行司(ぎょうじ)とは、相撲において取組の有利・不利を判断し、勝者を判定する役目の者である。
目次
1 概説
2 役割
2.1 土俵入り
2.2 土俵祭
2.3 場内放送
2.4 取組編成と番付編成
2.5 割場
3 階級と装束
4 呼び上げ
4.1 取り組み
4.2 結びの一番
4.3 出世披露
4.4 顔触れ言上
5 掛け声
6 行司家と行司名
6.1 主要な由緒ある行司名
7 行司をめぐる主な出来事
8 行司一覧
8.1 現役の行司
8.2 引退した行司
9 関連項目
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行司は勝負が決まった段階で、どちら側が勝ったかを軍配によって示さなければならない。行司の判定に対して、勝負審判などが異議を申し立てた場合には物言いとなり、協議が為される。
大相撲においては、取組中にも掛け声を掛ける、観戦の邪魔にならないように移動する、力士の緩んだ廻しを締め直す、力士の外れたさがりを土俵の外に除ける、水入りの場合に両者の立ち位置や組み手などを決めるなど様々なことをこなさなければならない。行司には他にも番付を書く、決まり手をアナウンスするなどの仕事がある。
力士同様、行司も各相撲部屋に所属する。(ただし、1958年から1973年まで、〈行司部屋〉として独立していた時期があった。)行司の定員は45人、定年は65歳。上下の差が顕著な相撲界においては行司も例外ではなく、『審判規則』第20条により裁く階級によって行司の装束も大きく変わる。『審判規則』第1条により直垂、烏帽子の着用(1910年(明治43年)5月に裃袴から変えた)と軍配を持つことが決められている。最高格である立行司は、かならず短刀を差している。帯刀を許され拝領した短刀をさし軍配を差し違えてしまった場合には切腹するという決意を示したものである(2008年5月26日放送の朝ズバで、みのもんたが、行儀の悪い力士を斬るためという知識を披露していたが、誤りである)。しかし、実際に切腹した行司はいない。無論、現在も切腹することはなく(ただし、進退伺いを出すのが慣例)、古来からの習わしとして装着している。
行司の役割は、大相撲の取組を裁く(取組の進行および勝負の判定を行う)ことが目立つが、その他にも土俵入りの先導役、土俵祭の司祭、場内放送、取組編成会議の書記、番付編成会議の書記、割場などの仕事がある。巡業においては、交通機関や宿泊先の手配、部屋割りなど先乗り親方の補佐をする。所属している部屋においては、番付の発送、冠婚葬祭の仕切り、人別帳の作成などの仕事に携わる。
土俵入りには、十両土俵入り、幕内土俵入り、横綱土俵入りの3種類がある。十両土俵入りは十両格行司、幕内土俵入りは幕内格行司と三役格行司、横綱土俵入りは立行司が務める。特定の行司が先導役を務めるのではなく、行司監督が決めた順番により行司全員が交代に担当する。また、横綱土俵入りは立行司の木村庄之助と式守伊之助が交互に務めるが、横綱が3人以上いる場合や立行司に欠員・事故ある場合には、三役格行司がこれを代役する。横綱土俵入りの型には雲竜型と不知火型の2種類があるが、行司の所作には違いはない。
本場所、地方巡業、各相撲部屋の土俵祭においては、土俵の安泰を願って司祭を行う。本場所における土俵祭の祭主は、立行司の木村庄之助と式守伊之助が交互が交代に務め、幕内格行司と十両格行司が脇行司を務める。土俵祭とは、土俵を神聖なる場所にするための儀式であり、神道に基づいて清祓の儀、祭主祝詞奉上、祭幣並びに献酒、方屋開口故実言上、鎮め物、直会、触れ太鼓土俵三周の式順で執り行われる。
場内放送の役割は、力士の紹介、懸賞の紹介、取組の決まり手アナウンスなどである。場内放送は行司2名がペアを組み、升席西1列目において行う。2名のうち1人がアナウンスを務め、もう1人が勝敗結果の記録など補佐を務める。また十両土俵入り、幕内土俵入りの際における力士の紹介も行司の役割である。場内放送を行う場所は枡席から土俵溜りに移動し、東方力士の紹介は青房下の土俵溜りで行い、西方力士の紹介は黒房下の土俵溜りで行う。
取組編成会議において審判部が決定した取組を記録したり、番付編成会議において審判部が決定した番付を記録する書記を務める。取組編成会議の書記には5人一組であたり、割場長、巻き手、つなぎ手などの役割を担う。幕内以上の翌日の取組については「顔触れ」と呼ばれる和紙に書き写し、顔触れ言上(かおぶれごんじょう)と呼ばれる儀式を行う。番付編成会議の書記には3名一組であたり、番付の原簿となる「巻き」と呼ばれる和紙をまず作成し、約10日間がかりで番付を作成する。番付は、根岸流と呼ばれる独特の相撲文字で隙間がないようにして記載する。これは、満員御礼になるように客がびっしりと入るようにとの願いを込めて書かれる。