キャリア(career)とは、日本における国家公務員試験の上級甲種またはI種(旧外務I種を含む)に合格し、幹部候補生として中央省庁に採用された国家公務員の俗称。有資格者ともいう。
目次
1 概説
1.1 キャリア制度
1.2 キャリア公務員の頂点
2 キャリア制度の歴史
3 キャリアの現状
3.1 防衛キャリア
3.2 警察キャリア
3.3 文部科学キャリア
3.4 国土交通キャリア
3.5 厚生労働キャリア
3.6 外務キャリア
3.7 法務キャリア
3.8 財務キャリア
4 キャリア制度の問題
4.1 技官・事務官の処遇(例:国土交通省)
4.2 官僚採用における不均衡是正と現状
4.3 ノンキャリアの処遇
5 キャリアを扱った作品
5.1 ノンフィクション
5.2 小説
5.3 漫画
5.4 テレビドラマ・映画
6 関連項目
7 参考文献
8 脚注
9 外部リンク
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高級官僚とその候補生の登用、昇進のシステムがキャリア制度(キャリアシステム)と呼ばれる。採用時の試験区分によって選抜された幹部候補グループ(「キャリア」と呼ばれる)は、その他の職員(「ノンキャリア」と呼ばれる)と区別して一律に人事管理が行われ、より早いスピードで昇進、高級官僚ポストをほぼ独占する。しかし、各省庁毎にシステムが若干異なり、また省庁ごとに違う意味で捉えられることが多いため、統一的な定義はない。またどういう人までをキャリアと呼ぶかも、各省庁で違う。一般的には国家I種の「行政」「法律」「経済」区分に合格した者を指すことが多いが、広義には技官を含めた国家I種合格者全体を、限定的には国家I種の「法律」区分に合格した者のみを指すことがある。狭義ではI種合格者の中でも本省(内局)に採用された者のみを特にキャリアとみなし、外局や地方支分部局で採用された者はこれに含まない。また、法務省においては検察官がキャリアとして扱われたり、非常に多くの職員を抱える警察組織においては国家II種警察庁採用の警察官が準キャリアやセミキャリアなどといった俗称で形容される待遇を受けるなど、例外も多い。「制度」とは呼ばれるものの現行のキャリア制度について法的根拠は存在せず、全くの慣行として事実上の運用がなされている。
昇格や給与などの待遇は他の公務員(ノンキャリア)と比べ物にならないほど良いと思われがちだが、明らかな差がつくのは入省して相当の経験を積んでからとなる。キャリアはノンキャリアに比して責任の重い仕事が割り振られることが多い。また、定時終業など先ず望めず、退庁時間が非常に遅くなることも少なくない(ただ本省勤務者は概してノンキャリも含めて、退庁時間が遅いのが常であり、キャリアだけの問題ではない)。ほぼ全員が本省課長クラスまで横並びで昇進し、その後熾烈な出世競争をくぐり抜け、脱落した者は省庁の地方支分部局、地方公共団体、外郭団体などの幹部職員として出向したり、民間企業に再就職あるいは政治家に転身する。一部は高級官僚(慣例的に本省局長クラス以上を指す)まで昇進し、一般に同期入省又は後年入省の事務次官が誕生するまでに、同年次のキャリア組は退官する。これらの慣行から生じるのがいわゆる「天下り」であり、この意味において「天下り」はキャリア制度の一環を成しているといえる。
なお、日本銀行や元々国の機関であった組織(旧鉄道省のJRや旧電気通信省のNTTなど)も、特定大学出身者の優遇などといった形でキャリア制度が残存し、特殊法人、地方公務員や戦前からある大企業でも、キャリア制度に類似した採用、昇進のシステムを存続させているところもある。
キャリア公務員の一般的な最高職は事務次官である。しかし、省によっては例外が存在する。外務省と法務省では、事務次官より、それぞれ駐米大使と検事総長という役職の方が格上とされている。