オールインワン (All in one) とは、幾つかの物や機能などが一つにまとめられている形態のこと。狭義には、ある一つの目的達成に、本来複数組み合わせて使用する製品群を一つにまとめた工業製品と、その設計思想である。広義においては「シリーズ物の映画作品を1パッケージで」といったボックス販売(複数のDVD映像ソフトを一つのセットにする販売方法)にも「オールインワン」という表現が使われる場合がある。本項では、主に狭義のオールインワンに関して説明する。
目次
1 オールインワンの目的
2 類似する思想
3 家電製品におけるオールインワン
3.1 利点と欠点
3.2 製品
4 関連項目
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オールインワンのシステムを設計する理由としていくつかある。
ユーザビリティの向上
コンポーネントシステムを1つにまとめることにより、洗練された操作系をもたせて使い勝手を向上させたり、デザインや設置の自由度を高めたり、ポータビリティ(可搬性)など新たな性能を付加するなど、ユーザビリティの向上や付加価値の創造を目指す。
システムコストの低減
コンポーネントシステムでは個々の単価が上がりやすく、1つにまとめることでシステムコストを低く抑える。廉価版の位置づけで作られる場合もあるが、旧来の製品が過剰性能に陥った場合に作りやすくなる。
ユーザビリティや付加価値の向上に重点をおいている場合は、必ずしもシステムコストは低下せず、むしろ上昇することもある。例えば、パソコンの分野では2000年代前半にデスクトップパソコンからノートパソコンへの転換が進んだが、これはユーザビリティの向上に重点が置かれた。システムコストは、安価な汎用規格品を使うデスクトップパソコンに対して専用部品の構成比率が増加したため、むしろ上昇した。
類似する思想としては多機能化が挙げられる。オールインワンの場合は、元となる製品群が単独製品として商品価値を持ちながらも、各々の機能が相互に必要とされるゆえ一製品に統合されるのに対し、多機能化の場合は相互の機能には密接なつながりはない。このため各々の機能が方向性の異なる独立したものである場合は、あまりオールインワンとはいえない。ただしその境界が曖昧な製品も見られる。
また付加機能は、主となる機能が製品に元から存在し、それに付随する形で新しい機能などを追加したものである。たとえばゲーム電卓などはその好例といえるが、電卓という主体の機能に付随して、コンピュータゲーム(電子ゲーム)の機能を「おまけ的に追加しただけ」である点は、付いても付いていなくても主体の機能に影響しないため、オールインワンの範疇には含め難い。本来の機能である「音声通話」以外の、携帯電話機の機能向上も同様である。
情報家電においては、デスクトップパソコンの本体・ディスプレイ・スピーカーの3種一体化製品や、小型軽量化の障壁となるために本来は別装置としていたCD-ROMドライブやフロッピーディスクドライブなどの記憶装置を、敢えて内蔵した高級大型ノートパソコンなどが「オールインワン」と表現されている。
また音響機器でもステレオデッキのようなコンポーネントで提供される各種機能をひとまとめにした製品などが「オールインワン」と表現される。音響機器では各々の装置の組み合わせ方によっても再生品質や音響特性に違いが出ると主張するオーディオマニアが大勢を占めるが、オールインワンタイプの音響機器では、このオーディオマニアの指向とは異なる大衆受けする「良い音を、単一の製品で」とするオールインワンタイプの音響機器も数多く発売されている(→バブルラジカセなど)。
家電におけるオールインワンでは、幾つかの点で優れた部分があり、その一方で大きな欠点も存在する。
利点
オールインワンでは、まず一つの筐体(本体のケース)に収納するため、各々の機能を各々の機器の連結で実現する場合よりも、接続ケーブルでノイズを拾うことなく処理できる。また外部からのノイズを防ぐためのシールドも個別機器に各々ではなく、1製品分で済ませられる。
場合によっては複数のコンポーネントの機能を1つの電気回路基板に集約できることから、コストダウンの面でも有利である。また各々の機能は相手が決まっている事から標準仕様の端子を採用することなく専用設計で接続できるため、より各々の特性に沿った設計が出来る。
欠点
一つの機能であるまとまった機能を提供するため、部分的な不都合(故障や旧式化)の場合でも入れ替え(部分買い替え)が利かない。特に旧式化では、一部機能の旧式化を是正するためには全体を買い換えなければならず、特に世代交代の早いパーソナルコンピュータでは、コンピュータ本体の陳腐化(レガシーシステム化)は避け難いものとなっている。
また消費電力の増大に伴い電源回路などから発振されるものなど、筐体内部に発生する内因性ノイズが、他の信号系回路へ影響しやすくなるため、これを考慮しての設計が欠かせず、時としてその対策にコスト上昇を要する。廉価版のオールインワン製品では、この部分の設計配慮が不十分であるために、性能面で問題や限界を持つ製品も見受けられる。
製品
家庭用テレビ
テレビではオールインワンという言葉は用いられないが、チューナー、ディスプレイ、アンプ、スピーカーを一体化した古くからあるオールインワンシステムである。