被曝
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被ばくはこの項目へ転送されています。被“爆”については被爆をご覧ください。

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被曝(ひばく)とは、人体が放射線にさらされる事である。被曝した放射線の量は線量当量(または単に線量)で表し、その単位はシーベルトである。

被曝は人体表面からの被曝である外部被曝と、経口摂取した放射性物質などで人体内部が被曝する内部被曝に分類される。また、人体は天然に存在する放射線源に被曝しており、これは特に自然被曝と呼ばれる。天然に存在する外部被曝源としては宇宙線地殻からの放射線があり、内部被曝源としてはカリウム40炭素14のような天然に存在する放射性同位体がある。



目次

1 曝露

2 内部被曝

2.1 生物学的半減期

2.2 預託実効線量


3 被曝の影響

3.1 確定的影響

3.2 確率的影響

3.3 直線しきい値無し仮説

3.4 集団積算線量

3.5 放射線ホルミシス仮説


4 被曝の対策

5 被曝の低減

5.1 時間

5.2 距離

5.3 遮蔽


6 人体に対する放射線の影響

7 被曝と被爆

8 注

9 関連項目

10 外部リンク

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曝露

通常と異なる環境中に何かを置くことを曝露(暴露。exposure)という。 環境には、化学物質のある雰囲気、高温や低温、騒音や振動、電場や磁場、または空気や太陽光といったものが含まれ、曝露された対象物が対照群(曝露されていないサンプル)と異なる性質を示すかどうかに着目する。 例えば、バナナエチレンに曝露すると成熟が速くなる。

これを、曝露される対象物から見たとき、被曝(この場合は被暴とも転記可)すると言う; すなわち、エチレンに被曝したバナナは成熟が速くなる。

戦後、放射線場に曝露された人間の健康影響が、政府やメディアの間で広く関心を集めたことから、日本においては科学の文脈以外の場で「被曝」といった場合は、ヒトの放射線被曝を指す狭い意味で使用される事がほとんどとなった。

以上の流れから、現在一般には「被曝」を放射線曝露の意味として使う事が多いが、放射線学的には放射線曝露を意味する用語としては、「曝」が爆弾を連想させる事、常用漢字にない事、から「被ばく」と記載されることになっている。

この項目では被ばく(以下一般向けに被曝とする)について説明する。


内部被曝

放射線源を体の内部に取り込んだ場合の被曝を内部被曝という。 これに対し、放射線源が体外にあって放射線だけが体に照射された場合の被曝を外部被曝という。 放射線源を体内に取り込む経路には以下のようなものがある:

放射性物質を口から取り込む(汚染された飲食物を摂取するなど)

放射性物質が皮膚の傷口から血管に入る

放射性物質のエアロゾルまたは気体を肺で吸い込む

したがって、閉じていない傷のある者は放射性物質の取り扱いを避けるべきである。 また、放射性のエアロゾルまたは気体のある雰囲気中ではそれを除去できるフィルターを有した呼吸保護具等を装備しなければならない。 放射性物質が皮膚表面に付着しただけでは内部被曝とはならないが、手を汚染した場合は、その後の飲食、喫煙または化粧などによって汚染を体内に取り込む可能性が高い。 したがって、放射性物質を取り扱う区域内では飲食、喫煙または化粧を行ってはならず、また取り扱いを中断・終了するときは必ず手に汚染がないことを放射線測定器で確認しなければならない。

内部汚染を起こした場合、汚染の除去は外部汚染よりはるかに困難となるので、より長期間被曝することになる。

体内に取り込まれた放射性物質がどのように振舞うかは、その元素の種類と化学形により様々である。 例えば、ヨウ素甲状腺に集まる性質があり、ストロンチウム中のカルシウムと置き換わって体内に蓄積することが知られている。


生物学的半減期

体内に取り込まれた放射性物質は、それ自身の放射物理学的に原子核崩壊して減っていくのとは別に、生物学的な作用により、排泄されるなどして体外に排出されることで減っていく。 いずれのメカニズムも、体内にあるその物質の量に対し一定の割合が 減少していくので、その減り方は指数関数的であり、一定の時間ごとに半分に減っていく。 原子核崩壊によって半分に減る時間を物理学的半減期(または単に半減期)、生物学的な排出によって半分に減る時間を生物学的半減期という。

両方を合わせた実効半減期は、以下の式で計算される:


預託実効線量

体内に入った放射性物質が生物学的半減期により減っていくことを織り込み、50年間の被曝線量を積算したものが預託実効線量である。内部被曝による被曝は長期にわたるため、生涯の健康リスクを評価するには預託実効線量を用いる。


被曝の影響


確定的影響

アルファ線ガンマ線のような電離放射線を水に照射すると、電離作用によりラジカル過酸化水素やイオン対等が発生する。ラジカルは激しい化学反応を起こす性質を持つ。人体の細胞中の水にラジカルが生じると、細胞中のDNA分子と化学反応を起こし、遺伝情報を損傷する。DNAはある程度の損傷に対しては自己修復する機能が備わっているが、損傷が修復できる限度を越えると、細胞分裂不全となり自死してしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki