蝗害
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1887年にドイツライプツィヒで描かれた飛蝗の絵

蝗害(こうがい)とは、トノサマバッタなど、相変異 (動物)を起こす一部のバッタ類の大量発生による災害のこと。日本での発生は稀なため、漢語の「蝗」に誤って「いなご」の訓があてられたが、日本で水田に生息し、食用になる分類学上のイナゴ類がこの現象を起こすことはない。

水稲や畑作作物などに限らず、全ての草本類を数時間のうちに軒並み食べ尽くしてしまう。当然、地域の食糧生産はできなくなるため、被害地の住民は深刻な飢饉に陥いる。大量に発生したバッタは大量の卵を産むため、数年連続して発生するのが特徴である。日本を含む大抵の国では、殺虫剤の普及により過去のものとなっているが、アフリカ諸国など国土が広大で組織的な駆虫が難しい地域では、現在も局地的に発生し大きな被害を出している。
目次

1 特徴

1.1 種類

1.2 群れの大きさ

1.3 生態


2 対策

3 地域ごとの歴史と特色

3.1 世界

3.1.1 中国

3.1.1.1 殷周

3.1.1.2 漢代

3.1.1.3 魏晋南北朝

3.1.1.4 唐代

3.1.1.5 五代十国

3.1.1.6 宋代

3.1.1.7 元朝

3.1.1.8 明朝

3.1.1.9 清代

3.1.1.10 近現代


3.1.2 朝鮮半島

3.1.3 ヨーロッパ、地中海

3.1.4 中東?南アジア

3.1.5 アフリカ

3.1.6 北アメリカ


3.2 日本

3.2.1 概要

3.2.2 歴史



4 注釈、出典

5 参考文献

6 関連項目

7 外部リンク

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特徴サバクトビバッタの幼虫。高密度の集団中で世代交代を繰り返すと群生相の個体が生まれてくる。
(上)孤独相
(下)群生相

真の蝗害をもたらす飛蝗現象は農学上重要であるとともに生態学的にも興味深い現象であるため、多くの研究が積み重ねられている。


種類

蝗害を与えるバッタの種類としては、バッタ科 ( ⇒Acrididae) のうち相変異をするものである。被害が大きいことで有名なのは、トノサマバッタ (Locusta migratoria, アジア・アフリカ)、サバクトビバッタ ( ⇒Schistocerca gregaria, 北アフリカ全域・アラビア半島・パキスタン・インド・希にヨーロッパの主に砂漠地帯)、モロッコトビバッタ(Moroccan Locust, Dociostaurus maroccanus, 北アフリカ、トルコ中東アフガニスタンと周辺国の主に半砂漠地帯[1])、ロッキートビバッタ ( ⇒Melanoplus spretus, 北米)、オーストラリアトビバッタ (Chortoicetes terminifera、オーストラリア)などである[2]


群れの大きさ

1870年代ネブラスカ州を襲ったロッキートビバッタの群れの大きさは、幅160キロメートル、長さ500キロメートルである(この面積は日本の本州全面積の3分の1ほどである)。平均高さ800メートル、場所によっては1600メートルであったと報告されている。また、同じ場所では6時間以上にわたって観察された[2]。この群れが移動するため、被害面積はこれよりもはるかに大きくなる。

群れの個体数に関して確からしい値としては、1958年に写真を使ったサバクトビバッタの観察結果で、1立方メートル当たり17匹、個体数500億匹、重さ11万5000トンという値が報告されている[2]。サバクトビバッタは比較的大型のため、他のバッタではもっと密度が高い可能性がある。ただし、近年であっても目視による観察ではかなり過剰に報告されることが多い[2]


生態砂地に産卵するサバクトビバッタ

バッタ科の雌は、産卵管を使って土や砂地の地下2?3センチメートルに産卵する。背の高い草が密集している場所での産卵は苦手であり、近年北米で蝗害が減った原因のひとつは、アメリカバイソンが減少して草の背丈が伸びすぎたためとも言われている[2]。大量に産卵が行われるには草原や河原の砂地などが必要であり、蝗害は草原と耕作地が隣接しているような場所で発生しやすい。また、群れを維持するためには大量の植物が必要であり、日本のように狭い土地では蝗害はほとんど発生しない[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki