衛視
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国会議事堂正門前で立哨する衛視

衛視(えいし)は、公的機関などの警備や監視を行う者の名称。

一般に日本国会の警務及び議院内部警察権の執行を行う国会職員の名称が知られている。

本稿は日本の国会の衛視について主に記述。
目次

1 法規

2 階級

3 制服

4 身分・待遇

5 職務・権限

6 沿革

7 国会以外の日本の衛視

8 諸外国の衛視

8.1 イギリス議会

8.2 アメリカ合衆国議会


9 関連項目

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法規

日本の国会における「衛視」とは、衆参両議院の議院事務局に置かれる国会職員の一種である。議院事務局の長である事務総長により、衆議院参議院参事の中から命ぜられ、国会法第114条により付与される内部警察権の執行など、各議院の紀律保持のための警務に従事する。

設置の根拠法である議院事務局法上では、事務総長が参事の中から「衛視長」「衛視副長」「衛視」を命ずるとあるように、衛視の呼称は警務を職務とする参事のうち最も初歩的な事務をつかさどる最下級の階級の名称である。一方、それとともに、「衛視は、議院内部の警察を行う」(衆議院規則第209条・参議院規則第218条)というように、衛視長等まで含めた警務を行うすべての参事を指す場合にも「衛視」の語は用いられる。


階級

衛視の階級は最高位である「衛視長」以下、4階級に分かれている。議院事務局法においては衛視長、衛視副長、衛視の3階級が規定され、任命権者である衆議院事務総長・参議院事務総長によって、衆議院事務局・参議院事務局の参事の中から命ぜられる。なお、衛視班長は在勤年数を重ねた衛視が就くが、議院事務局法上の階級ではなく警察官巡査長に相当。

衛視の階級
序列階級職務
1衛視長上司の命を受け警務を掌り、衛視副長及び衛視を指揮監督する。
2衛視副長上司の指揮監督を受け警務に従事し、衛視を指揮監督する。
(3)衛視班長上司の指揮監督を受け警務に従事し、衛視副長を補佐しまたは代理し、衛視を指揮監督する。
4衛視上司の指揮監督を受け警務に従事する。


制服

警察官制服と同様、制帽の帽章エンブレム旭日章と桜模様を用いるが、違いはポケットのひだが2条のもので、職階章(階級章)が国会議事堂をかたどったものであり、エンブレムが衆議院又は参議院を表す文字である。また、帯革に拳銃警棒等も着装しておらず、ズボンの時計ポケットにを入れているのみである。ただし、個人が常時携帯はしないが、警務部の備品として警備詰所等には警杖は配備されている。


身分・待遇

衆議院事務局・参議院事務局に勤務する国会職員で、国家公務員法上の特別職である。衆参両議院事務局いずれとも警務部の各課に所属する。

人事・給与体系は国会の一般事務職員とは区分されており、高等学校卒業程度を対象とする衛視採用試験によって任用され、衛視の階級を順次昇進する。

議院警察権の行使に関わる事務をつかさどることから、一般職国家公務員の公安職と同様の給与体系をもつ議院警察職俸給表が適用される。しかし、日常的には専ら警備を行っているのみであるので、衛視を警備員の一種と見てその高給を批判する向きもある。


職務・権限

職務執行は、衆議院参議院とでそれぞれの議長の指揮下において行われるため、管轄区域もそれぞれの議長の管理する区域である。すなわち、国会議事堂とその別館、分館において、衆議院側は衆議院の衛視、参議院側は参議院の衛視が管轄する。また、現在の議員会館が建設されてからは、各議院の議員会館の警備も担当している。

議院記章等の点検を行い、院内への不法侵入の予防などに当たり、また議事堂の各門や連絡用通路、議場、委員室・委員会室、議員会館の警備に当たる姿が一般に見られるが、職務の内容はその他広範なものである。議員記章と前議員記章の交付は会計課であるが、それ以外の議院記章は警務部で交付される。

最も重要な職務として院内(衆議院・参議院それぞれの管轄する建物の内部)の警察がある。各議院には、議院自律権が認められるため、行政官である一般の警察官は、各議院における職権行使が制限されており、院内の警察は衛視の職務とされているためである。ただし、院内警察権は議事堂本館と各院の別館の門内に限られ、議員会館は含まれないのが先例である。

ただ、衛視のみをもってしては、十分に院内の紀律を保持することができないなど、議長が必要と認めた場合には、議長は内閣に対し、警察官の派出を要求することができる。この要求により派出された警察官(派出警察官と呼ばれる)は、議長の指揮下におかれ、衛視とともに院内の警察権を執行する。衆議院公報及び参議院公報によれば、毎国会ごとに警視庁警部以下の警察官が派出されているのが慣例となっている。

要人の警備についても、SPには公務員記章が交付されており、SPが対象者の警護を行っているが、院内は衛視が主として警護を行い、在院中の内閣総理大臣や国賓に対しては正副議長に準じて警護を行う。また、特に参議院の衛視は、参議院議場において行われる国会開会式に際し、議事堂に来訪する天皇の先導・警護を務めている。国会開会式のほか、公賓の来訪などに際しては、衛視は儀礼服を着用して警備に当たることがあり、議院の威儀を正す役割もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki