行政訴訟(ぎょうせいそしょう)とは、行政に関する紛争を裁判所が裁断すること。
狭義には、行政裁判所による行政権による裁断。
広義には、司法裁判所による司法権による裁断も含む。現在の日本では、こちらの意味に用いられることが多い。
目次
1 概要
2 類型
3 主観訴訟
3.1 抗告訴訟
3.1.1 取消訴訟
3.1.2 無効等確認訴訟
3.1.3 不作為の違法確認訴訟
3.1.4 義務付け訴訟
3.1.5 差止め訴訟
3.1.6 法定外抗告訴訟
3.2 当事者訴訟
4 客観訴訟
4.1 民衆訴訟
4.2 機関訴訟
5 関連項目
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大陸法系諸国では、裁判所とは別個に行政裁判所が設置されることが多く、明治憲法下の日本でも明治憲法第61条により、「行政裁判所」が設置されていた。しかし、現行憲法においてはこれが廃止され、行政に関する裁判はすべて裁判所に委ねることとなっている。一般法として、行政事件訴訟法がある。
行政事件訴訟法は、以下で条数のみ記載する。
現在の日本の行政訴訟には、その態様により2つの訴訟に大別できる。
主観訴訟 個人的な権利利益の保護を目的とする訴訟
客観訴訟 客観的(非個人的)な法秩序の適正維持を目的とする訴訟
さらに、それらについても行政事件訴訟法により下記の如く分類される。それぞれの類型の説明は、各項目の項または「行政事件訴訟法」の項を参照のこと。
「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
詳細は取消訴訟を参照
出訴期間( ⇒14条)
処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう( ⇒3条4項)。現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる( ⇒36条前段)。出訴期間の制限はない。
予防的無効確認訴訟(36条前段)
当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者の訴え
補充的無効確認訴訟(36条後段)
処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者の訴え
処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう(3条5項)。処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる( ⇒37条)。出訴期間の制限はない。判例: ⇒不作為の違法確認等請求(昭和47年11月16日 最高裁判例)
申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らの処分又は裁決がされないか、処分又は裁決がされた場合において、取り消されるべきもの、又は無効若しくは不存在であるときに提起できる( ⇒第37条の3第1項)。
直接型(非申請型)義務付け訴訟
行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないときの訴訟( ⇒3条6項1号)。重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる( ⇒37条の2第1項)。行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる(37条の2第3項)。行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする(37条の2第5項)。
例:原子力発電所の施設改善命令を出すように求める訴訟
申請満足型義務付け訴訟
一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう(3条6項2号)。申請又は審査請求をした者に限り、提起することができる(37条の3第2項)。当該法令に基づく申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らの処分又は裁決がされないときは、処分又は裁決に係る不作為の違法確認の訴えを併合して提起しなければならない( ⇒37条の3第1項1号、3項1号)。申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であるときは、取消訴訟又は無効等確認の訴えを併合して提起しなければならない(37条の3第1項2号、3項2号)。
例:国民年金の給付を拒否された場合に、給付決定を求める訴訟。
仮の義務付け
義務付けの訴えがあった場合において、その義務付けの訴えに係る処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は申立てにより決定をもって仮に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨の命令( ⇒37条の5第1項)。公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは命ずることができない(37条の5第3項)。