要塞
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稜堡式城郭の例。オランダのブールタング

要塞(ようさい)とは、外敵等から戦略上重要な地点を守る為に築かれた構築物。砦とも呼ばれる。
目次

1 概要

2 永久築城

2.1 用途と分類

2.1.1 陸上要塞

2.1.2 沿岸要塞

2.1.3 防空要塞(都市要塞)


2.2 建材・カムフラージュ

2.3 永久築城の欠点

2.4 海岸要塞

2.5 第二次世界大戦後の永久築城


3 主な要塞

4 戦前、戦中の日本の要塞

5 関連項目

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概要

要塞とは戦略的重要地点・地帯を保守することを目的として平時から恒久的に建設された建築物であり、その形態は時代と共に変化してきた。古代では都市の防備として城郭・砦の類が建築された(参照)。近代以降では火砲が整備されてからの築城を指す。築城は野戦築城と永久築城の二種類があり、要塞は永久築城を指す。

近代以前においては城壁で市街が囲まれ、城塞を持つ城壁都市が大陸で多く見られた。また、日本では市街を含まないが一般的であったが、小田原城のような例外もあった。 ルネサンス期を迎えてヨーロッパでは大々的に大砲攻城兵器として使用されるようになり、城壁での防衛は次第に困難になっていった。イタリア戦争でこの大砲に対抗するための要塞建築法が一応の完成をみた。 半月堡や稜堡を持つ星型要塞(初期の稜堡式要塞)である。これは攻撃正面を幅広くとり、また側面をできるだけ小さくすることで死角のない濃密な火網を形成できた。


永久築城

永久築城は文字通り、軍事・交通・産業の要衝及びその周辺に恒久的に構築される。


用途と分類

永久築城の施設は時代・用途・地域によって様々だが、基本的には砲台、堡塁、トーチカ(特火点とも言う)、高射砲陣地、指揮所、観測所、弾薬庫、油脂庫、貯水・給水施設、通信施設、待機所、交通施設(地下トロッコなど)、医療施設等である。これらが全て構築されるとは限らず、任務と地域環境に拠る所が大きい。

近代以前の築城と近代の永久築城が異なる点は、それぞれの砲台・観測所・貯蔵庫等が比較的広範な地域に分散し、かつ有機的につながっている事である。故にこれらの分散した設備が陥落もしくは包囲され孤立すればその力を失う事になる。有事においては要塞には多数の兵員が存在する事になるが、平時は観測所などを除いて警備要員が詰めているのみという場合がほとんどだった。


陸上要塞

内陸部における要衝や国境線地帯に築かれる永久築城。堡塁・トーチカといった接近戦用の施設に重きを置き、これらは塹壕、地雷原、迫撃砲陣地といった野戦築城で補強される事が多い。一般的な永久築城はこの陸戦要塞を主に指す。平野や丘陵地帯では戦車等による機甲戦に対する堡塁や地雷原、戦車進行妨害物の設置を行ったり、山岳地帯においては比較的軽装備の山岳部隊に対する登頂の阻止を狙ったトーチカや堡塁を構築したりと様々なバリエーションがある。


沿岸要塞

領海内に侵入した敵の艦艇に対して砲撃・雷撃を加える沿岸地域や港湾、島嶼に構築される要塞。人工島を構築して砲台とするものは海堡と呼ばれた。長距離砲を備えた砲台が主体となり、旧戦艦巡洋艦の大口径砲が使用される砲塔砲台もあった。また、沿岸要塞の大きな特徴としては、ソナーや対艦レーダーを備えており、機雷敷設設備や魚雷発射施設も構築される場合が多い。戦前の日本本土に構築された全ての要塞はこうした沿岸要塞であった。対艦ミサイルが無い時代に敵艦隊の攻撃から重要都市や湾口を防衛したり海峡を封鎖するには大口径砲を備えた沿岸要塞が必要だった。


防空要塞(都市要塞)

一般的に航空機の発達は前出の陸戦・沿岸両要塞においても高射砲陣地の構築をもたらしたが、防空要塞は防空任務を純粋に要塞化したものであった。高射砲陣地、対空レーダー・聴音施設、指揮所、弾薬庫、シェルターなどを一体化させたもので、第二次世界大戦中のドイツベルリンウィーン)に出現した。堅牢なコンクリートによって構築された一種のビルディングで、施設のほぼ全てが地上にあるのが大きな特徴である。敵地上軍にたいする抵抗拠点としても使用された。


建材・カムフラージュ

第一次世界大戦以前の多くの永久築城は煉瓦が用いられており、近代以前の築城同様に多くの施設が地上もしくは半地下式であったが、第一次世界大戦以降、航空機や長距離・大口径砲の発達は要塞を次第に地下化させ、第二次世界大戦当時の要塞の多くは地下式でコンクリートと鉄骨鉄筋を用いた砲爆撃に耐えられるものであった。地下化は爆弾・ミサイルの発達によって加速化され、山岳地帯の岩盤をくり貫いたトンネル内に施設を構築するケースも現れてきた。

永久築城は襲来してきた敵に対して防衛戦を展開するため、敵側に正確な存在を確認される事は致命的である。このため、平時においては設備の隠蔽が必要であった(ドイツのジークフリート線・大西洋要塞線の様に政治的なデモンストレーションとして存在を誇示する場合もあった)。永久築城は要衝の周辺に築かれる事が多いため、永久築城のカムフラージュは厳重を極めた。砲台・観測所等は植物(ギンネムなど)・網・擬装民家などで隠蔽する事が多い。

また、一般に日本を含め各国は法律で永久築城周辺を一般人・外国人の立ち入り禁止地帯とし、写真撮影やスケッチ等も不可能とした。こうした禁止に対する違反者は厳重に処罰するケースが多い。また、地図では要塞地帯は空白になっていたり、擬装された地形が描かれている場合もあった。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen