租税(そぜい)・税(ぜい)とは、公共部門(国や地方公共団体など)が、公共サービスを実施するための原資として、民間(住民や法人など)から徴収する金銭その他の財貨・サービスである。俗に税金(ぜいきん)とも呼ばれる。また、税制(ぜいせい)は租税制度を指す用語である。
また、出版物などの著作者へのロイヤルティを印税と呼ぶ。また著名になる事で生じたプライベートの喪失などの様々な代償を、比喩的に有名税と呼ぶことがある。これらは租税ではない。
目次
1 租税の機能
2 租税が課される根拠
3 租税の基本原則
3.1 納税の義務
3.2 租税法律主義
3.3 租税公平主義
4 税金の歴史
5 租税の種類
5.1 直接税と間接税
5.2 国税と地方税
5.3 応益税と応能税
5.4 普通税と目的税
5.5 内国税と関税
5.6 本税と附帯税
5.7 収得税、収益税、財産税、流通税、消費税
6 関連項目
7 外部リンク
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租税(税金)には次の3つの機能があるとされている。
公共サービスの費用調達機能:市場の失敗という言葉に象徴される市場経済のもとでは提供困難なサービス(軍事、国防、裁判、警察、公共事業など)の提供のための費用を調達するための機能
所得の再分配機能:自由(私的財産権の保護)と平等(生存権の保障)は、究極的には矛盾する考え方であるが、今日の多くの国では、いわゆる福祉国家の理念のもと、国家が一定程度私的財産に干渉することもやむを得ないことと考えられている。このような考え方に基づいて持てる者から持たざる者に富を再分配する機能
景気の調整機能:自由主義経済体制においては、景気の循環は不可避のものとされるが、景気の加熱期には増税を行うことにより余剰資金を減らし投資の抑制を図る。逆に後退期には減税を行うことにより余剰資金を増やし投資の活性化を行う。これにより、ある程度景気を調節することが可能であるとされる。現代の租税制度は累進課税を採用している租税が国等の主要な財源を占めているため、所得の変動に応じた税率の変動により、景気が自動的に調整されるという効果を有する。この効果は自動景気調整機能(ビルト・イン・スタビライザー)と称される。
租税が課される根拠として、大きくは次の2つの考え方がある。
利益説:ロックやルソーが唱えた利益説で、国家契約説の視点から、租税は個人が受ける公共サービスに応じて支払う公共サービスの対価とする考え方。後述する応益税の理論的根拠といえる。
能力説:ジョン・スチュアート・ミル、ワグナーが唱えた能力説で、租税は国家公共の利益を維持するための義務であり、人々は各人の能力に応じて租税を負担し、それによってその義務を果たすという考え方。義務説とも称される。後述する応能税の理論的根拠といえる。
日本国憲法第30条では、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」と納税の義務について規定している。同条は国民に納税の義務を課したものとして国家による徴税の根拠となっている。もっとも、憲法は国家の義務を定めたものであるにも関わらず、国民の義務を定めたと解釈するのは誤りであるとする向きもある。同条は国民が法律に基づかなければ課税されないという権利を定めたとみることも出来る。
租税法律主義とは、租税は、民間の富を強制的に国家へ移転させるものなので、租税の賦課・徴収を行うには必ず法律の根拠を要する、とする原則。この原則が初めて出現したのは、13世紀イギリスのマグナ・カルタである。近代以前は、君主や支配者が恣意的な租税運用を行うことが多かったが、近代に入ると市民階級が成長し、課税するには課税される側の同意が必要だという思想が一般的となり始めていた。あわせて、公権力の行使は法律の根拠に基づくべしとする法治主義も広がっていた。そこで、課税に関することは、国民=課税される側の代表からなる議会が制定した法律の根拠に基づくべしとする基本原則、すなわち租税法律主義が生まれた。現代では、ほとんどの民主国家で租税法律主義が憲法原理とされている。
租税公平主義とは、租税は各人の担税力(租税負担能力)に応じて公平に負担されるべきという原則と、租税に関して全ての国民は平等に扱われるべきだという原則の2つから構成される。