 貧困ギャップ
2.3 統計に影響するもの
2.4 その他の統計
3 貧困の問題
3.1 病気・飢餓・短い寿命
3.2 低い教育水準
3.3 過酷な労働・児童労働
3.4 治安の悪化
3.5 テロの誘発
3.6 自然環境の破壊
4 原因と対策
4.1 社会保障
4.2 地理的条件
4.3 投資
4.4 教育
4.5 腐敗
4.6 市場競争・自由貿易
4.7 人口爆発
4.8 エンパワーメント
4.9 貧困の文化
5 関連項目
6 脚注
7 参考文献
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どのような基準によってある人物が貧困であるか否かを判断するかは、人によって様々である。絶対的な基準を定める場合もあれば、相対的な基準を用いる場合もある。基準の定め方により、貧困か否かやその程度が異なったものと評価される。
絶対的な基準として、当該国や地域で生活していくための必要最低限の収入が得られない者、とする例が挙げられる。必要最低限をどのように設定するかが大きな問題となり、国や地域、論者によって基準が大きく異なったものとなる。影響を与えるものとして、以下のようなものが挙げられる。
気候
一般に寒冷地であれば多くの光熱費や衣料費が必要になる。また、降水量などによって水の価格も異なったものとなる。
物価
物価によって、同じものを購入するために必要な収入が異なる。また、同じ国・地域でも都市部と農村部では物価が異なり、特に住居費などに差が生じる。
習慣・文化
どの程度までその国や地域の習慣・文化などを考慮するかは、人により大きな差となりやすい点である。例えば日本において最も安く生活に必要なカロリーを得るためには、米よりも小麦やいも類を食べるのが良いであろうし、もちろんタンパク質として牛肉などを食べる必要はない。しかしそのように考えていくと、通常の日本の食生活とは全く異なった食事を強いることにもなりかねない。同様のことは他の分野にも言え、どの程度の衣服が必要最低限であるか、テレビや電話など、どこまで必要最低限であるか、などにおいて明確な基準の設定は困難である。
教育
どの程度の教育水準を必要最低限とするかも様々である。義務教育程度は当然のものとされるが、大学教育や専門技能習得のための費用などが必要最低限の中に含まれるか否かは明確ではない。格差の固定に否定的な立場からは、より高い収入を得るための高度な教育も必要最低限に含まれやすい。
健康・寿命
一般に、より良い食生活やより快適な衣服・住居は、よりよい健康状態、より長い寿命や立派な体格をもたらす。例えば長い寿命を当然とすれば、最低限とされる生活水準は高くなるが、どの程度の健康、寿命が必要最低限であるかを決定することは困難である。
また、他の基準として、1人あたり年間所得370ドル以下とする世界銀行の貧困の定義や、死亡率や識字率などを組み合わせた国際連合開発計画の定義などがある。
相対的な基準として、OECDの統計で用いられる、等価可処分所得の中間値の半分に満たないもの、あるいはアメリカの、収入が、世帯の食料購入費の平均の3倍に満たないもの、などがある。なお、等価可処分所得とは、ある世帯の所得から、税・社会保険料などを除いた可処分所得を、世帯人数の平方根で割ったものである。
相対的な基準を用いると、一定の計算式によって貧困か否かが判断されるため、判断者による恣意が入り込む余地は少ないものとなる。しかし、平均値との比較によって判断するため、国全体が貧しい場合には絶対的に見て相当貧困な状況にあっても、貧困でないとされる場合がある。また、ある発展途上国の貧困でないものは、ある先進国の貧困者よりずっと貧しい、ということにもなる。
ある国や地域の中で貧困という部類に分類されるかどうかが表されるのであり、経済格差という面から見た基準である。
貧困の統計人間開発指数の統計に基づく世界地図
貧困についての統計は、貧困がある国や地域においてどの程度のものであるかを示す統計である。