診療放射線技師(しんりょうほうしゃせんぎし、英Radiological Technologist)は、病院・診療所などの医療機関において放射線を用いた検査・治療を業務とする、国家資格を有する医療職である。
目次
1 歴史
2 教育
3 免許
4 国家試験
5 業務内容
6 関連団体
6.1 日本放射線技術学会
6.2 日本放射線技師会
7 関連職種
7.1 診療エックス線技師
7.2 放射線取扱主任者
7.3 エックス線作業主任者
7.4 ガンマ線透過写真撮影作業主任者
7.5 臨床検査技師
8 関連項目
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医療における放射線の利用は、元々医師によって行われていたが、放射線診療技術の高度化に伴い、高いレベルでの専門知識や技術を身につけた専門職として診療放射線技師の職域が形成された。一般に、診療放射線技師以外の医療職も、従来の医師の分野から派生した職域が多く存在する。現在、医師が自らX線撮影やCTなどの検査を実施することは非常に少なくなり、高度な放射線検査の技術を身につけた診療放射線技師が専ら行っている。医療分野においても、細分化・分業化が進んでおり、現代の医療に診療放射線技師は不可欠となっている。
診療放射線技師の学歴に関しては、従来は短期大学もしくは専門学校の出身者が多く見受けられたが、近年では診療放射線技師の高学歴化が顕著となり、四年制大学、さらには大学院出身者が大幅に増加する傾向にある。博士号取得者も徐々に増えてきている。
診療放射線技師養成校も、従来は短期大学と専門学校が主流であったが、現在では短期大学のほとんどが四年制大学に移行し、大学が専門学校よりも入学定員数を多く占めるようになったため、診療放射線技師の養成は大学教育が主流になったと言っても過言ではない。
文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した診療放射線技師養成所において、3年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えたものが診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる。他に、外国において同等の資格を有するもので、特定の条件を満たすものにも受験資格が与えられる。
診療放射線技師法にて、人体に対して放射線を照射できるのは、診療放射線技師、および、医師・歯科医師のみと制限されている(業務独占資格)。従って、前述の資格を有しない看護師・臨床検査技師・理学療法士・歯科衛生士等による人体への放射線照射は違法行為である。
毎年1回、診療放射線技師国家試験が実施される。試験科目は以下の14科目、総問題数は200題、合否判定は正解率60%であると言われている。なお、近年、試験内容の改正が行われ、2004年3月実施の第56回の国家試験から以下に示す新しい科目構成となった。従来の試験に比べて、臨床・医学分野により重点を置くようになり、解剖学、画像の読影、基本的な疾患の病態や検査技術を問う設問が大幅に増加した。
診療放射線技師 国家試験 科目
基礎医学大要(30問)放射線生物学(10問)放射線物理学(10問)
放射化学(8問)医用工学(7問)診療画像機器学(20問)
エックス線撮影技術学(20問)診療画像検査学(20問)画像工学(5問)
医用画像情報学(10問)放射線計測学(10問)核医学検査技術学(20問)
放射線治療技術学(20問)放射線安全管理学(10問)
詳細は診療放射線技師試験を参照
医療において、主に放射線を用いて検査・治療を行うことを業務としている。また、MRI、超音波検査などのように、放射線を利用しない検査を行うことも多い。他に、対患者以外の業務として、放射線管理等、職種の専門性を生かした業務も行う。
診療放射線技師の行う業務
放射線使用の有無種類内容
使用X線撮影胸腹部・全身骨・組織の撮影(俗称:レントゲン撮影)
CTコンピュータ解析による人体の輪切り画像の撮影
血管撮影心臓・脳・消化器・四肢等の血管の撮影
透視透視下にて行う消化器・整形・泌尿器領域の撮影・処置
骨塩定量骨密度の検査
核医学検査放射性薬品を用いた人体の生理機能の画像検査
放射線治療放射線照射による疾患(主に悪性腫瘍)の治療
不使用MRI磁気と電波を用いた人体の任意断面の撮影
超音波検査超音波による人体軟部組織の検査
眼底撮影網膜周辺毛細血管の撮影(無散瞳のみ)
画像処理各種検査で得られた画像を解析し、疾病の診断に有用な情報の取得
放射線管理放射線使用施設の安全管理
品質管理放射線診療で用いる機器の精度・安全性等の管理
診療放射線技師の行う業務、あるいはその行為に用いる放射線の種類は、診療放射線技師法で定められている。当該法令では、放射線とは次に掲げる電磁波又は粒子線を指す。なお、法令では一般に、X線をエックス線、α線をアルファ線と示すように、カナ表記を用いている。
アルファ線及びベータ線
ガンマ線
100万電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線
エックス線
その他政令で定める電磁波又は粒子線
以下に、診療放射線技師が医療で用いる放射線の具体的な業務内容を示す。
放射線の種類と業務内容
種類検査治療
X線
X線撮影(一般撮影・断層撮影
マンモグラフィ・デンタル撮影等)
CT