航空事故(こうくうじこ)とは、航空機の運航中に起きる事故である。NASAによるボーイング720を使った航空事故実験 ( ⇒動画1 ⇒2 ⇒3)
目次
1 概要
2 リスク
3 事故の原因
4 事故調査
5 航空事故の一覧
6 航空事故を扱った作品
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
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航空機、特に旅客機ではひとたび事故が起こると、乗員や乗客はもちろん、場合によっては地上にいる者をも巻き込む大惨事となってしまう危険性を孕んでいる。
航空会社にとっては一度の事故が航空会社全体の信頼や存亡に関わり、また、事故の原因が航空機の欠陥によるものであることが明らかになった場合、当該の航空機メーカーや業界全体の信頼にも関わることになる(コメット連続墜落事故など)。
このため、航空産業発足の当初から、航空事故に対してはその原因究明と対策に全力が注がれてきた。事故で判明したことや得られた情報は、同様の事故が再発しないよう以後の航空機の設計や運用に生かされている。
リスクトロントのピアソン空港の滑走路先に横たわるエアバスA340の焼けただれた残骸(詳細は「エールフランス358便事故」を参照)
アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという(アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%)。
アメリカ国内において自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.03%なので、その33分の1以下の確率ということになる。これは8200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかという確率である。これが「航空機は最も安全な交通手段」という説の根拠となっているのだが[1]、車1回の使用に対し、飛行機1搭乗という形で計算すると車1回の使用に対し、飛行機1搭乗あたりの死亡リスクは10倍になる。航空機利用者は、走行距離あたりの死亡事故率(業界関係者には歓迎される統計結果)のみに耳を傾けるべきではなく、搭乗回数あたりの死亡事故率(あまり利用者には知られたくない統計結果)が大きく乖離しているという事実を知っておいても損はない。
航空事故を引き起こすリスクの多寡は航空会社やその運行地域によって異なり、一般に先進国では低く、発展途上国では高い傾向が見られる[2]。また旧共産圏諸国では航空機事故を隠蔽する体質があったため、航空事故の詳細が明らかになったのはごく最近のことである[3]。 近年において、特に危険な地域とされているのはアフリカ諸国と西アジア諸国という結果が出ており、実際にこれらの地域においては航空事故が多発している。
ドイツの航空業界専門誌『アエロ・インターナショナル (AI) 』の行った調査では、1946年以降一度も死亡事故を起こしていないカンタス航空 が “最も安全な航空会社”であるという。そしてフィンランド航空、キャセイパシフィック航空がその後に続いている。一方 “安全性が最下位” だった航空会社は過去に10機を全損し死者計844人を出しているという。なお欧州連合は域内の飛行が禁止されている、つまり危険とみなされる航空会社名を掲載した「ブラックリスト」を定期的に発表しており、最新のリスト[4]ではTAAG アンゴラ航空や高麗航空、ガルーダ・インドネシア航空をはじめとする全てのインドネシアの航空会社などが明記されている。
しかし航空事故はさまざまな要因が複合して事故に至るものであり、多くの航空機や人命を失った航空会社に安全性の問題があるとは必ずしも言い切れない。この “安全性が最下位” にランクされた航空会社は1970年代に最多級の死者を出す全損事故を起こしているが、その原因は航空機の設計上の問題に起因するものだった。また一機の事故としては史上最多の死者を出した日航ジャンボ機墜落事故にしても、その原因は過去に製造元が機体に施した修理のミスだった。
事故の原因金属疲労のため飛行中に機体上面が吹き飛んだボーイング737(詳細は「アロハ航空243便事故」を参照)機械的故障のため前輪が横向きに固まり緊急着陸をするエアバスA320(詳細は「ジェットブルー航空292便緊急着陸」を参照)部品脱落のため燃料タンクが破損し機体火災を起こしたボーイング737-800(詳細は「チャイナエアライン120便炎上事故」を参照)
航空事故のおよそ8割は、機が離陸・上昇を行う際と進入・着陸を行う際の短い時間帯に起こっている[5]。巡航中に発生する事故も少なくはない。
事故原因の大半は人為的なミス(操縦ミス、判断ミス、故意の操作ミス、定められた手順の不履行、正しくない地理情報に基づいた飛行、飲酒等の過失など)、または機械的故障(構造的欠陥、不良製造、不良整備、老朽化など)に端を発するものとなっている。