行為能力
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この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

意思能力(いしのうりょく)とは、有効に意思表示をする能力のこと。行為能力(こういのうりょく)とは単独で有効に法律行為をなしうる地位または資格のこと。いずれも民法上の概念、用語。
目次

1 意思能力

2 行為能力

3 両者の比較

4 類似する制度

5 関連項目

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意思能力

意思能力とは、有効に意思表示をする能力のことをいい、具体的には自己の行為の結果を弁識するに足りる精神的な能力のことである。 ⇒民法第7条の「事理を弁識する能力」(事理弁識能力)とは、この意思能力を指す。意思能力の有無は、問題となる行為ごとに個別に判断される。一般的には、10歳未満の幼児泥酔者、重い精神病認知症にある者には、意思能力がないとされる。

判例によれば、意思能力を欠く人(意思無能力者)の行為は無効である(大判明38・5・11民録11輯706頁)。民法その他の法令に、「有効な行為を為すためには意思能力が必要である」という旨の定めはない。しかし、私的自治の原則(意思自治の原則)を基本として構成される私法上の法律関係においては、当然の前提とされる。


行為能力

行為能力とは、単独で有効に法律行為をなし得る地位または資格のことをいう。行為能力が制限される者のことを制限行為能力者という。かつては行為無能力者あるいは制限能力者と言った。制限行為能力者は具体的には未成年者成年被後見人被保佐人、同意権付与の審判( ⇒民法17条第1項の審判)を受けた被補助人を指す( ⇒民法20条第1項)。なお、同意権付与の審判を受けず代理権付与の審判( ⇒民法876条の9)のみを受けている被補助人は制限行為能力者ではない( ⇒民法20条第1項定義参照)。

行為能力の制度は法律行為時の判断能力が不十分であると考えられる者を保護するために設けられたものである。意思能力のない者による法律行為は無効とされるが、法律行為の当事者が事後において行為時に意思能力が欠如していたことを証明することは非常に困難である。また、行為時の意思無能力が証明された場合には法律行為が無効となるので、その法律行為が無効となることを予期しなかった相手方にとっては不利益が大きい。そこで、民法は意思能力の有無が法律行為ごとに個別に判断されることから生じる不都合を回避し、類型的にみて法律行為における判断能力が十分ではない者を保護するため、これらの者の単独で有効に法律行為をなし得る能力(行為能力)を制限して制限行為能力者とし、その原因や程度により未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人に類型化した上で、それぞれの判断能力に応じて画一的な基準により法律行為の効果を判断できるようにしたのである。そして、制限行為能力者にそれぞれ保護者を付して取消権などの権限を認め、制限行為能力者の利益となるよう適切に判断することが期待されている。保護者は具体的には、未成年者の場合には親権者・未成年後見人、成年被後見人の場合は成年後見人、被保佐人の場合は保佐人、被補助人の場合は補助人である。

未成年者、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被補助人が、それぞれの保護者(法定代理人、保佐人、補助人)の同意を得ずにした法律行為は取り消すことができる。また、成年被後見人の行為は、成年後見人の同意があった場合であっても取り消すことができるのが原則である。

ただし、婚姻縁組認知遺言など、一定の身分法上の法律行為(身分行為)については、行為能力制度(制限行為能力者制度)の適用はないものと解されている。そもそも行為能力制度(制限行為能力者制度)は制限行為能力者の取引の安全を図ることを目的としており、また、身分法上の法律行為は本人の意思を尊重する要請が強く、類型的にみて身分法上の法律行為は財産法上の法律行為ほど要求される判断能力は高くないものと解されているからである(一般に身分行為に必要とされる判断能力は15歳程度の判断能力が基準とされている。遺言につき ⇒961条・ ⇒962条参照)。

行為能力制度の大改正は、昭和22年(1947年)と平成11年(1999年)に行われた。
昭和22年(1947年)の改正では、を行為無能力者とする規定を削除した。「両性の本質的平等」(憲法24条)に反する規定だからである。
平成11年(1999年)の改正では、禁治産者、準禁治産者という語を成年被後見人、被保佐人という語に改め、被補助人という類型を新たに定めた。また、浪費者を制限行為能力者とできる規定を削除した。


両者の比較

意思能力 行為能力
意思能力のない者(意思無能力者)の法律行為は無効
(参照:不確定的無効取消的無効)効果行為能力の制限された者(制限行為能力者)の法律行為は取り消しうる
(取り消されるまでは有効)。
問題となる行為ごとに行為者の年齢、状態、行為の状況など
実質的な観点からその有無を立証。証明行為が民法に定められた制限行為能力者の取り消すことができる行為に該当するか否かという
形式的な観点から立証。


類似する制度

訴訟能力
意思能力、行為能力と類似する法的概念として、訴訟能力(そしょうのうりょく)がある。訴訟上の行為をなしうる能力と定義される。能力の程度については、財産法上の行為能力より高度の能力が要求されると考えられている。訴訟能力の有無は ⇒民事訴訟法31条?34条、刑事訴訟法27条?29条によって判断される。一方の当事者が訴訟中に意思能力を欠いた場合は当然訴訟能力を欠くことになり、民事訴訟では訴訟手続の中断事由になり(民事訴訟法124条1項3号、ただし訴訟代理人がいる場合はこの限りではない、124条2項)刑事訴訟であれば公判が停止される(刑事訴訟法314条)。

責任能力
該当項目を参照。


関連項目

権利能力

責任能力

遺言能力

精神鑑定

この「意思能力・行為能力」は、分野に属する書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています(P:法学/PJ法学)。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki